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清明様の憂鬱 特別篇 青龍と天使 最終話

 「まだわからないけど、失敗は出来ないし、確実な方法を探さ無きゃいけない、彼自体の意識が戻る


のにも時間もかかるだろう」レグは言った


 「その前にいろんなことを、覚えたいし、見たいんだ、生きている時はやけになって急ぎすぎた、戦争


に行ったりしてね、でももう焦る必要はない」


  青龍の頭の中にやわらかく霞が落ちた


 月の光が薄明るく、白く、真新しい建物を映した


青龍は顔を上げて、レグを見た


挿絵(By みてみん)


  清潔で整然としていて自分には縁のないと思っていたところだ


「見てくれた?あの部屋を借りたよ、とても広いし一人では寂しい、屋敷も近い、君が一緒にいてくれた


ら助かるんだけど、清明様に怒られる?」


 青龍は黙って首をふった


「俺、嘘つきだぞ、俺んちはジブリの風呂屋じゃない」


  「とっくに知ってる」 レグが快活に笑った


 「じゃあ、僕も秘密を教えてあげる。


 僕と父の間には秘密があってね、片目をつぶったとき、緑の眼がGOで茶色がSTOPと言う合図があった


んだ、あ、進めと止まれと言う意味で・・・・」


 「あの、レグそのくらいはわかるんだけど・・・・」青龍がぼそっと言った


「ごめん、ごめん、あの時父がどっちの眼をつぶったか覚えてる?」


  青龍はっとして顔を上げたがすぐに伏せた。奥のほうに水のたまった目を思い出した


あの時帰ってこれないことを、もう会えないことを知っていて自分を、心配させまいと涙が落ちないよう


に素早くウインクした瞳は、自分をどんなに気を使って大事に思っていたか思い出させた。


そして、今まで自分がどうしても繋がれなかったものが理解できた気がした


 「緑だ」 


 「そう、君を認めたサインだ、もし一緒に住むのがいやなら、時々訪ねてもいい?」


 自分の体を抱え込んでますます小さくなった青龍がぼそっと言った


  「嫌だ」レグがちょっとつらそうな顔をして、落胆を隠さない低い声で言った。


 「そうだね、急だったものね、とりあえず僕は少しあそこにいるよ」


  その時、 固まったままだが青龍がはっきりと言った


 「一緒にいてくれなかったら、家出する」


  ぶっきらぼうな、青龍特有の言い方には決心と決意がこもっていた


  数秒間レグは動けず、わが身をわが腕でぎゅっと締め付けながら座っている


青龍のコートに涙がポトポト落ちるのを見ていた                   





 



 



本当にありがとうございました<m(__)m>



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