清明様の憂鬱 特別篇 青龍と天使62
それにしても相手はしつこかった
それに弱った様子がない
こいつにだって弱点があるはずだ
俺も疲れてきてまともな思考ができなくなってきた、そうだもし無事に帰れたら
姿形だけ綺麗な女と付き合うのはよそう
もちろんレグはよごさないし、そんな気持ちはないが男の中にもまともな物がいないな
見合いとかしてもいい
ホモ見合いとか 「あのご趣味は」
「遠洋漁業です」とか言って、いかん完全に頭のねじが緩んできた
その時、はっとした
月が落ちてしまう
昼間の月はお茶室を隠さない、中にはレグがいる
その時になぜ知り合ったばかりのレグが圧倒的な存在になったのかわかった
俺が生きてきた世界はあいまいで絶対的な政治も道徳すら存在しなかった
忘れていた正しさ、大げさに言えば人間の尊厳を思い出させてくれた
レグのお父さんも内面的な部分は愛情に変換して全部レグに注ぎ込んだはずだ
二人は助け合って寄り添って毎日を丁寧に過ごしたんだろう
無駄ないさかいもなく、無駄のない品の極みのようなものに囲まれて穏やかな生活
俺には縁がなかったが、だからこそなおさらレグはつらかったはずだ
そう思ったらなおさら引けなかった
だが月が落ちてしまう、どうしたらいい
その時「チョリース」声がして石榴が現れた




