異世界転移の数分前
風が吹く 晴天の空 どこからか、水の音が聞こえる
木々の隙間から、明るい光が射し込む
その世界では、安らぎの森という呼び名で安寧の地として有名な森だ
そんな森では、今、1つの集団が崩壊しようとしていた
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いつも通りの日々、特に変わることの無い事の繰り返し
そんな日々に、僕は、飽き飽きしていた...なんてことは、ない
よくあるラノベや、アニメ、漫画なんかじゃ異世界だぁぁぁぁ!だとか、俺TUEEEE的な始まりなんかあったり、いきなり覚醒して強くなったり、数年間修行したりして強くなるけど、現実では、有り得ないだろ...
こんな感じで、マジレスしたけど...
僕の、脳内は完全に今、バグってる
なぜなら……
僕は、異世界にいるんだから...
こうなる、ほんの数分前に戻ろう
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僕は、高校に向かう道を歩いている
あーだるい、学校なんて、なんの意味があるんだよ
学校に行く意味、授業で学ぶ科目の必要性、僕には何も理解できない。
1度だけ、1番意味の無いと思った技術の先生に、「技術って学校で、学ぶ意味あるんですか?」と聞いたら、まるで、アニメや漫画のように「あ、あるに決まってるだろ、まじめにしろ」と怒られた、少し動揺したうえに、明確な理由も話せなかったのに怒られる理由が分からなかった。
こんなくだらないことを考えている間に、僕は、高校に着いた。
いや、着いてしまった、公立現明高校 1年1組に....
僕のクラスに...
クラスのドアを開ける、すると聞こえてくる。
いつもの、嘲笑う 嫌な声が聞こえる
「っ、ぐっ、うっうっ」
「おい、風川が泣いたぞ!」
「うわーきもー」
「やっばー、こんなことで泣くのかよ」
ドアを開けた僕を押しのけて、2人の女の子、いや、美少女2人が入ってきた
「あんた達、何をしてるのよ!」
「そうよ、剣明に何をしてるの!」
そう言って、倒れている平凡な容姿をした男子のことを心配している
「大丈夫!?風川くん?」
「そうよ、大丈夫?剣明!」
「っ、だ、大丈夫だよ、黒雨さんも瑠衣も心配してくれてありがとう、うっ、」
「毎回毎回なんであなた達は、こんな事をするの?」
「そうよ!剣明をいじめなくてもいいじゃない!」
平凡な容姿の男子、風川剣明 と、最初に声をかけた黒髪黒目のthe大和撫子の美少女黒雨玲子と、明るい茶髪の美少女で、元気な美少女という印象がつく水無瀬瑠衣が今、僕の目の前に居る。邪魔だ。
まぁ、この3人と僕は全く関係ないので、この茶番劇を無視して自分の席に歩き、席についてすぐに、うつぶせになる。
ふぅ、喋りかけられなくて良かったぁ。
あんな、頭のおかしな連中と喋るなんて、考えるだけで恐ろしい。
ちなみに、このクラスの中で僕は居てもいなくても変わらなくて、喋ろうとは思わない陰キャという扱いだ。だから、クラスの人間は、名前すら覚えられてないだろう。まぁ、お互い様だが。
僕の名前は、空月玲音だ。中二病みたいな名前で辛い。見た目は、両親が言うには、上の下ぐらいだそうだ。自分では、まぁまぁ、かっこいい容姿をしていると思っている。ちなみに、中学校の時は明るくてクラスの中心人物にくっついていた、おまけ的な立ち位置だ。
この高校に、中学校の頃の知り合いは、いない。なぜなら、中学校3年生の頃に両親が2人とも他界してしまい、引っ越しをしたからだ。原因は、ありきたりな交通事故。両親は僕のことをよく、『へりくつ王子』と言っていたが、僕に理解的で、僕のことをとても大切に育ててくれた。とても、大好きな両親で大人になったら親孝行したいなと思っていた。
両親が亡くなって、しばらくの間理解が出来なかった。トラックを運転していた、運転手を何度殺そうと思ったか自分でも覚えていない。
時間の流れは、すごい。少し思うことはあるけど、表面上ではもう立ち直って頑張って生活している。
さて、こんな所で僕の昔話は、十分だろう。
簡単に今の状況を説明すると、いじめられてる平凡な少年を学校の中の美少女ランキング1位と2位の娘が守ってると言ったところだ。僕が、何故頭のおかしな連中と表現したのかは、分かるだろう。
