皆と一緒に入れることがなによりも――
完結
アウターの暴走をログイン時間ログアウト時間を調べ上げ一か月ほど(死んでLv1になっても)リンチして解決した後、なんだかんだで楽しい日々を過ごしていました。
スペーラ様が目を開けなくなり、永遠の別れとなった日から一週間。今この場には今までスペーラ様にお世話になってきた方たちが皆集っています。
齢九八歳、私が来てから四十三年の月日が流れました。アトランティスでいえば、九八歳はかなりの長寿です。殆どの人が六十代でお亡くなりになられるのですから。
私たちは、スペーラ様の葬式で、笑顔でスペーラ様を送り出そうと思いましたがやっぱり駄目でした。
葬式が終わった後、私はまた皆と再び会うため屋敷に特殊な結界をはりました。
魂を識別して登録されている者だけが、中に入ることを許される特別な結界です。
また、皆と来世で会うことを約束して私は眠りにつきました。
◆◇◆◇
周りの劣化具合から見てあれから五百年ほどは軽くたったのでしょうか?
私が起きたってことは、誰かが結界を壊そうとしているか、結界の中に誰かが入ってきたということです
そして私の耳には、子供のであろう小さな足音が聞こえます。ということは誰かが中に入ってきたということです。
そして結界が壊されていないということは、皆の内の誰かということです。
そして、目の前にある崩れ落ちながらも辛うじて門であっただろうことがわかる程度には、原形をとどめた入口から金髪の少年が入ってきました。
まだ十歳にもなってないだろう少年が、とても綺麗な碧い瞳で私を見つめてきます。
「君は誰? なんでこんなところにいるの? それにその・・・・服・・は?」
少年が声を発するたび涙があふれてきます。今私の目の前に、少年からはとても懐かしくもっとも恋焦がれていたスペーラ様と同じ魂を持つ少年。スペーラ様の生まれ変わりの少年が話しかけてくれます。
「私はルミリアと申します。ここにいるのは、また会うことを約束した人たちがいるから」
私は涙をぬぐい笑顔でそう言います。
「え、でもここ数十年えーと数百年ほど屋敷に入った人の記録はないよ」
「その紙に書いてあるの?」
「うん、僕はここの領主の息子だからね。記録にはないけど、なんだか此処に誰かいそうな気がしてたから来たんだ」
「ねえ、側に置いていただけませんか」
叶うならば再びこの方のおそばにいたいから
「え、うん別にいいよ、御父様に頼んでみるね。なんだか君は信用して大丈夫な気がするんだ。それに、周りの人たちに優しくしろと言われてるしね。特に女の子には」
「いいの、簡単に決めちゃって」
「大丈夫大丈夫、僕より小さな裸の女の子を知らん振りしたなんて知れたら怒られちゃうよ。じゃあ行こ、他の皆も外でまっってるから」
そう言って手をつかみ外へと向かう
「あ、まって――君の名前は」
「うん?僕の名前それはね―――」
「お坊ちゃまー勝手に一人で勝手に行かないでくださいよっ!」
「あははごめんごめん なんだかこの屋敷が気になってね」
「それよりお坊ちゃま」
「なんで怒ってるのミーシャ顔こわいよ」
「涙のあと・・・・こんなに小さな女の子を裸にするとかどういうことですかー」
「ええーそれ僕関係な――」
「屋敷でじっくりと説明していただきますから」
「はい」
「私たちはこの女の子とこちらに乗りますのでお坊ちゃまは荷馬車に乗ってください」
「あれ~僕これでも領主の息子だよ」
「こんなにも小さい女の子を裸に剥いた疑いは晴れていませんので危険です」
「はいはーい、仕方ないなーそれじゃあ家までしゅっぱーつ」
また一緒に皆と一緒にいれるなら、わたし幸せです。
「ねぇーこれ痛いんだけどー足の下に敷いてるギザギザした木が」
「いろいろと反省してくださいね」
「あっルミリアお風呂どうだった? それとその服とても似合ってるよ」
「・・・・ありがとう」
「ルミリアちゃんには、まだ早いからあっちでおいしいもの食べようねー」
「あのー僕も食べたいなー」
「ダメです・・・・ハァわかりましたルミリアちゃんに免じて三十分したら来ていいですよ」
「やったー・・・・って三十分も!」
「早く反省して来てくださいね」
「反省しましたもう反省しましたー」




