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02話 仕事の前の静けさ

「書記官、ですか?」


「ああ、我が社『アルセクタ』は常日頃から人手不足だからな。研修が終わり次第君にはその役割についてもらいたい」


「でもなんで僕なんかに」


「それは君が適任だからさ」


 夕日がとっぷり暮れた頃。子供たちが食堂を出たタイミングでクローディア=ティタノエルが切り出した話に、ノアは戸惑いの表情を浮かべていた。

 何気なく会話の流れで今後の役割を聞いただけなのに、食事を終えたあとこの食堂に残されてしまった。


 視線を周囲に滑らせれば優に百人は入る大きな食堂にノアを含む六名の人間が残されていた。


 上座で優雅に紅茶を楽しむクローディア=ティタノエルにその横で恭しく給仕をするメイド長。

 その斜め向かいには妹のシオンが座っており、ノアと姉を交互に心配そうに見ている。

 あとの二人は、ノアを警戒してか劣等種の子供達が壁に寄り掛かっているが、何度か見たことのある子供たちだ。どうやらこちらを品定めしているらしく近づいてくる様子はない。


 扉に一番近いところにノアは座っており、不思議そうに首をかしげる。

 今後は書記官として働くことになるらしいが、書記官とはあの書記官でいいのだろうか。

 そんなことを考えていると、ガラス細工のように淡く輝く金色の瞳がノアに向けられた。


「それで、なにか質問は?」


「いやー、あのですね……なんで僕なのか聞いてもいいですか?」


「それは君が一番よくわかってるんじゃないのかな?」


 質問を質問で返されてしまった。

 

 もちろん仕事に関しては問題ない。文字を書くのはまだまだ練習中だがそのうち慣れるだろうし、そこそこ自信がある。

 ただノアが想像していた役割と大きく予想が異なったため、思わず疑問が顔に出てしまっただけだ。

 不満などない。

 だが、床に足がつかないというのがこれほど落ち着かないとは思わなかった。


 考えがまとまらず言いにくそうに言い淀むと、クローディアが不敵な笑みを作っているのが見えた。


 まるでこちらの反応を愉しむようなあの表情には見覚えがある。

 まったくこういったイタズラは魔王さまだけで十分だというのに。


「もしかして字を書ける子がいない、とかですか」


「うーん、まぁ半分正解だな」


 片目を閉じてイタズラっぽく微笑むクローディアを見て、シオンが小さく息をついているのが見えた。

 やっぱり遊んでいるらしい。

 考えても何も思い浮かばない。せっかくなので、どのくらいの子供が字を書けるのか聞いてみた。


「それで実際のところはどうなんです?」


「まぁ確かにまだ公用語を書けない子も多いが、それでも彼らに仕事を任せるつもりはないし、そういったのは年長組の役割だからな。君を採用したのは理由はもっと単純だよ」


 もっと単純?