2人の美少女に好意を寄せられ、そして守ってもらっている上に少年は少しも理解せず努力せず2人の美少女に甘えるだけ。2人の美少女は、自分達が 自分の容姿が、原因の大部分になってることも知らず理解せず、小さな子供のように考えずに疑問をなげかけるだけ。
小学校、中学校と学校生活を送っていれば分かること。
分からないとダメなこと、2人の好意に甘える少年に頭の弱い少女。
僕にとっては、頭のおかしな連中だ。
「あれ?剣明、学校が揺れてない?」
「本当だ!それもかなり、強い!皆、机の下に隠れろ!」
確かに、すごい揺れだ僕も含め皆机の下に隠れた。
てか、剣明なんでお前がリーダーみたいに命令してんだよ。
そう、思った瞬間だった。
僕の頭がハジケタような気がした。
そして次の瞬間、僕は白い文字だけが浮かんでいる真っ黒の空間にいた。
.........は??なんだこれ、どこだよ、意味が分からない、納得したくない、周りに誰かいないのか?いたら返事してくれよ!!どうして!?訳が分からない!!そう思ってるはずなのに、そのはずなのに、何処かに理解している僕がいる。いや、理解しているんじゃない、想像をしている僕がいる。なんとなく、この展開をよむことができる僕に、嫌気がさす。
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僕は、やがて考えることをやめて、白い文字だけに注目した。
これからの問題に、嘘なしで答えなさい虚偽と疑わしい場合デメリットが生じます
質問1
『生きる』とは、どういうことですか?
(質問数50問)
生きるとは、か...僕にとっては、生きるというのは自分以外の誰かを下に見ること。この質問の答えは、僕が僕の中で、1番であり続けることだ。
質問2
『死』とは?どういうことですか?
(質問数50問)
これからの質問で、1番簡単なのかもしれない。僕は、両親が亡くなって『死』ということを、考えはじめた。僕の中で、『死』というのは、人間がただの肉塊に変わることだ。
そのあとも、質問に答え続けて。
質問50
『ねぇ、大好きな両親が死んじゃって 1番最初どう思った?ww』
(最後の質問)
ん?こんな質問でいいの?こんなくだらない質問でいいの?普通に答えるけど。
質問51
『わー、この質問ミスった?wwあ、ちなみに貴方は、これから異世界に行きます!頑張ってね!その異世界には、本当の神様は、いなくて偽物ばっかりだから殺しちゃてもOKだよ!質問50を答えることが出来ればボーナスプレゼントだけど、どうする?』
(残り時間5秒)
あはっ、
プレゼント?プレゼント、プレゼント、プレゼント!?プレゼントを貰えるなんて、こんなくだらないことを答えるだけで、それだけで、ボーナスプレゼントを貰えるなんて。最高じゃないか!!
それに、異世界に行くって絶対に強制だってわかるし、時間も全然ないし、そんなに大事にしたいような内容じゃないから、答えるに決まってるよ。
きっとこの時、僕はきっと酷い顔をしていただろう。
「僕ね、1番最初嬉しかったんだ、僕に痛みという物を常にプレゼントしてくれた両親に解放されて、だけど、時期に分かったんだ。あの痛みは、愛情だったんだって、とても大切なものだったということを」
これで、満足なのかな悪魔?僕は、この身体中に無数に刻まれてる形のある愛を大切にするよ
感謝
『ありがとう!玲音くん!急に人が変わったように怖い顔になって、驚いたけど。そういうのも、いいんじゃないかな?ボーナスプレゼントも、あげたから、この空間とは、バイバイできるよ!よかったね!以上悪魔のロキちゃんでしたー!バイビー』
視界が眩む、全てが歪むこの歪みは、僕の心を表しているのだろうか
あー、だるい、なんで、質問なんかしたんだろう。あんな、まどろっこしいことをしなくても聞かれたら答えるのに。
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これが、数分前の出来事だ。今、僕の周りにはいろんな生徒がいて、綺麗でどこか幻想的な現代の日本では、なかなか見ることのできない光景が目の前にあり、草木の匂い、土の感触がこれが現実だと証明している。
最悪だ、これからの未来を考えると絶望しかないな…