表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【 悲報 】異世界転生して即死した俺、種族ゴーストで再転生!? ~唯一、俺を認識する少女と始まる異世界逆転生活~  作者: おでこ
第1章:ゴーストで再転生!? 裏切りからの復讐

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

5/34

第5話「慢心―無視された警告」


 魔物の巣は、黒森の最深部――巨大な岩山の洞窟の中にあった。


 洞窟の入り口は、人間が三人並んで入れるほどの大きさ。

 中からは、獣の唸り声と、腐臭が漂ってくる。


「これが、魔物の巣か……」


 騎士団長が緊張した面持ちで呟いた。


 文哉は即座に『鑑定』を発動させ、洞窟の入り口付近を調べた。


【洞窟:深度 約200メートル / 危険度:高】

【魔物の気配:複数 / 推定レベル:15~20】


「洞窟の深さは約200メートル。魔物のレベルは15から20程度と推定されます」


 文哉が報告すると、葛城が鼻で笑った。


「レベル20? 余裕じゃん」


「俺たち、もうレベル15あるし。楽勝だろ」


 森川も自信満々だ。


 騎士団長は少し不安そうだったが、勇者たちの自信に押されるように頷いた。


「では、突入します。勇者様方、お願いします」


「任せろって」


 葛城が先頭に立ち、洞窟の中へと踏み込んだ。


 ◆


 洞窟の中は暗く、湿っていた。


 松明の灯りが、岩壁を揺らめかせる。

 足元には、魔物の骨や、食い散らかされた動物の死骸が散乱していた。


「うわ……気持ち悪い……」


 梨花が顔をしかめる。


 文哉は周囲を警戒しながら、『鑑定』を使い続けた。


 洞窟の奥から、複数の気配。


(来る……!)


「前方! 魔物です!」


 文哉が叫んだ瞬間、暗闇から複数の影が飛び出してきた。


 巨大な蝙蝠――体長一メートルを超える、牙をむき出しにした魔物だ。


【種族:ジャイアントバット / レベル:16】

【HP:280 / 攻撃力:48 / 防御力:20】

【特性:超音波攻撃 / 群れで行動】


「ジャイアントバット、レベル16! 超音波攻撃に注意!」


「分かってる!」


 葛城が剣を振るう。

 一閃で、一匹の蝙蝠が真っ二つに裂けた。


 森川も呪文を唱える。


「炎よ、貫け――ファイアランス!」


 炎の槍が蝙蝠を貫き、焼き尽くす。


 次々と魔物が倒されていく。


 けれど、蝙蝠の数は多かった。

 十匹、十五匹――暗闇の中から、次々と現れる。


「キリがねえな!」


「梨花、回復頼む!」


「は、はい!」


 梨花が負傷した騎士に回復魔法をかける。


 文哉は後方で、敵の数と位置を鑑定し続けた。


「右側に三匹! 左に五匹! 上から二匹来ます!」


 情報を叫ぶ。


 葛城と森川が、その情報を元に次々と敵を倒していく。


 やがて――全ての蝙蝠が倒された。


「ふう……多かったな」


 葛城が額の汗を拭う。


 けれど、その表情には余裕があった。


「でも、まあ余裕だったな」


「レベル16程度じゃ、俺たちの敵じゃないよ」


 森川も笑った。


 騎士団長が、安堵の表情を浮かべる。


「さすがです、勇者様方」


 文哉は、周囲を見回した。


 負傷した騎士が数名いたが、梨花の回復魔法で治療されている。

 致命傷を負った者はいない。


(よかった……)


