清明様の憂鬱 青龍と天使⑬
また風呂で眠ってしまったらしい
出て行くと狐が「朝ごはん」と言ってテーブルをさした
おにぎりと味噌汁がある
「なんでだ これどっから持ってきた」 と言うと 「いい買い物ができてねえ」と
言って指さした 炊飯器がある
「お前 なんでこんなものを買う必要がある そしてホテルの部屋で米を炊くな ビンボーくさい」
なぜか2日しかたってないのに冷蔵庫の中にはいろんなものが入ってるし洗濯物が干されていたり
生活感ありありの部屋になっている
「いいじゃない安かったんだから誰かにあげたら大喜びするしあの屋敷にはまだ電化製品が足らんのよ
接待にも使えるしそれより天使さんに名前聞いた?」
「えーとレゴとかヤゴじゃなくてレグだ」
「セカンドネームは?」
「セカンドネームって?」
「苗字」
「いや聞かなかった」 「何で」 「悲しそうな顔をするから・・・・」
「あのね」狐はため息をついて言った
「レグと言うのもなんかの略だろうしね グレッグとかね それに
5日後にはわしら帰んのよ 時間がないの」
そうだった忘れてた おにぎりが詰まりそうになった
「あと ロンドンから来たと言ってたぞ」
「ロンドンねえ ホラー大国じゃ 歴史も長いし・・・・」
「なんだ ホラー大国って?」
「あのね 幽霊屋敷とか伝説がいっぱいあるの 歴史に残る犯罪もたくさんジャック・ザリッパーとかね」
「それは豆の木を登る人じゃないのか」と言ったら狐が俺を振り返ってまじまじと見た
「違うぞ今のはアメリカンジョークだ 可哀想な子を見るような目で見るな」
慌てて言った
「まあいいけどキリスト教はとにかく複雑でね まあ出所は一緒だという説もあるが問題は
人間がそれで戦争や弾圧を繰り返してきたということじゃ」
「こっちの悪魔はどんなだ」
「お前人の話聞いてる?」
「聞いてるぞ でもわからないと戦えないだろいう」
「だからそれを聞けと、まあいいや怒ってもしょうがない 資料によるとまあみんな天使が神に背いた
物でね ハエの姿のものとか」
「ハエってあのハエ?キンチョールとかベープでいいんじゃないか 負ける気がしないぞ」
狐がちょっと笑った
「天使さん 連れておいでお茶をたてるから」と言って椅子に深く座り爪を軽く噛んで
考え深げな顔になった
「もう一つ聞いていいか 隔世遺伝てよくあることなのか?」
「まーね お前スターウォーズ好きだったっけ?」
「ああ 珍しく全部見たぞ いつもは飽きるが・・・」俺は味噌汁の豆腐に感動しながら言った
「わかりやすく言えば アナキンとパドメのような美形からレイアのような不細工が生まれたりす
るだろう そういうことじゃ」
「わかりやすいが身もふたもないいいかただな」俺は言ったがなぜだかあの目が気になっていた
あれは本当に遺伝なんだろうか?