 確かに、ここに住む子供たちの年齢は八歳から十九歳と幅が広く、いまのところその半分が十五歳に満たない子供たちが多い。

 そういった子供たちを年中組が世話をし、年長組が仕事の手伝いをしてくれているとシオンから聞いたことがある。


 ある者は、地下大地に潜ったり。

 ある者は、外注でよその企業の応援に行ったり。

 またある者は、企業の運営維持や館の清掃などメイドに近い働きをしてくれる子もいるという。


 そして、ここにいる子供たちのほとんどが身寄りのない劣等種の子供たちで、どの子もクローディアやシオンがこの屋敷に連れてきたらしい。

 そういう意味ではまたノアも同じなのだが、現在ノアに親しくしてくれるミリアとチーシャを除いて、二週間たったいま、他の子供たちと仲良くできていないのが現状である。

 はやく仲良くなりたいと思うのだが、こればかりは時間がかかる。


『近づいただけでギャン泣きだものな』

「(あの時のショックと言ったら、うん。なんとも形容しがたいものがありましたよ)」


 関係ないことに頭を使い、肝心なことに頭が回っていなかった。

 ウンウンと小さく呻いていると、向かいの席でクローディアの声がかかる。


「まぁそう難しく考える必要はないよ読み聞かせのお兄さん」


 あれほど騒がしかった食堂が嘘のように静まり返っているぶん、彼女の銀のような凛とした声はよく通る。


 思わず顔がカッと赤くなり、口をパクパク開閉させると勢い良く身を乗り出した。

 あれ、なんでその名前を知っているの!?。

 それはミリアとチーシャしか知らないはず。

 その反応が面白かったのか。小さく噴き出すように笑うクローディアは、紅茶をテーブルに置くとニヤニヤと笑みを浮かべて指を組んだ。


 ああ、この顔覚えがある。魔王さまが僕をからかう時とそっくりだし。めっちゃいい笑顔だし。


「な、なんでそのことを!?」


「わたしが知らないとでも思ったか? この屋敷の出来事はちゃーんとわたしの耳にも届いているよ」


 一瞬、あの子たち経由かと思ったが、彼女たちがクローディアと接触した素振りは見られなかった。

 あの場では、ミリアとチーシャ以外いなかったはずだ。唯一あったこととすれば、シオンが夕食に呼びに来たくらいで――。


「――はッ!???」


 ニュータイプのような感覚が頭を突き抜ける。

 思わず、バッ!! と疑わしき方を見やると、視線を逸らして申し訳なさそうにするシオンが両手を合わせて謝罪の意を示していらっしゃる。


 どうやら彼女が犯人らしい。


 絵本を読んでとせがまれ、魔王さまがあえて知覚支援を切ってしまったのが事の発端だ。

 本来ならば兄ちゃんとしての威厳を見せつけるところを、あのイタズラ大好き魔王さまが戯れに、文字を読めなくしてくれやがったからさぁ大変。


 公用語の翻訳はほとんど魔王さまに頼り切っていたため、文字はある程度しかわからないし、子供たちの期待の目は凄まじーわで散々な目にあった。

 結局、既存する昔話を面白おかしく脚色して兄貴分としての体裁を保つことができたのだが、もしかしたらある程度盗み聞きしていたのかもしれない。そういえば妙にキリのいいところで声がかかったような。


 要するに、気を遣わせてしまった。


 今日はじめて子供たちに語って聞かせた創作物語を盗み聞きされてたと思うとなんだか居たたまれないような、恥ずかしいような思いに駆られる。


「まぁそんな訳で君がふさわしいと思ったのだが、……なにかね。まだ不安か」


「――あ、いやそうじゃなくてですね。仕事が嫌というわけではなく、ただ上手くできるかどうかの方が心配で」


 一度、作家業で挫折しているぶん、少しばかり不安が残る。

 しかし虚を突かれた様に目を見張るクローディアは小さく苦笑すると、それこそ何でもないように息をつくて、馬鹿馬鹿しいとばかりに手を振った。


「なんだ、そんな事か。別に君一人に全ての事務仕事を押し付けるわけじゃないよ」


「……というと?」


「君にしてもらいたいのは普通の事務仕事じゃない。教会に提出する報告書の方さ」


「ええっと、普通の事務仕事と何が違うんです?」


「えっと、わかりやすく言うとね。企業に属する探索者は地下に潜ると誰もが一度、教会に報告書を提出しなくちゃいけないの」


 今まで黙って事の成り行きを見守っていたシオンが、機を見計らって丁寧に説明してくれた。

 どうやら話に入りたくてうずうずしていたらしい。流暢に滑り出す声はどこか楽しげだ。


「そもそも、奈落の遺物は教会が信仰する神様の贈り物っていう考えでね。教会の許可なく勝手に持ち出すのは大罪ってされているの」


「それはアレですか? 密猟的な……」


「そうそう、そんな感じよ。密猟者は一生檻のなかか、重い死罪の場合がほとんどね」


「……ああ、なんだかどこかで聞いたことのある話だ」


 たしかあの下劣な探索者が密猟かなにかで捕まったとシオンが言っていた気がする。

 シオンもノアの表情を見て、何かを悟ったのか小さく頷いて言葉を続けた。


「それが生き物であっても、遺物であっても話は同じ。教会の把握していない遺物は地上に持ち出してはいけないとされている。だから、憲門官ゲートキーパーっていう所属の人が密猟者はいないかって見張ってるんだけど――」


「彼らだけじゃどうにもならないことがあるのさ。創生獣の幼体を密猟する奴たちが後を絶たない訳が」


「危険を冒してまで密猟するメリットですか、それっていったい――」


「……まぁぶっちゃけた話、金になるからさ。戦争に使ったり、創生獣からとれる素材を無断使用して研究の材料にしたり。用途はさまざま。奈落の底で一時期過ごしていた君なら、思い当たる節があるんじゃないか?」


 そう言われると、確かにそうだと納得せざるおえない。。

 ノアも本当に一時だが地下世界で多くの創生獣を討伐し、その素材を使って生活してきた。生前の世界では考えられないくらい便利な素材がゴロゴロあった。それを地上に持ち出せば確かにかなりの利益が見込めるだろう。


「そんなわけでそう言った違法行為防止のために打ち出された政策が報告書って訳だ」


 そう言ってクローディアが締めくると、再びシオンが言葉を補足するように会話を引き継いだ。


「まぁ、報告書って言っても簡単なものでいいの。地下大地でどんな創生獣を討伐したーとか、どんな遺物を地上に持ち帰ったーとかね。それをもとに教会がある程度の税を探索者からもらって、教会は遺物の持ち出しを許可する。――で、そのために報告の提出を義務づけられているってわけ」


