清明様の憂鬱 特別篇 青龍と天使 98
飛び込んで、来たのは黄竜だった
俺は、とっさに立ち上がって、みぞおちにこぶしを叩き込んでから、チャイナ服の襟元をつかんで投げ飛
ばした
黄竜は神社の扉を破って闇に消えて戻ってこなかった
レグが「なんなんだ、今の誰?」
「ああ、ここの神社の主で、中国から来た、カンフーマスターだ」
「いつもあんな風に、襲ってくるの?」
「いいや、俺が頼んだからだ、カンフーを覚えたくて、早く覚えるのは奇襲が一番だろう。
レグにはやらないように言うから大丈夫」
青龍は笑って言ったが、レグの表情を見て気持ちが沈んだ
「わかったろ、俺の環境が、屋敷はあんなもんじゃない、たとえ君の言うつながりがあったとしても
育ちが違うんだ」青龍は少し、狼狽して言った
レグはもう普段に戻って言った
「君は屋敷が嫌いなの?」
「そうじゃないけど、君が暮らすのは無理だ」
「何でそう思う、君はまだ僕をよく知らないだろう、実はね、数ある中でもとりわけ一つ、都合の悪
いことは忘れる才能があるそして君はその天才だろう」
「あう?確かにそうだけど・・・・」
「こういう言い方は僕らしくないと思う?でも普通あんな目にあったら訪ねてこないし、君が
どうしてもいやなら、部屋を借りてもいい」レグはいつもの自然体で言った
「へや、ヘアー?ハリネズミ的な」
また混乱してきた
「部屋だよ、落ち着いて、前にも言ったけど京都にも行ってみたい、桜が見たいんだ」
「ああ、これからチラチラとフワフワが咲く」
本当は、ソメイヨシノと八重桜と言いたかったのだが、わからなくなってしまった




