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【 悲報 】異世界転生して即死した俺、種族ゴーストで再転生!? ~唯一、俺を認識する少女と始まる異世界逆転生活~  作者: おでこ
第3章:「故郷到着!? エリスの秘密と血族の真実」

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第34話「ゴースト俺、再びシルフィアと遭遇する」


 魔族領に足を踏み入れて――数時間が経っていた。


 エリスと文哉は、慎重に森の中を進んでいる。周囲の気配に、常に神経を尖らせていた。


「フミヤ……本当に、大丈夫かな……」

 エリスが、不安そうに呟いた。


 文哉も――正直なところ、不安だった。

魔族領に無断で侵入している。見つかれば――殺されても、おかしくない。


「エリスの力なら――魔族とも対話できる」

 文哉が、できるだけ冷静に答えた。


「その可能性に――賭けるしかない」


 エリスは――髪留めに触れた。オーク村でもらった、花模様の髪留め。

 魔族の魔力が込められている――これが、唯一の希望だった。


「そうだね……これしか、道はないもんね」


 二人は――緊張しながら、さらに奥へと進んだ。


 ◆


 その時――


 バサッ――


 突然、上空から何かが降りてきた。


 エリスの心臓が――凍りついた。


「!」


 文哉も――『鑑定』で素早く確認する。


【シルフィア / 種族:ハーピー / レベル:64】

【役職:魔族軍第四軍団長 / 警戒度:高】


(シルフィア……!)


 そこには――大きな翼を広げた、ハーピーの姿があった。オレンジ色の髪をポニーテールにした、若い女性――シルフィアだ。


 エリスは――思わず、後ずさった。


「シルフィアさん……」


 ◆


 シルフィアは――地面に降り立つと、鋭い目でエリスを見た。


「人族が――魔族領に、勝手に入ってきた」


 その声には――明確な警戒心があった。


「無断侵入は――死罪に値する」


 エリスの体が――恐怖で震えた。


 だが――その時、シルフィアの目が、エリスの顔をしっかりと捉えた。


「……あんた、か」


 シルフィアの表情が――少しだけ、変化した。


「お早い再会だったな」


 その声には、驚きと――わずかな警戒が混じっていた。


 ◆


 エリスは――震える声で答えた。


「シルフィアさん……」


「セレスティア村には――着いたのか?」

 シルフィアが、腕を組んで尋ねた。


「はい……でも……」


 シルフィアは――エリスの様子を観察した。


 ボロボロの服、疲れ切った表情、傷だらけの手足――前回会った時とは、明らかに違う。


「……人族に、追われたか」


 シルフィアが、低い声で言った。


 エリスは――静かに、頷いた。


「はい……村で、いろいろあって……」


 シルフィアの目が――鋭くなった。


「それで――魔族領に逃げ込んだ、と」


「無謀だな」


 エリスの顔が――青ざめた。


「あの……お願いが……」


「言ってみろ」

 シルフィアが、冷たく言った。


 ◆


 エリスは――震える声で、話し始めた。


「魔王城に――文献が、あるかもしれないんです」

「受肉の儀式について――書かれた文献が……」


 シルフィアの目が――興味深そうに光った。


「受肉の儀式……?」


「はい……」

 エリスが、必死に説明する。


「私の一族――ヴァランティエール家には、その儀式の記録がありました」


「でも――詳しいことは分からなくて……」


「魔族の方が――詳しいと聞いたんです」


 シルフィアは――少し考え込んだ。


「確かに……魔王城の資料庫には、古い文献がたくさんある」


「受肉の儀式の記録も――もしかしたら、あるかもしれない」


 エリスの目に――希望の光が宿った。


「本当ですか……!」


「だが――」

 シルフィアが、厳しい表情で言った。


「お前は、人族だ」

「魔王城に入れるわけがない」


 ◆


 シルフィアは――エリスの髪留めを、もう一度見た。


(オーク村の髪留め……まだ、つけてるのか)


 シルフィアの頭に――オーク村での光景が蘇った。


 整理された倉庫、綺麗な水路、そして――あの浴場。


(あの浴場……本当に、気持ちよかった)

(魔王城にも――いや、第四軍の拠点全体に、あの知識を導入できれば……)