「でもそれだと、結局報告をごまかしたりする輩が出て来ませんか? ほら、報告だって自主性だし」


「そうね。だから憲門官が全てチェックしているの。地上に上がれば『指輪の恩恵』を得られないし、アイテムボックスも使えない。すると、せっかく討伐した遺物はそのまま。……命を懸けて探索してるんだもの。成果なしより多少は教会側に持っていかれても、利益を得た方が賢いと思わない?」


「――で、それを今までわたしが書いていたんだが、なにぶん最近のわたしは自分の仕事で手一杯でね。正直そっちまで手が回らないんだ。そこで君の出番というわけ」


 引き継ぐように切りだして、小さく肩をすくめるて見せるクローディア。

 つまり、その仕事の負担をノアが肩代わりしてくれ、という事だろう。


 理由を聞くと、どうやら年長組は派遣社員として他の企業と共に地下大地に行くことが多いらしい。

 それでも劣等種という立場から、学舎でまともな教育を受けることができなかった子が多く、いままでは仕事を終えるたびに口頭で報告を受けて字を書ける者が報告書を書いていたらしい。

 子供独自の報告は解読が難しく、字の書ける者も少ないためその仕事のほとんどはシオンとクローディアが自ら進んで行っていた。

 ……が、ここ最近の激務で彼女たちの能力をもってしても処理限界を迎えてしまったのだという。


 正直、まだこの世界に転生してから日が浅いので世間の常識とかはまだ詳しくないノアでもわかる。

 クローディアの経営する事業の経営形態がどこかギルドのに近いのはある程度理解しているが、それでも彼女らの働き方に無理があると思えた。


 実際、他の人を雇う余裕もないし、世間が劣等種の子供たちを毛嫌いしている以上ここで働こうと考える人も少ないらしい。

 となると結果的に、身内の少ない従業員が多くの仕事を抱えざる負えないというのが現状となってくる。


「――というわけで、奈落に関わる限定的な書記を君に任せたいのだが、いいかな?」


「そういう事でしたら、精一杯務めさせていただきます」


「そう言ってくれると、こっちも助かるよ」


 文句なんて言ってられない。というか力になれるのならこちらからお願いしたいくらいだ。

 確かに、生前は自信なさげに物語を紡いでいたが、それまで想像した架空の産物を文字に起こして表現していたのだ。

 例え、体育会系のノリで創生獣の特徴を説明されても完璧に再現しきる自信がある。


 そう言われると確かにこの仕事は自分に適任かもしれない。


 それに、いままで関わってこれなかった年中、年長組とよりよいコミュニケーションも取れるし、屋敷の実情を正確に知るいい機会だ。


「もちろん、最終チェックはわたしの方でするから安心し、もちろん君にも奈落へ赴いてもらう。なんなら初めての探索任務はシオンと行くといい」


「ええ、それは賛成ね。わたしもそれなりに奈落や仕事についていろいろ教えてあげられるし、なんなら慣れるまで手伝ってもいいと思うわ」


 二人は顔を見合わせて今後のノアの役割を検討していく。

 こちらとしても居場所をもらえるのであれば問題はないし、魔王さまも納得しているみたいだ。

 ただ――、


「……なぁ、ほんとにこいつで大丈夫か?」


 シオンの同意を得てホッと胸を撫でおろした途端、横から聞きなれない声が聞こえてきた。

 

