清明様の憂鬱 青龍と天使⑫
それからいろんな話をして一番聞きたかったことを聞いた
「どのくらいここにいるんだ 何で天国に返らないの?」
その時もの凄く寂しそうな顔をしたのでそれ以上は聞けずにあわてて話題を変えた
「ここには人のいない泳げるところはない?」
「なんで?」
「俺は水の属性なんだ でも本気で泳ぐと人間でないってばれる」
天使はグリーンのカクテルを飲みながら少し考えていた
自分が飲めなかったやつだ 俺は勧められた白ワインを飲んでいる
そのカクテルは緑と茶色の眼によく合っていた
「じゃあ 秘密の場所がある」にこやかに言って俺は安心した
時々ひどく悲しそうな顔をする 天使を悲しませるなんてすごくよくないことだ
いつも憂鬱な清明様のことは忘れて思った
別れ際に「どうしてこんなに親切にしてくれるんだ」と言ったら
「久しぶりに気の合う友達みたいだから・・・」とさらっと言った
そうか 友達か・・・・
天使と別れてから 考えてみればちゃんと尊敬できる友達はいないな白虎や狐も長い付き合いだけど
なんだか同僚みたいだしあの鳥脳はちびのくせに時々人を見下したような目で見る腹立たしいことこの
の上ないし
キッシーも長い付き合いだけど危険だ友情なんて危険だ すぐ化学変化を起こすんだ
あれ もしかして安心して尊敬できる初めての友達じゃないか?
そう思ったら嬉しくなってでたらめな歌をエンドレスで歌いながらバスタブに入った
うーみじゃない マグロじゃない
ホモじゃない 変態じゃない
かーわじゃない 石じゃない 初めてできたよー人間のともだちー
まあ正確には人間じゃないけどー 字余りー
それにしてもどうして時々あんな悲しそうな顔をするんだろ
可哀想なのはやだな 見ていてつらい
あんないいやつなのに 次に会った時こそ助けてあげよう そうだ今度こそ助けてあげよう