 シルフィアは――内政がボロボロの第四軍領域のことを思い出していた。


(村々の生活水準も低い……兵站も不十分……)

(だが――こいつらの知識があれば……)


 シルフィアは――エリスを見つめた。


「なあ、エリス」


「はい……」


「お前――オーク村でやったこと、他の場所でもできるか?」


 エリスは――文哉の方を見た。文哉も――シルフィアの意図を理解した。


「できる……と思います」

 エリスが、答えた。


(フミヤと一緒なら……)


 ◆


 シルフィアは――取引を持ちかけた。


「いいだろう。取引だ」


「魔王城内にある――第四軍の区画を、立て直せ」


 エリスが――驚いて顔を上げた。


「魔王城……内……?」


「ああ」

 シルフィアが、説明した。


「魔王城には――各軍団の区画がある」


「第四軍の区画も――当然あるが……正直、内政はボロボロだ」


 シルフィアの表情が――少し苦々しくなった。


「倉庫は散らかり、物資管理もずさん……兵站も不十分だ」

「お前がオーク村でやったこと――それを、第四軍の区画でもやれ」


 エリスは――その条件を聞いて、考えた。


(魔王城の中を……修繕する……)


 文哉が――エリスに語りかけた。


「エリス――やろう」


「魔王城に入れるなら――資料庫にも近づける」


 エリスは――頷いた。


「分かりました……やります」


 ◆


 シルフィアは――満足そうに頷いた。


「いい返事だ」

「お前を――第四軍に配属する」


 エリスが――驚いた。


「配属……?」


「ああ。人族のお前を魔王城に入れるには――理由が必要だ」

 シルフィアが、真剣な表情で言った。


「第四軍の一員として――お前を招く」


「人族だが――特殊な能力を持つ者として……」


 シルフィアは――少し言葉を濁した。


「しぶしぶだが――受け入れることはできると思う」


 エリスは――緊張しながらも、頷いた。


「分かりました……」


 ◆


 その時――シルフィアが、ふと思い出したように言った。


「……それと、もう一つ」


「気になることがある」


 エリスの体が――少し強張った。


「何……ですか?」


 シルフィアは――鋭い目で、エリスを見つめた。


「あんた――誰かと、話してるよな」


 エリスの顔が――青ざめた。


「えっ……」


「オーク村でも――村長が言ってた」

 シルフィアが、続けた。


「見えない誰かと話してるって」


「それに――今も、感じる」


 シルフィアが、エリスの隣を見た。


「確かに――何か、気配がある」


「それは……気のせいか?」


 ◆


 エリスは――文哉の方を見た。


 文哉も――観念していた。


(嘘はつけない……ここは、正直に言うべきだ)


「エリス――正直に、言おう」


 エリスは――震える声で答えた。


「シルフィアさん……実は……」


「私の隣には――ずっと、幽霊さんがいるんです」


 シルフィアの目が――鋭くなった。


「やはり……か」


「その人の名前は――文哉……フミヤって言います」


 エリスが、自分の隣を指差した。


「フミヤは……ゴースト族なんです」


 その瞬間――

 シルフィアの目が――キラキラと輝いた。


「ゴースト族……!?」


 ◆


 シルフィアの態度が――一変した。

 さっきまでの警戒心が消え――まるで、目上の者に接するような、恭しい態度になった。


「ゴースト族……本当に、ゴースト族なのか……!」


 シルフィアが、エリスの隣――文哉がいるであろう場所に向かって、深く頭を下げた。


「ゴースト様……こんな辺境の地まで、お越しくださるとは……」


 エリスは――その変わりように、驚いた。


(シルフィアさん……すごく、態度が変わった……)


 文哉も――その反応に、戸惑っていた。


(様……? 僕が……?)


