神さま、デリカシーが家出する。
寝落ちました!( ;ω人)
寝る寸前まで書いてた所までとりあえずアップします。
さそははひななははは
とか訳の分からん文字列ってホントに打たれるんですね。
びっくり。
見直し終えたら、タイトル入れます!
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なう(2025/09/22 00:22:58)修正しました!
3193文字→4698字に増量してます。
ムリを通して俺の声に応えてくれた弊害か、カノンは今もまだ、深く眠っている。
生命維持機能が正常になっている以上、彼に俺がしてやれる事はもう無い。
強いて言うなら、シスコンが気に病まないように、アリアの傷も全て治してやる事位か。
宰相閣下のお陰で、霊力が有り余っている。
むしろ回復薬の効果がまだ続いていて、放っておいたら身体が風船みたいに膨らんで、破裂しそうな感覚がある。
そうなる前に、発散させたいという思惑がある。
医療の知識が無いせいだろうか。
アリアの腹部を鑑定眼で見てみると、貫かれ修復した内臓が、少々無理矢理感があると言うか。
こんなギュウギュウ詰めにしたらアカンでしょ、って感じにミッチリしている。
癒着を起こして、腸閉塞にならないかが心配だ。
傷はシッカリ塞がっているものの、ケロイドが生じている。
嫁入り前の身体に、傷痕を残すのは忍びない。
痒いからと、公務中にお腹をバリバリ掻きむしるのは、外聞も良くないだろう。
過去の傷も含めて、魅惑のタマゴ肌になるよう、治してやろうじゃないか。
アリアにコレだけのケロイドが生じるのなら、カノンも傷痕が残り易い体質になるのかな。
男女で男親の遺伝か女親の遺伝か、変わるしな。
それに重症化するのには、女性ホルモンの影響もあると言う。
女性の方が、傷が残ったら気にすると言うのに、女性らしい人であればある程、創傷が残るのって、人体におけるバグだよなぁ。
断りを入れて、腹部に手を当てた。
引き続き鑑定眼を通して、中身を視ながらの修復作業になる。
腸回転異常症のように、腸の走行に異常が生じている。
治さなければ遠くない将来、軸捻転による血行不良で壊死が起こるだろう。
どうやったら、ココまで不自然に捻れた状態にする事が出来るのか。
……ソレだけ、傷がデカかったって事か。
皮膚の修復は直ぐに終わった。
しかし腸の固定すら上手く出来ていないため、少々強引に引っ張ったり、収まりが良くなるようグルグルと回転させたりしなければならない。
お腹を開かない状態でやるのは、なかなかに難しいぞ。
文字通り内臓が掻き回されている状態になる。
麻酔も無い状態だし、当然、アリアは吐き気と腹痛に身悶えた。
「ハイ、噯気も放屁も、ガマンせずに出してね〜」
赤ん坊にするみたいに、しがみついて来た背中をポンポン宥めるように軽く叩く。
女の子は大衆の前で出すの、嫌がるよね。
だけどコレだけ絶え間なく放屁が出るのは、イレウスによって流れず滞っていたガスが、シッカリ流れた証拠だ。
結構、膨満感で辛かったのではなかろうか。
これ以上のガマンは、身体に悪い。
便秘の原因にもなりかねない。
つまり恥ずかしがる必要は、一切ない。
生理現象なんだし。
生まれてこの方一度も出した事が無い人なんて、生まれてホヤホヤの赤ん坊位しか居ないのだから。
気にする方がおかしい。
胎児はね、羊水の中には空気が含まれていないから。
ガスの出しようがないので、ゲップもオナラも出ない。
アクビくらいなら、するけどね。
「ひどい辱めを受けました……」
「誤解を招く物言い、辞めてよ……」
ヨヨヨと泣き崩れる素振りを見せるが、俺のツッコミに舌を出して見せた後、即座に立ち上がる。
イヤ、直ぐにしゃがんだ。
頭を垂れ両膝を付いたこの動作は、君臣関係における所作ですらない。
どちらかと言うと、神々に願いを乞う時の動作だ。
そう言う他人行儀なのは、さっきの物言いよりも唾棄したくなる。
お礼なんて、笑顔だけで十分なのだ。
そんな物々しい態度を取る必要なんて無い。
少々強引にはなるが、腕を持ち上げ、その格好を解除させた。
「謝意を示そうと思ったのですが……」
「いらない、いらない。
俺にとっても、カノンは大事な人だもの。
何度も助けて貰っているし、助けるのは当然なの。
お礼を言うなら、宰相閣下に言って。
この人の力が無かったら、かなり厳しかったし。
ありがとうな」
「私も礼を言われるような事はしておりません。
ですが、受け取っておきましょう。
こちらこそ甥を助けて頂き、有難う存じます」
言って宰相閣下は四五度以上に腰を折る、最敬礼をした。
なるほど。
大人な対応をするのであれば、礼を素直に受け取った上で、返礼をすべきだったか。
「イヤ、宰相閣下はホント良い仕事してくれたよ。
お陰で、あの燼霊の処理が出来る」
「現御神は、精霊教会による国家反逆の証人になります。
王家預かりにさせて頂けると助かるのですが……」
「って言ったって、王宮をこのザマにした奴だよ?
