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ごめんなさい、それでも《それで》生きさせて。

作者: 秋葉竹
掲載日:2026/09/03





 《殉愛》


あゝと嘆くか弱い声と

冷たい雨とはひつようだ


秋が赤とんぼとか使った

悲しみの風を吹かせるから


飛び越して冬の浚渫を目指す意志を示す

ただただあしたへ錐揉みする


除湿のよく効いた邪魔なんていらない

ちいさなやさしい囁き声だけ覚えているよ?


なにもかもを忘れられるから夢

終わりのない夢だけ悲しみの色彩で煌めく


そのなかのただのにんげんが

たったひとつのおのが顔を忘れたという


ハッ!

とんだ笑い話にもなりゃしねぇ、殉愛




────────────────




べっつにね、

そんなに大上段に構えて

云いたいわけじゃあ、ないんだけど、


ちょっとまえに

ビリーホリデーの名前と歌を

とある詩で使ってしまって

「奇妙な果実」

って歌



ま、

いまの時代

ふつうに生きてりゃ、

そりゃ、知らんし

わけわからんよな〜

と、

自省して、



ま、その

ビリーホリデーって

歌手を

引き合いに出すほど

哀しい歌声を持った人だと

ジャニスジョプリンに

捧げる詩を

その時

書いたんだけど。


ジャニスの凄さは、

その

切り裂く歌声さ。

けど、

その切り裂く歌声は、

本来なら

白人の

ハタチくらいの女性に

出せるものじゃなかったんだよ?


あ、当時のみんなの認識では、ね?


ブルースは、黒人にしか、歌えない!


わかんねーよねー。


でも、そーだった、らしい。


黒人というだけで

お金に困った、

黒人というだけで

生きることが辛い、

黒人というだけで

死にたいと想った、



何不自由ない

白人の

中流家庭のハタチくらいの

女の子に

まるで

黒人が魂をあずけるようにして歌う

まるで

なにもしていないのに

虐げられつづける黒人が

魂を削るようにして歌う

そんな

歌、ブルース、

歌えるわけない


はずなのに

彼女は

歌った。


その、

白人の

ハタチすぎの

田舎町で暮らす

世界に受け入れられなさが

その《孤独》の満たされなさが

そんなわけないはずなのに

ブルースの《それ》と

同等だったから。


それを


知って

《全米が震えた》んだよ?


だから

彼女は

ありのままで

史上初の

ロッククイーン

なったんだよ?




閑話は、休題、さ。



べつに

もう

ジャニスのことを

わかってもらおうとか

想わねーし。



それよりも、

これも、

ホント、メッチャ有名な話なんだけど


その

ジャニスを

引き合いに出すときに

名前をお借りした

ビリーホリデーの

「奇妙な果実」


もちろん、

最後までは

云わないけど、

ねぇ、

《果実》って、

なんだと想う?



アメリカで

白人警官が

黒人を殴り殺すシーンが

テレビで

流れてたけど

差別って

いまでも

あるんだとか

それで

済ましてるけど、



それ、



1939年の

ビリーホリデーの歌った

「奇妙な果実」


あのね。

はちじゅうさんねん、

《も》

まえの

話じゃ、ないんだよ?


いまでも、そういう差別あるし、

わずか、

はちじゅうさんねん、まえ、


吊るされていたって

歌を歌った人だって

いたんだよ?


それは、

ぜんぜん、昔じゃないよね?

昔っていっちゃ、いけないよね?



ごめん、

ここで。



いくら聴いてもらおうと想ったって

こんなくっだらない推薦文よんで

聴いてくれる人も

いないだろうから、


さっきは、

それは云わないって云ったけど

聴いてもらうために

あえて云う、ね?



奇妙な果実、って実は


《 》


のことだったんだ


人はどれほど犯した罪を後悔しても

いつまでもその罪は

消えないのかもしれない


人はどれほどの罰で苦しんでも

いつまでも逃れられずにその罰を

受けつづけるのかもしれない



ねぇ、



ねぇ?



ねぇ、

《殉愛》なんて

うた、

ビリーホリデーのまえで歌ったら


ねぇ、

なんて

想われるのだろうかね?







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