 ◆


 シルフィアは――興奮した様子で話し始めた。


「ゴースト族は――伝説の希少種……」


「世界に1体生まれるかどうかの――高貴な存在……」


 シルフィアの声が――震えていた。


「肉体の檻から解き放たれた――純粋な魔力体……」


「強い意志を持つ魂だけが――ゴースト族になれる……」


 そして――再び、深く頭を下げた。


「お会いできて――光栄です、ゴースト様……」


 エリスは――通訳する。


「フミヤ……シルフィアさんが……」


「ああ……聞こえてる」

 文哉が、困惑した様子で答えた。


 シルフィアは――顔を上げて、エリスを見た。


「お前――ゴースト様と、話せるのか」


「協力関係に……あるのか」


 エリスが――頷く。


「はい……フミヤは、いつも私を助けてくれます」


 シルフィアの目が――さらに輝いた。


「それなら……!」

「人族を魔王城に招くのは――普通では無理だ」

「だが――ゴースト様と話せ、協力関係にある者なら……」


 シルフィアが、興奮気味に言った。


「魔王様も――きっと、お会いになりたがる……!」

「これなら――お前を魔王城に招くことができる……!」


 エリスの目に――希望の光が宿った。


「本当ですか……!」


 ◆


 だが――シルフィアは、急に真剣な表情になった。


「だが――本当にゴースト族がいるのか、証明しろ」


 エリスが――文哉の方を見た。


「フミヤ……」


 文哉は――少し迷った。だが――ここまで来たら、見せるしかない。


「分かった……」


 文哉は――ポルターガイストの能力を使った。


 近くに落ちていた小石が――ふわりと、宙に浮いた。


 そして――ゆっくりと、シルフィアの前に運ばれる。


 シルフィアの目が――さらに輝いた。


「これは……すごい!」


 石は――空中で回転しながら、優雅に動いている。


 そして――静かに、地面に降りた。


 シルフィアは――感動した様子で、両手を合わせた。


「ゴースト様……!」


「本物だ……本物のゴースト族だ……!」


 シルフィアが、エリスの隣に向かって――深々と頭を下げた。


「ゴースト様……! お会いできて、本当に光栄です……!」


 その姿は――さっきまでのクールな軍団長とは、全く違っていた。


 まるで――憧れのアイドルに会ったファンのようだった。


 エリスは――その様子を見て、少し笑いそうになった。


(シルフィアさん……すごく、女の子っぽい……)


 ◆


 しばらくして――シルフィアは、ハッと我に返った。


 自分の態度に気づいて――少し恥ずかしそうに、軽く咳払いをした。


「コホン……」


 シルフィアの表情が――いつものクールな雰囲気に戻った。


「そ、それでは――魔王城に向かうぞ」


 だが――声は、少しだけ上ずっていた。


「準備は、いいか?」


 エリスが――頷く。


「はい……」


 シルフィアは――エリスを抱えた。


「しっかり掴まってろ」


 そう言って――翼を大きく広げた。


 バサッ――


 シルフィアが、空へと飛び上がった。


 文哉も――浮遊能力で、シルフィアとエリスに並んで飛んだ。


 三人は――魔王城へと、向かい始めた。


 空を飛びながら――シルフィアは、時々エリスの隣を見ていた。

 そこには――見えないが、確かにゴースト族がいる。

 シルフィアの心は――高揚していた。


(ゴースト様を――魔王様にお会いさせられる……!)

(これは――第四軍にとって、大きな功績になる……!)


 だが――それ以上に、シルフィアは純粋に嬉しかった。


(伝説のゴースト族に――会えた……!)


 遠くに――魔王城の姿が見えてきた。

 黒い石で作られた、威厳のある城。


 エリスと文哉の――新たな日々が、始まろうとしていた。



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【名前:中田文哉 / 種族:ゴースト / 年齢:28歳(死亡)】

【スキル:鑑定 / ポルターガイスト(中) / レベル:2】

【ステータス:HP??? / 攻撃力??? / 防御力???】

【特性:物理無効 / 視認不可 / 壁抜け / 浮遊】


【名前:エリス・ラ・ヴァランティエール / 種族:人族 / 年齢:16歳】

【特殊能力:魂の視認 / 霊体との意思疎通 / 霊体使役(小)/ レベル:5】

【ステータス:HP115 / 攻撃力+6 / 魔力??? / 精神力:大】

【装備:短剣(攻撃力+2)/ オークの村からの贈り物(お花模様の髪留め)】


【名前:シルフィア / 種族:ハーピー / 年齢:24歳】

【役職:魔族軍第四軍団長 / レベル:64】


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