今は魔力使い果たして大人しくなってるケド、回復したら、マズくない??」
冷静になって見回してみると、周囲の景色はエグい事になっていた。
美しく整えられた庭園も、空高くそびえ立っていた尖塔も、歴史的な情緒溢れる建造物の何もかもが、瓦礫やら砂塵やらに変貌してしまっている。
カノンの王宮内に建てられていた別宅だけは、特別な結界に護られて居たお陰だろう。
ソコだけ、切り取られたように残っていた。
だがそれ以外の建造物は、軒並み見る影もない。
イヤ、その状態にする片棒を担いだ俺が、偉そうに言える事なんて何も無いんだケドね。
外部からの攻撃には堅牢に作ってあった防護結界だが、内側からの衝撃は想定しておらず、当然のように対応していなかった。
そのため、俺と燼霊の戦いの余波によって、早々に方陣が破損してしまった。
……つまり、城下町も酷い事になっている。
特殊な鉱石で造られているのか、王都名物・三英雄の巨大石像は亭々と荘厳な雰囲気を醸し出して、今も悠然とソコに立っている。
前回はカノンの邪魔もあって見られなかったんだよね。
この位置からだと、背中しか見られないから、後で正面に回ってみよう。
完全復活した燼霊と再び戦えと言われたら、正直、勝つ自信はある。
負ける確率は、ほぼほぼゼロと言って良い。
初見だから、対応するのに苦労しただけだもの。
俺のコンディションとしては、朝から動いてた上、転移陣の実験もしていた為、霊力が多少減っていた。
睡眠不足気味だったし、連日の疲れもあった。
負けた時には言い訳にすらならないソレらの体調だが、再戦するとなれば、それらのマイナス面は全てクリアしたコンディションで挑む事になる。
何なら燼霊との戦闘では、霊力の消耗が桁外れに激しくなる事が、今回分かったのだ。
あらかじめ遅効性の回復薬を服用しておく、なんて事も出来る。
時間稼ぎをする必要がない、その上で遠慮をせず思いっ切り暴れて良い場所を選ぶのなら、負ける要因が無いのだ。
あぁ〜……
カノンとアルベルトを引っ張って来れないようにするのは、チョット大変だけど。
「万物創造」は全てのスキルの上位互換だ。
しかし時の精霊が持っている力は、かつての「時を操るスキル」とは違う。
‘’時‘’という概念そのものを統べ、司っている存在なのだから。
そうなってくると、どっちの方がより強い結果をもたらせるのかが、判断出来ない。
時の精霊に対策を取って貰えば対応出来るのか、燼霊が「スキル」を発動させると同時に、その都度俺が打ち消さなければならないのか。
安全圏は後者だが、ソコにリソースが割かれると、その分戦いが長引いてしまう。
だが、ソレだけだ。
鍛えているから、体力はあるし。
霊力も他の追随を許さないレベルで、どエラい量を溜め込んでいるし。
今回ほんの短い間だったが、全体総量の一〇%を切ったのに驚いた位だ。
持久戦なら、任せとけ。
燼霊は器用に使いこなしては居たが、俺の「スキル」の方が圧倒的に強力だ。
力でねじ伏せれば、どうって事ない。
あくまで、周りに被害が及ぶのが前提になる戦い方しか出来ないケドね。
加減をするとなると、戦いがどうしても長引いてしまう。
そうなれば、生身の俺は空腹やら尿意やらとも戦わねばならなくなるので、不利になっていくだろう。
まぁ、負けないけど。
……肉体の適合率が高い燼霊って、そこの所はどうなっているのだろうか。
テルモみたいに、食事は嗜好程度。
排泄はしない感じなのかな。
パッパと倒すにしても、持久戦になったとしても、向こうが手加減をしなければ、どう足掻いたって被害は出る。
