清明様の憂鬱番外編 青龍と天使⑲
そういえばあの狐から体に何かあるか調べて来いって言われてたが困ったな
まだ服のままだ
まさか無理やりぬがせるわけにもいかないしあれは脱がされたほうは手ひどく傷つくんだ
玄武様の嬉しそうな顔を思い出したらまた寒気がした.
まったく一言「脱がせますよ」と言えばこっちだって「はい いいですよ」というのに
考えながら泳いで、 天使の足元に顔を出して言った
「こっちの天国はどんなところなんだ?」
「綺麗だよ 広いし人も親切だ、君のところは違うのか?」
「うーんまあ似たようなものだ 善人しかいないし、でも俺には退屈だったな」
「何で」
「油断しても誰も襲ってこないからぼーっとする 毎日二日酔いみたいだった
でも天使には仕事があるんだろう」
「そうだな 永遠の雑務 無限の時間 」
その時に気づいた
問題は寂しそうに見えるんじゃなくて寂しさが似合ってしまってることだ
天使と言うのは 喜びとか幸福をまとって寂しさとは無縁のものじゃないのか?
それからもう一つ気づいた
俺はこの寂しそうな友達を何とか救ってあげたいと思っていたけどそうしてそれが成功して
しまったら天使は遠くに行く どこかに行ってしまう
そして永遠に生きて俺のことは忘れてしまうだろう