 文哉は、胸を撫で下ろした。


 ◆


 洞窟の奥へ、さらに進む。


 やがて、広い空間に出た。


 そこは、魔物の巣の中心部だった。


 地面には、無数の骨が散乱している。

 壁には、爪痕が無数に刻まれていた。


 そして――


 空間の中央に、一匹の巨大な魔物が座っていた。


 それは、オーガだった。


 身長三メートルを超える、筋骨隆々とした巨体。

 片手には、巨大な棍棒を握っている。


 文哉は即座に『鑑定』を発動させた。


【種族:オーガ・チーフテン / レベル:22】

【HP:680 / 攻撃力:92 / 防御力:58】

【特性:怪力 / 再生能力(小)】


「オーガ・チーフテン、レベル22! HP680、攻撃力92! 再生能力があります!」


 文哉の報告に、騎士団長の顔が強張った。


「レベル22……! これは、かなり強敵です……!」


 けれど、葛城は笑った。


「レベル22か。ちょっと強いけど、まあ大丈夫だろ」


「俺たちなら倒せるって」


 森川も自信満々だ。


「行くぞ!」


 葛城が突っ込む。


 オーガが咆哮を上げ、棍棒を振り下ろした。


 葛城がそれを剣で受け止める――が、その衝撃で数歩後退した。


「っ……重い!」


「葛城、援護する!」


 森川が魔法を放つ。


 炎の球がオーガに直撃するが――オーガは怯まなかった。


「硬っ!」


 オーガが再び棍棒を振るう。

 葛城が回避し、反撃で斬りかかる。


 剣がオーガの腕を切り裂いた。


 けれど――


 切り傷が、みるみるうちに塞がっていく。


「再生能力か……!」


「くそっ、面倒くせえ!」


 葛城と森川が連携し、オーガを攻撃し続ける。


 騎士たちも加勢するが、オーガの攻撃は凄まじく、次々と騎士が吹き飛ばされた。


「梨花、回復!」


「分かってます!」


 梨花が必死に回復魔法をかける。


 文哉は後方で、オーガの動きを鑑定し続けた。


「右腕の振りが大きい! 次は左から来ます!」


「分かった!」

 葛城が文哉の情報を元に回避し、反撃を加える。


 激しい戦闘が続いた。


 やがて――


 葛城の剣が、オーガの首を切り裂いた。


 オーガが倒れる。

 巨体が、地面に崩れ落ちた。


「……やった!」


 葛城が勝利の雄叫びを上げる。


「レベル22、倒したぜ!」


「余裕だったな!」


 森川も笑った。


 騎士たちが、歓声を上げる。


「勇者様、すごい!」

「さすがです!」


 文哉も、安堵のため息をついた。


(よかった……勝てた)


 これで、任務は完了だ。


 魔物の巣を叩き、ボスを倒した。


 あとは、城に戻るだけ――。


 ◆


 けれど、その時だった。


「なあ、ちょっと待てよ」


 葛城が、洞窟の奥を指差した。


 オーガの巣の奥――さらに深い闇へと続く通路がある。


「あっちに、まだ何かいるんじゃね?」


「え……?」


 文哉が戸惑う。


 葛城は、得意げに笑った。


「せっかくここまで来たんだし、全部倒していこうぜ」


「そうだな。俺たち、レベル22のオーガも倒せたし、この調子ならもっと強い敵も倒せるだろ」


 森川も乗り気だ。


 文哉の胸に、嫌な予感が走った。


 彼は即座に、洞窟の奥に『鑑定』を向けた。


 その瞬間――


 視界に、赤い警告文字が浮かび上がった。


【警告:極めて強力な魔物の気配】

【推定レベル:測定不能】

【危険度:極大】


 文哉の顔が、蒼白になった。


「待ってください! 奥は危険です!」


 文哉が叫んだ。


 けれど、葛城は振り向きもしなかった。


「何言ってんだよ。俺たち、レベル22も倒せたんだぜ?」


「そうだよ。ちょっと強い敵が出ても、余裕だろ」


 森川も笑っている。


「いえ、そうじゃなくて! 鑑定の結果、レベルが測定できないほど強力な魔物がいます! 今の僕たちでは、絶対に勝てません!」


 文哉が必死に説明する。


 けれど――


 葛城が、苛立ったように舌打ちをした。


「はあ? 測定不能? そんなの、お前の鑑定が壊れてるんだろ」


「そうだよ。ただのエラーじゃん。この程度の洞窟に、そんな強い敵がいるわけないって」


 森川も、文哉の言葉を信じなかった。


 騎士団長が、文哉に同調する。


「中田殿の言う通り、これ以上の深入りは危険かと……」


「うるせえな!」


 葛城が怒鳴った。


「俺たちは勇者だぞ? ちょっと強い敵が出たくらいで、ビビってんじゃねえよ!」


「そうだよ。騎士団長も、中田も、臆病すぎるんだよ」


 森川が嘲笑うように言った。


 文哉の胸に、焦りが広がる。

(どうする……このままじゃ――)