ソレを考えると、今のうちに、サッサと始末をしておくべきだと思うんだよね。
「しかし教会の人間で、此度の被害や首謀者の証言をして頂けるような方がいらっしゃるとは、到底思えません」
「私が被害を訴えても、信じて頂けませんものね」
写真や動画が撮れれば、証拠として提出する事も可能だろうに。
文明の利器が無いと、こういう弊害が起きて面倒臭いよね。
「スキル」でもちろん創れるよ。
だが戦闘中の様子ならまだしも、瓦礫の山を映した所で、犯人が誰かなんて、分からないからね。
「賢者ならこれくらい出来るだろ!? 自作自演、乙!」とか言われてしまう可能性が非常に高い。
むしろ燼霊の様子を一緒に映したら、自分達が崇め奉っている神の化身になんて事を!? と逆に訴えられかねない。
なので意味の無い事はしないし、進言もしない。
だって面倒臭いから!
「あ〜……
次期司教だって豪語していたヤツなら、協力してくれる、かも?」
「現在王都方面で司祭の叙階をされている者ですと、トリエスト司祭とレイラ司祭になりますね。
それと人望から、フィブレス助祭も次期司祭職へ抜擢されるのでは、との評判です」
「トリエスト司祭もフィブレス助祭も、治癒術が使えません。
余程の事が無い限り、今までの慣例通りの結果になるでしょう。
つまり、レイラ司祭、とお知り合いなのでしょうか?」
「レイラとフィブレスだね。
フィブレスでも良いなら、アイツの妹二人が街に住んでるし、人質に取って脅して証言させる事も出来るよ」
流石に脅迫はちょっと、と拒否されてしまった。
何だよ。
効率的かつ合理的な提案をしただけなのに。
ドン引くなよ。
ちょっと傷付くぞ。
まぁ、アレだけ義理人情に篤くマジメなヤツなら、ダンジョンで助けた事を引き合いに出せば、真実を語る位はしてくれるよね。
半分は正義感で出来ているようなヤツだったし。
国王暗殺の片棒を担がされたと知った今なら、罪悪感も手伝って、コチラの有利になる証言をしてくれそうだ。
「じゃあ、俺が迎えに行ってくるよ。
囚人の避難以外、何もしてないし」
「あぁ、誘導した時に顔を合わせているから、そういう意味でも、アルベルトが適任かもな」
ただ見事に建物が瓦解してしまっているため、どの辺に転移陣があるのかが分からない。
宰相閣下がこの場に来るのが遅れたと言っていたのは、コレが原因だ。
通路が崩れていたり無くなったりしていたせいで、迷子になりかけてしまったそうだ。
何百年も毎日欠かす事なく通った道である。
感覚的に大体どの程度歩いて曲がれば、燼霊と遭遇した場所まで行ける。
そんな勘と経験を頼りに、ココまでなんとか来てくれたと言うのだから、頭が下がる。
窮地に駆け付けるヒーローのような、とても良いタイミングだったよ。
アルベルトでは往復分の転移陣を起動させるのは、なかなか難しいと思う。
なので四次元ポシェットから、結構な大きさの霊玉を取り出して渡した。
危機という程のモノでは無い、とでも言いたいのだろうか。
今回精霊の皆は、一切助けてくれなかった。
モチロン、一人の人間を贔屓してはいけない事位は分かるよ?
分かるけどさ。
それでカノンに万が一の事でもあれば、俺はみっともなかろうが単なる八つ当たりだろうが、皆を許せなかっただろう。
その皆が受肉する為の素体を作る為に取っておいた特大サイズの霊玉だが、どうせまだまだ素材集めには時間が掛かるのだ。
今使った所で、文句は言われまい。
霊玉を手渡すと、宰相閣下の案内のもと、アルベルトは瓦礫の向こうに消えて行った。




