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となりの場所と交わるとき  作者: 西野了
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卓球


 娘と卓球をしていると、隣の卓球台のそばで5歳くらいの男の子が泣いていた。 

 どうやら負けたのが悔しくて、泣いたらしい。 

 若い父親は顔を真っ赤にして、本気で怒っていた。

「負けて泣くぐらいなら、卓球なんかするなぁ!」 

 若い母親も同じように、興奮して叫んだ。

「ほんとに、すぐビービー泣く子ね、情けない。弱虫! ヘタレ!」 

 2人の大人は口汚く、わが子を罵っていた。

 するとますます男の子の泣き声は大きくなった。その泣き声の大きさに比例するように若い親たちの罵声は激しくなった。

 僕と娘はしばらく無言でゲームを再開した。

 何だか楽しくなくなってきた。

 7歳の娘は「お父さん、疲れちゃったからやめよう」と言ってくれた。

 帰り道、助手席に座っている娘にさきほどの親子のことを呆れながら話すと、娘は「友だちのケイコちゃんの親もそう。友達と遊んでいる最中に泣いたりすると、親がすごく怒るの」と、静かに言った。 僕は曖昧に「ふーん」と答えるしかなかった。



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