「お願いです、聞いてください! 本当に危険なんです!」


 文哉が懇願する。


 けれど、葛城は聞く耳を持たなかった。


「うるせえ。お前は黙ってろ」


 冷たい声。


 そして、葛城は洞窟の奥へと歩き始めた。


「俺は行くぜ。森川、お前も来いよ」


「おう」


 森川も、葛城に続いた。

 梨花は、戸惑いながらも――二人の後を追う。


「ま、待ってください……!」


 騎士団長が止めようとしたが、三人は聞かなかった。


 文哉は、歯を食いしばった。


(駄目だ……止められない)


 葛城と森川の慢心。

 自分たちが「勇者」だという、根拠のない自信。


 そして――文哉の言葉を、「臆病者の戯言」として切り捨てる傲慢さ。


 文哉は、これまでずっと耐えてきた。


 けれど――


(このままじゃ、みんな死ぬ……!)


 文哉は、葛城たちの後を追った。

 騎士団長も、仕方なく部隊を率いて続く。


 洞窟の奥へ、一行は進んでいった。


 ◆


 通路は、さらに深く、暗くなっていく。

 空気が冷たくなり、不吉な気配が濃くなっていった。


 文哉は、ずっと『鑑定』を使い続けていた。

 そして――その気配は、確実に近づいていた。


【警告:極めて強力な魔物の気配】

【推定レベル:測定不能】

【危険度:極大】


 測定不能。


 今の葛城がレベル16、森川がレベル15。

 鑑定できないほどの相手――一体どれほど強いのか。


「葛城さん、本当に引き返した方が……!」


 文哉が再び訴える。


 けれど、葛城は無視した。


「うるせえって言ってんだろ」


 その時――


 前方の闇から、何かが動いた。


 巨大な影。


 そして――


 轟音とともに、それが姿を現した。


 それは、竜だった。


 いや、正確には「ドラゴン」ではない。

 翼のない、地を這う竜――ランドドラゴンだ。


 体長は十メートルを超え、全身が黒い鱗に覆われている。

 口からは、灼熱の息が漏れていた。


 文哉は震える手で、『鑑定』を発動させた。


【種族:ランドドラゴン / レベル:32】

【HP:1820 / 攻撃力:168 / 防御力:125】

【特性:火炎のブレス / 超硬質の鱗 / 狂暴化】


「ラ、ランドドラゴン……レベル32……!」


 文哉の声が震えた。


 騎士団長の顔が、絶望に染まる。

「ラ、ランドドラゴンだと……!? そんな、なぜこんな場所に……!」


 葛城と森川も、さすがに顔色を変えた。


「お、おい……マジかよ……」


「レ、レベル32って……」


 ランドドラゴンが、咆哮を上げた。


 その声が、洞窟全体を震わせる。


 文哉の全身が、恐怖で震えた。

(どうする……どうすればいい……!)


 ランドドラゴンが、一行を見据える。

 赤い瞳が、獲物を捕らえた。


 そして――


 口を大きく開き、火炎のブレスを放とうとした。


「に、逃げろおおおお!!」


 騎士団長が叫んだ。

 一行が、一斉に散開する。


 けれど――洞窟の通路は狭く、逃げ場がない。

 ランドドラゴンのブレスが、出口を埋め尽くそうとする。


 絶望的な状況。


 文哉の脳裏に、死の予感が過った。

(終わった……)



 この戦闘で、文哉の運命が――決定的に変わることになる。



------------------------------------------------------------


【種族:ランドドラゴン / レベル:32】

【HP:1820 / 攻撃力:168 / 防御力:125】

【特性:火炎のブレス / 超硬質の鱗 / 狂暴化】

次話、ついに物語が大きく動きます。文哉を待ち受ける運命とは……。

明日の更新もぜひチェックしてください!

13時と18時に更新します!!よければブックマークの登録お願いします^^

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