枯れきった花へ
掲載日:2026/05/24
枯れきった花へ。幾ら水をやろうとも、
再び麗しく咲き誇ることなど、叶わないのです。
抑、空は頑なに閉ざされ、
一滴の雨すら落とさぬのですから。
目の前にあるのは、
枯れた花、枯れてしまった花
—— 枯れきった花。
世に心を閉ざすその花は、
甘い蜜を湛えることも、
誰かを惹き寄せる香りを放つことも、
何も、何も許されない。
では何故、
それでも尚、
その花はそこに在り続けるか。
土に縋り、孤独であり続けるのか。
僅かな呼吸で、地に根を張るか。
それが彼女の光であったから。
それが彼女の太陽であったから。
それが彼女の、ダイヤであったから。
—— それしかなかったのです。
だからこそ、
枯れきったその身でさえ、
手放すことだけは
—— できなかったのです。




