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清明様の憂鬱 特別篇 青龍と天使 54
そのとき、足元に違う感触ををおぼえて葛の葉は立ち止まる
砂だ、おかしい 砂漠が戻ってきている、それ自体が意思を持っているようにうねってる
青龍は自分のペースを守って安定して戦っているがその足元に砂がはいよってそれと同時に
家の中から大量の砂が吐き出される
その時になって肝心な見落としと思い違いが、葛の葉の頭の中で鮮明になる
(ここには異常にたくさんの人間がいる しかもいたるところに)
「青龍止まれ」一瞬止まった体に思い切って、ぶつかると青龍の足をつかもうとしていた手が
自分の足首をつかむのを感じると同時に腹部に激しい衝撃を感じる
そして砂の中から出てきたものが大きなナタのようなものを自分の体に差し込んでいるのを見る
それから苦痛の絶頂に至る
月は煌々(こうこう)と輝き走ってきた青龍がそいつを斬る
自由になった葛の葉はよろよろとプールサイドまで後退ししっかりと抑えた着物からびっくりするほど大
量の血が噴き出すのを見る
ほどけた髪が狂女のようだと血しぶきの中で思いながらその姿が消えていく




