96/102
清明様の憂鬱 特別篇 青龍と天使 95
レグが近づいてく来て自分に触れると空気が変わった
あのつんと澄ましたような、冷たい空気、朝の散歩だ
父が真ん中にいる、夢の中では、俺の父でもあるが、今日は雰囲気が違った
ところどころに陽だまりがあり、町はいつものように穏やかだったが、町中の口数が少なくなり
下を向いていつもより歩くことに集中しているように見える
( ああ、そうだ、もうすぐ戦争が始まる)
そして今日は父が戦争に行く日だった
そんな日でも、習慣になった散歩は欠かさない
僕らも、しやべることをやめてできるだけコートにくっつっくことに集中する
そして夜になって、説明をしたときどんなに大切そうに自分の頭を抱きしめたか思い出した
部屋はほのかに暗く表情は変わらなかったが、目の奥に水のようなしずくが溜まっていたのを
思い出した
俺はそこで青龍に戻ってはっとした
「知ってたんだな? あの人は、もうもどってこれないことを・・・・」
まだ父親とシンクロしているレグが悲し気にうなずいて言った
「たぶんね、ハリエットも・・・・」




