【後日談】「なんだこれAIか」とため息を吐いた知人と再び語り合ってみた
知人から友人になれそうです。
仕事終わりに先日のカフェに行ったらまた彼女に会えた。
適度な距離感の知人はアイスラテじゃなくてホットラテを飲んでいる様子。
たしかに今日は急に寒くなった。
私も同じものをカウンターで頼み、先日と同じく斜め前に座ってから事後報告をした。
「はあ? アンタ何してくれちゃったわけ」
「やりとりを思い返して文章にしたら面白いかなと思って……」
「あのね、ただ愚痴ってるだけの小説なんて面白いわけ無いでしょ!?」
愛想笑いでごまかした。そこは読者さんが判断するところなので。
「あはは……小説じゃなくてエッセイね」
「読むけど絶対にいいねしないから!」
そう言ってスマホをいじりだす彼女を見ながら反応を予想する。けっこう楽しいなこれ。
数分後、
「……なんかアタシすごく性格キツそうに書かれてない?」
大きなため息とともに彼女が言う。でもごめん、修正はしません。
「内容的にはこれで合ってると思うけど」
「うん、まあ、そうなんだけどね……あのあと考えたんだわ」
「?」
「今飲んでるコーヒーだってさ、機械で抽出してるわけじゃん? だけど私たち文句言わないのはなんでだろーねって」
確かにそう。お店の人を呼びつけてハンドドリップにしろとクレーム付ける人はなかなか居ない。
というか見たことがない。
探せばいるのかもだけど、それは純然たるモンスター(クレーマー)なのでお近づきになりたくない。
「豆を挽くのに合理的だし、接客に手を抜いてないからお客さんも満足してるんじゃないかな」
無難な答えを口にする私。おそらく間違ってない。
「きっとそれだわ。文章でも同じこと言えそうじゃん? いかにも機械って部分が目立たなかったら昨日みたいな文句すら思いつかないかも」
AI小説はクセが強い。今のところはわかりやすい。
「大切な部分をハイブリッド化されたらわからなくなるかもね。たとえば地味な設定部分をAIが受け持って、熱量が必要なポイントだけ人力でやられたら見分けつかなくなりそう」
そういった作品を目にした自分がどんな反応をするのか考えるとモヤモヤした気持ちになる。
読者の中には「面白ければ人間だろうがAIだろうが関係ない」といい切る人もいる。
「これからそうなっていくのかなぁ……」
漠然とした考えを口にする私に、
「簡単には増えないよ」
彼女が断言した。気になったので理由を尋ねてみる。
「だって始めから放棄してるじゃん。最初の段階で機械に丸投げしてる人があとからチェックしたところでいいものができるわけないし。わざわざ一番美味しい部分を捨ててる自覚すらないんだから」
それはAIを使う人が「面白いかどうかの判断がつかない」ことを前提にしている気もするけど、ある程度納得することはできた。
「よく言われる『下手でもいいからあなたの作品が見たい』って気持ちなのかな」
「いや、ヘタじゃないほうがいいっしょ。クソ難しい文字を好んで使う作家さんとか別の意味で苛ついてくるし。あいつらマジで下手」
それは時々ある。手書きでは嫌になって避けそうな難読文字をルビ振らずに投稿してる作家は少なくない。読者としては試されてるようで微妙な気持ちになる。後方腕組みドヤ顔されてるイメージね。
「改行は頻繁にするのに文頭で一文字あけないとか、まあ言いたいことは結構あるけどさ……こうやって愚痴り合ってる私たちが一番めんどくさいじゃん」
二杯目のラテを注文しながらぼやく知人に私は同意した。
前作はこちらになります。
『知人が「なんだこれAIか」と脱力感たっぷりにため息を吐くので語り合ってみた』
https://ncode.syosetu.com/n7695mv/
気が向いたら読んでみてください。




