◇◇【昭和(戦時中)】学友の話01
暑い夏の日に、暑気を忘れて頂ければ、幸いです
「いやー、日本は暑いねー、まだ初夏だというのに、この暑さには負いるねー」
「いや、いや、まだ日本の夏はこんなものじゃないだろー。もっと、暑くなるゾー!」
「今は、家族は疎開して誰もいないし、ひとり者みたいなものだから、家のなかは散らかっているけど、気にせずに上がれよー」
風通しのいい、縁側のある部屋に案内した。
「いやー、大学を卒業して以来かー、田荘君」
「そうだなー、土塁もアイルランドに渡ってから、一度も日本に帰って来てないんじゃないのか?」
そうして、彼は北欧神話の物語を語り始めた。ああ! そうだったー、彼はその手の話が好きで、僕はいつも聞き役だった。
そんな話を聞いてる奴は、僕ぐらいしかいなかったんだよ。まー、でも僕も嫌いではないので、いつも聞き役になっていたっけなー
そこから、アイルランドの物語の話になってきた。
いやー、デュラハンは日本にいる時は騎士だとばかり思っていたんがねー。色々とバリエーションがあるんだよねー。
やはり、現地にいて聞く話は、面白いものがあるよー。
でも、僕もデュラハンの持つ首は自分の首だと思っていたが、あれは『首級の首』らしい。
それから、騎士だけではなく、御者だったりしてねー、これが訪れると『死者が出る前触れ』だと言う話もあるねー。
更にだー、男だけではなく、女性もいるんだよねー、これがー。でも、全てが首から上がないんだよねー。
あと、僕が6年ほど住んでいたところは、海辺の日本と同じように、リアス式海岸だっけかな? そんなところだったよー
その環境のせいなのか、あの辺りは異色な物語になっているんだよー。
奥まった入り江があるところなんだ。だから、風の強い日は、波が荒くなるから海岸の港ではなく、入り江に逃げて避けるんだよー
でも、外国や国内のそんな事情を知らない大型の船などは、入り江が浅いので、入れないんだー
だから、風が強い時期などは、近くの港に逃げるんだけどねー
なぜか、入り江でも、風の強い日は、沈没したり、転覆したりするんだそうだー
そこに物語が入っているんだよー。いわく、ヨットに乗る女性がこちらに向かって来るそうなんだー
そして、デュラハンと似たところは、それを見た船は沈むそうなんだー。他の話にもある、『死者が出る前触れ』なんだねー
その上、船で『首級の首』なら船長と、相場が決まっていて、沈んだ船の船長の首が無くなっているそうなんだー
私の作品をごらんになっていただき、ありがとうございます。
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