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となりの場所と交わるとき  作者: 西野了
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クルクル回る矢印とシューマンのピアノ曲とハム太郎とリボンちゃんのエレベーター

 田舎の実家にエレベーターをつけようと彼が言った。

「フジテックがいい」

「そうなの?」

「100階くらいのエレベーター!」彼はスケールがデカい。

「実家は構想マンションじゃないし」

「そうだった、じゃあ3階」

「うん、そんなもんだな」

「エレベーターのモニターで行先表示の矢印はクルクル回るやつ」

「あーっ、このあいだ行った病院のやつね」

「そう、あの時はホントに痛かったよ」彼はくしゃみをしてあばら骨を折ったのだ。

「それから音楽、イージーリスニングよりオジーオズボーンのロックがいいいな」

「ヘビメタはちょっとエレベーターには合わないんじゃんない?」彼はブラックサバス、特にオジーオズボーンの大ファンだ。その理由はオジーが蝙蝠をステージで食べたからだそうだ。僕はよく分からん。

「じゃあ、オジーオズボーンはやめてシューマンのピアノ曲にしよう」彼はシューマンも危ない奴だから好きらしい。

「モニターの矢印の下にはハム太郎とリボンちゃんがいいね」

「リボンちゃんって誰?」

「知らないの! りぼんちゃんはハム太郎の特別な友だちだよ」彼は冷たい視線を僕に送った。

「ハムスターは1年か2年で死ぬからステディな関係になっても意味ないだろ?」僕は少しムッとした。

「チチチッ、ハム太郎は1997年からだからもう来年2027年で30歳になるんだ」

「ふーん(たぶん違うと思う)」

「まあ、これでエレベーターのデザインは決まったね」彼は満足そうだった。

 クルクル回る矢印表示とシューマンのピアノ曲と楽しそうなハム太郎とリボンちゃん・・・なかなkユニークなエレベーターではある。落ち着かないけど・・・。


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