バーチャル学園祭
学園祭に向けて諸々の準備をする人々の図
というのが9月に新学期が始まってから繰り広げられる予定だったのだが
東京オリンピック・パラリンピックのTV中継が
毎日ひっきりなしに放送している頃に
新型コロナの第六派というのが発生して
学園祭自体をバーチャル空間で実行しましょうという事になった。
なので、学園祭ステージの部、音楽系部活動の発表とか
演劇部の発表とか、美術部の絵画展示とかは全部ネット動画配信
当然、文芸部の発表も紙に印刷して配布するんじゃなくて
文芸部デジタル・アーカイブの一部を発表公開コーナーにして
ネット配信するだけという事になった。
そのついでに手分けしてデジタル・アーカイブの中に
すっころがっているOBやOGが書きかけ放置した
未完成の本人は、昔、学生時代に自分が書いた事すら忘れて
日々の会社員生活やら住宅街の主婦生活やらに終われているシロモノの整理
この世代の人々が書いたのはデスノートのパロディばっかだから
ダーク・ファンタジー好きな御前、適当にくっつけて仕上げろ
この世代の人々が書いたのは、HUNTER×HUNTERの
パロディばっかだから、冒険少年者が好きな御前、適当に仕上げろ
一番、最近卒業した人々が書いたのは
ドラゴン・クエストとか、ファイナル・ファンタジーとかの
ゲーム・シナリオのパロディな冒険物語ばかりだから
冒険ファンタジー好きな、そこの御前、適当にくっつけて仕上げろ
と自作を仕上げた人から顧問の先生に言われて
アレコレとアーカイブ整理に駆り出されていくので
モノグサな人々(かくゆう自分も、そうなのだが)は
「いっやー、まだ自作のが完成してないんで」
と完成していてもデジタル・アーカイブにアップしないで
OBの皆様の作成したエピソードを元に目次案を考えて
起承転結を組み立てて仕上げていくのを見学
特に来年、大学受験な3年生は、ほぼ全員が、そうしている。
なので実際に顧問の先生の指示に従って
「コレをこうすると、あれ物語が矛盾しちゃうかー
あー、つじつまが合わないなー
駄目かーコレじゃあ、刺激強い言葉中毒な中二病にしかウケないよなー
でもコレじゃあ、刺激が無さ過ぎて、つまらないー」
などなどと言いながら作業を消化しているのは一年生ばかり
デジタル・アーカイブ自体は何度も再作成しているのだが
毎年、作り直しているので
OBの人々は、”サクラダ・ファミリア・アーカイブ”
と呼んでいるらしい。
そもそも永遠に修正してコレで完成で完璧だと言えるようになるとは
誰も思っては、いないからなのだろう。
いつか天才が出現して完成させるかもしれないが
こんな地方都市の田舎の県立高校に、そんな天才が出現するワケも無く
ずーっと完成しないのだろう。
とはいえ、一応、この日までに完成させて
顧問の先生が、”表現の自由”と”公序良俗”のバランスを
チェック済み作品をアップして、バーチャル学園祭にリンクさせ
今年の学園祭準備が終わった。
クリスマス頃までには、同じ学校の同じ学年の同じクラスの人々と
普通に全員そろって授業を受けて、集団行動のための学内イベントを
開催できるようになるんだろうか・・
数人がチャットで集まると、そんな話ばかりだ。