 どうやら年長組のリーダー格の少年らしい。

 一見、獣人のように見える見た目だが、頭部に灰色狼の耳がついている以外は普通の少年だ。

 身長も、百六十前後と高く、鋭い視線がノアを射抜き、小さく鼻を鳴らす音が聞こえた。


 少年の試すような視線がクローディアに向けられ、クローディアは面白そうに唇を持ち上げた。


「……ほぅリュコス。わたしの決定は不満か?」


「あんたに連れてこられたかどうかは知らねぇ。少なくともオレは認めるつもりはねぇよこんなガキ」


「まぁお前が、地下に潜っていた時に連れてきたからな。……だが実力は保証するし、なにより役に立つ。そこまで邪見にする要素はないと思うが」


「チッ、分れよ。こんなチビが奈落で役に立つわけがんねぇだろ。……せいぜいバケモンのクソになって終了だ。書記として雇うのはいいが、こいつが奈落に行くのは認めねぇ」


 その灰色の矛先が一瞬だけノアに向けられた。

 何を怒っているのか、その瞳には冷たい炎がゆらゆら揺れている。

 まるでナイフを喉元に突きつけられるような感覚に小さく息を呑むと、少年はすぐに視線を外してクローディアに向き直る。


「オレたちはあんたに莫大な恩がある。それこそ返しきれねぇ恩だ。だからそれを返せるんならオレはなんだってやる」


「……わたしは別にお前たちに恩返しをして欲しくてお前たちを連れてきたわけじゃないぞ? 有能な人材を拾うのはわたしの趣味だ」


「それはわかってる。……あんたの判断はいつも正しい。だが、その足手まといを連れて行こうって話だけは容認できねぇ。……お前もそう思うだろ、リオン」


「わ、わたしは、その……クローディアさんがいいっていうなら、その……」


 隣に立つオドオドした様子の少女がノアを見るなり、慌てて視線を逸らした。

 どこか苛立ち毛な雰囲気を放つ少年がリュコスで、自信なさげな少女がリオンというらしい。

 

 おそらくどちらも劣等種の子供たちのまとめ役なのだろう。

 だからこそクローディアは彼らをこの場にとどまらせたのだろうが、わかりやすく敵愾心をむき出しにするリュコスの舌打ちに、リオンはあからさまに怯えた声を出した。

 

 どうにも彼女は気の弱い子らしい。

 年齢からして十八歳くらいだろうか。その瞳はどこか頼りなく、けれど身体はリュコスより獣人らしかった。顔のパーツは人間だが、尻尾を振り子のように動かしながら、ネコ科特有の茶色い耳がペタッと伏せられている。


「ならばお前はどうしたい? さっきも言ったがうちの現状は結構ギリギリだ。これ以上仕事が舞い込んでくればそれこそパンクするくらい」


「どうもしねぇ。せこせこ事務仕事を任せてやればいいじゃねぇか。俺はただ、このガキが奈落に行くことだけは認めェって話だ」


 すると、しばらく顎に手をやっていたクローディアの視線が怪しく光った。

 

 なんだか嫌な予感がする。というかそれは確定のようで、くすみのない月明かりにも似た淡いブロンドヘアが小さく零れた。

 立ち上がり、ノアを見下ろしてわざとらしく宣言する。


「よしよし、わかった。現場に出るお前の意見はもっともだし、お前の言いたいこともわかる。……こんな小さな子供にあんな危険な場所はまだ早い、とお前は言いたいのだな?」


「何度もそう言ってんだろうが」


「だったらリュコス。この場でお前自身がノアの力量を図ってみたらどうだ?」


 一瞬だけ柔らかくなった表情から一転、リュコスの表情があからさまに曇っていった。

 鋭く伏せられた視線がクローディアを捕らえる。


「……本気か」


「ああ」


 鋭く吐き出され言葉に、クローディアはゆっくりと頷いた。


「オレがあのガキに負けるとでも?」


「ん? なんなら納得ができるように公平なジャッジをつけるか? そうだな、――メイド長。すまないが闘技場に明かりを入れておいてくれ」


「あっ! じゃあ私が行ってくるわ」


「ああ、任せた。ついでに子供たちも起こしておいてくれ。楽しい催しがあるとな」


 当事者本人の同意がないところで話がどんどん進んでいく。


 なんか熱い話になってますけど、やりあうのは結局のところ僕ですよね?

 というかシオンさん。あなたは止めてくれる側と思ってましたよ。


 立ち上がって、若干ワクワク気味で扉の方に駆けていくシオンを見つめ、右側から刺さる視線が痛い。


 どうやらご立腹のご様子だ。

 恨みがましそうな視線を受け、反射的に視線を逸らすと、リュコスの顎が不自然に扉の方に向けられるのが見えた。


 ついて来いという事なのだろう。


 苛立ちげに扉を開け放つ音が響き、その後を追ってリオンも彼の後に続いた。


『行ったな。おそらく訓練場とは館の外れの闘技場のことだろう』


「ああ、子供たちの運動場のことか。……どれ、行きますか」


 魔王さまの声に椅子から飛び上がると、未だに用意された紅茶をおいしそうに啜るクローディアから声をかけられた。

 扉に手をかけて振り返ると、ニヤニヤとした笑みはいつの間にか引っ込み、代わりにどこか申し訳なさそうな気まずい表情を浮かべている。


「まぁそう言うことだ。君にしてみればいい迷惑かもしれないが彼なりの気遣いなんだ。許してくれないか」


「僕としてはもっと穏便に仲良くなりたかったんですけどねぇ」


「気難しい奴なんだ。 昔のことがあるからなおさらな。……まぁだからこそ、あいつは子供たちのリーダーたり得るんだがね」


 つまるところ、お前の実力は自分で示せ、そういう事だろう。

 郷に入れば郷に従え、か。

 ならば――。


「それがあの人の『流儀』なら、精一杯応えて信用を勝ち取って見せます」


「ああ、お手柔らかに頼むよ」


 そう言って小さく頷くクローディアを残して食堂をあとにした。


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