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となりの場所と交わるとき  作者: 西野了
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ミドルキックを放った部屋

 部屋の中で男性がお尻を出していた。男にしては綺麗な尻だ。丸みがあり艶やかだ。僕はふざけでそのお尻に回し蹴りを放った。

「パチッ」という華やかな音が響いた。

「虐待だ!」

 僕の同僚が隣の部屋につながる廊下から言い放った。

 僕は冗談のつもりで軽く蹴っただけだし、痛みはほとんどないはずだ。だから同僚の言葉に嫌な感じがした。

 しかし彼は僕の表情の変化などお構いなしに部屋に入ってきた。そしてキッチンのスペースをチェックした。そこには薄汚れた空間があるだけで、台所関係のものはないもない。同僚は周囲を見回した。

 部屋の中には工事用の作業着を着た男たちが十人近くいた。彼らは何もせず、ただつっ立っていた。その表情は死人のようだ。

 僕は思い出したように四方を囲んでいる窓を見た。その窓は外から見えないようにベニヤ板のようなものが打ち付けられている。その作業は荒っぽいもので、所々に隙間がある。しかしその隙間から部屋の中の様子が明らかにはならない。

 僕は先ほどのキックが表沙汰になることがないと思い安堵した。

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