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DEFENDER ~京葉学園防衛記録~  作者: 二樹霖
第一章 防衛校
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第一節

はじめまして、二樹です。

本作は幾度とない改稿を繰り返しております。

まだまだ未熟な私の作品でして、読みにくかったら気軽にコメントしてください。


ペースは不定期です。(過去の例では半年上げないこともしばしば)


見た目中学生くらいだろうか。

少年は銃を握り、鬱蒼と草木が茂る森林を走る。


ここは京葉学園。

国立防衛戦闘教育学校、通称防衛校の東北校にあたる。

防衛校は戦闘技術を軸に防衛技術を学ぶ国立校。

本校を関東湾内に、支部校が東北を始め数校が地方に点在する。


内一つ、京葉学園敷地内の外野戦訓練場。


防衛校は敷地内に実戦を想定した訓練場を複数持つ。

中でも東北に作られた京葉学園はその広大な敷地をウリとする。

訓練場の設備、充実さは他防衛校のそれと比ではない。


少年は学生服。いわゆる学ランで、肘と膝にプロテクターが付けられているだけ。

どう見ても戦闘訓練をする様相ではない。

特に学生服はおかしいだろう。


防衛校ではこれが『普通』なのだ。

この学生服、察しの通りただの学ランではない。


数年前、発明されたそれは防弾繊維の開発に大いに貢献した。

現行繊維の代替品として広まる、かと思われたそれは特許による拘束を受けた。

結果的にこの新繊維は日本の政府機関が独占することとなった。

各国からはその画期的な発明を独占することには当然の反発を受けたわけだが、どういうわけか今に落ち着いている。


即ち、この防弾制服がそれである。

試験的に導入、という形になっているが実戦にも耐えうる実力を発揮している。

警察、自衛隊、防衛校などいわゆる『制服』機関で使用されていることもあり『防弾制服』と広く呼ばれている。


耳には通信用のインカム、腰の通信機と無線で繋がっている。

彼ら中等部の生徒たちは現在、総合訓練実習を行っている。

防衛校は国立学校でかつ、初等教育から大学教育までの一貫校。

科目は防衛戦闘教育を実施する。


総合訓練実習とは定期的に生徒の実戦適応力を調査するためにあるもの。

テスト、というわけではないがこの結果次第で『クラス』が分けられる。

このクラスというのは、学校でいう所の学級クラスではなく生徒が『実戦に於いてどれだけの戦闘が可能な実力を持っているのか』を把握するためにそれを数値化したものとなっている。これは順位付けするための目的ではない。

実力が把握されているというのはその生徒がどこまでの実戦ならば『安全』に行って帰って来れるのかを把握するのに等しい。

もっとも、それはあくまで指標にすぎず絶対を保証するものではない。


『防衛校に入学する』。


守るための戦い方を学びに来るのだ。戦闘は避けられない。

それならばどこが『マシ』か考える。

適材適所という言葉で表現するものではないが、そういう認識で間違いはない。

『戦わずしては何も守れはしない』のだから。


現在の想定は要人警護においての撤退戦。

市街地戦からの森林戦。

二つのエリアをまたぐ、大規模な想定だ。

攻撃側と防衛側の二手に別れ、学生たちは演習を行う。

手にした銃は本物。

しかし撃ち出す弾はもちろん、実包ではなく訓練用弾である。

模擬弾、と防衛校では言われている。


少年は走りながら振り返る。

詰め入り(学ラン)を着た男子生徒が三人、セーラー服を着た女子生徒が一人。追跡を続けている。

ちなみに、防衛各校の制服は同じデザインの制服にそれぞれの校章と校色を取り入れている。

京葉は頭文字『京』を象った校章と森をイメージした緑色の校色。

制服のワンポイントであるラインは迷彩柄と洒落を効かせたものになっている。

聞くところによると、この制服目当てに入学してくる生徒も少なくはないとか。


少年の耳にノイズが響く。

『こちら紗希サキです。そろそろ目的地ポイント…って大丈夫、巧さん?』

巧と呼ばれた少年のインカムから紗希と名乗る少女の声が聞こえる。

少女は冷静。しかしながら、冷たさを感じさせない。

声に表情が籠っている、そんな表現が当てはまるだろうか。


「だ、大丈夫」言いながら地面に這う木の根を一越え。

人工と雖も、草木は本物。

再現の上では完璧とはいえないらしいが、生徒からは十二分に走りにくい、という声が多い。

『…いつもそう言うんだから』わざと聞こえない声量で言い溜息一つ、苦笑い。

巧が必死の一方で彼女は巧の進行方向先、木陰に潜む。

制服で草むらへ隠れる、というのもあれだが意外に迷彩効果自体は悪く無い。

生地が目立ちにくいような加工でもされているのだろう。


隠れる少女は五島紗希ゴトウサキ

巧と同じ学級だが所属分隊は異なる。

短めの金髪ブロンドを後頭部で二つ結びにしている。

クール、というのか。必要以外のことはあまり喋らない。

寡黙な態度が教師や一部の男子生徒に人気らしい。


腰には拳銃嚢ホルスタを下げている。防衛校配備の拳銃が中に入る。

この拳銃は9mm弾丸の半自動拳銃セミオートマチックで防衛校入学時に学園から無償貸与される。

かといって、いうところの安物ではなくきちんとした納入品。

学園配備といっても民間用の物とは大差ない。問題は小銃などの火器だ。


先の通り、紗希は巧たちの分隊ではない。人数合わせという形だ。

通常、分隊は4~5人編成。

3人以下は『最小単位セル』という単位で扱われる。

別ものとしてカウントされ、今回のような演習には参加できない。


「ごめん、聞き取れなかった」インカムに手を添え聞き返す。

さすがに訓練を受けている人間でもこの距離は辛いところ。

彼に限らず、追跡する生徒の足取りも段々と重くなっているのが見てとれる。

『…いいえ。ところで、その役は私の方が適任だと思うんだけど』

「僕も後悔してるよ…なんてね」巧は姿の見えない相手に笑ってみせる。続けて、

「作戦通り。大丈夫」言う、巧の息はだんだんと辛くなる。

『あなたのそれは、根拠があるんでしょうね…?』紗希は不満そうに言う。

巧は隊長職をやっていて、現作戦も巧の立案によるもの。

とはいうが、その内容は全く周知されていない。疑いたくもなる。

「大丈夫だって。そんなに信用ないかなあ」

『ない』と即答。対して、傷つくなあ、と苦笑い。紗希は溜息一つ、続けて、

『と・に・か・く。間違えてもひっかからないでくださいよ?わかりましたね、通信終わります』口早に言い切る。

「あ、まっ・・・・」有無をいわさず、そこで通信は切られた。巧はこういう時、弱すぎて話にならない。

「…怒ってた、よね?」巧は走りながら頭をかく。

この作品、基本は学園戦闘(偶にラブコメ)でやっていきます。

作者は会話による活劇が苦手なため、会話文は相当面白くないものに仕上がっているかと思いますが、精進していきたいと思いますので長い目でお付き合いください。

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