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【 悲報 】異世界転生して即死した俺、種族ゴーストで再転生!? ~唯一、俺を認識する少女と始まる異世界逆転生活~  作者: おでこ
第3章:「故郷到着!? エリスの秘密と血族の真実」

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第33話「ゴースト俺、追跡者から逃れる」


 森の中を――エリスと文哉は、急いで歩き続けていた。


 村を脱出してから、半日が経っている。だが――まだ、安心はできなかった。


「ハァ……ハァ……」

 エリスが、息を切らしている。


「少し……休もう」

 文哉が、心配そうに言った。


 エリスは――木の根元に座り込んだ。疲労が、顔に表れている。


「ごめんね……フミヤ……私、足手まといで……」


「そんなことない」

 文哉が、優しく答えた。


「エリスは、よく頑張ってる」


 二人は――しばらく、休息を取った。


 ◆


 その頃――セレスティア村には、兵士たちが到着していた。


 重装備の兵士――十数名。村人たちの要請を受けて、近隣の駐屯地から派遣されてきた。


 兵士の隊長――ガードナーという男が、村長の前に立った。


「ヴァランティエール家の末裔が――この村にいると聞いたが」

 ガードナーの声は、冷たく響いた。


 村人の一人が――前に出た。


「はい……廃墟になった家に、住み着いていました」


「だが――今朝、逃げ出したようです」


 ガードナーの目が――鋭くなった。


「逃げた? どの方向だ」


「森の方へ――」


「分かった」

 ガードナーが、部下たちに命令する。


「追跡班を編成しろ。逃がすな」


 兵士たちが――素早く動き出した。


 ◆


 ガードナーは――王都からの命令書を持っていた。


『ヴァランティエール家の末裔を捕らえよ。生死は問わず』


 その命令の裏には――王都の思惑があった。


 聖女の力――それは、死者と対話できる力。戦場で死んだ味方から情報を得たり、敵の動きを予測したり――軍事利用できる可能性がある。


 王都の上層部は――エリスの力を、「兵器」として利用しようとしていた。


(聖女の末裔か……捕らえれば、昇進は確実だな)


 ガードナーは――功名心に駆られていた。


「全員、出発するぞ!」


 兵士たちが――森へと向かった。


 ◆


 エリスと文哉は――再び歩き始めていた。


 だが――文哉が、何かを感じ取った。


「エリス――止まって」


 エリスが――立ち止まる。


「どうしたの?」


「誰かが――追ってくる」

 文哉の声が――緊張していた。


 文哉は――『鑑定』の範囲を広げて、後方を探った。


【追跡者:12名 / 種族:人族 / 職業:兵士】

【平均レベル:18 / 武装:剣・槍・弓】

【隊長レベル:25 / スキル:追跡術・剣術(上)】


 文哉の顔が――青ざめた。


(レベル25の隊長……それに、兵士が12名……!)


「エリス――兵士たちが、追ってきてる」


 エリスの顔から――血の気が引いた。


「えっ……もう……!?」


「村人だけじゃない――本物の兵士だ」

 文哉が、厳しい表情で言った。


「急いで――逃げよう」


 二人は――走り始めた。


 ◆


 森の奥へ、奥へと――二人は逃げ続けた。


 だが――兵士たちは、訓練された追跡者だった。確実に、距離を縮めてくる。


「見つけたぞ! 前方だ!」


 兵士の声が――背後から聞こえてきた。


「くそっ……!」

 文哉が、舌打ちする。


 エリスは――必死で走った。だが、体力の限界が近づいていた。


「ハァ……ハァ……もう……」


「頑張って、エリス!」

 文哉が、励ます。


 その時――矢が、エリスの横を掠めた。


「きゃっ!」


「弓兵がいる……!」

 文哉が、警戒した。


 エリスは――木の陰に隠れた。矢が、木の幹に突き刺さる。


「このままじゃ……追いつかれる……」


 文哉は――決断した。


「エリス――僕が、時間を稼ぐ」


「えっ……」


「大丈夫。僕は幽霊だから――攻撃は効かない」

 文哉が、自信を持って言った。


「エリスは――先に逃げて」


「でも……!」


「信じて」

 文哉の声が――優しかった。


「必ず――追いつくから」


 エリスは――文哉を信じて、頷いた。


「分かった……気をつけてね、フミヤ」


 エリスは――さらに森の奥へと走った。


 ◆


 文哉は――追ってくる兵士たちの前に、立ちはだかった。


 もちろん――兵士たちには、文哉の姿は見えない。


 だが――文哉には、ポルターガイストの能力がある。


「さあ――やってやる」


 文哉は――周囲の石を浮かせた。


 そして――兵士たちに向かって、投げつけた。


 ガッ! バシッ!


「うわっ! 何だ!?」

 兵士たちが――驚いて立ち止まった。


「石が――飛んできた!?」


 文哉は――次々と、石や枝を投げつける。


 兵士たちは――混乱した。


「魔法攻撃か!?」


「姿が見えないぞ!」


 だが――隊長ガードナーは、冷静だった。


「落ち着け! これは――聖女の能力だ!」

 ガードナーが、叫んだ。


「物を動かす力――書物で読んだことがある!」


「ひるむな! 前進しろ!」


 兵士たちは――ガードナーの命令に従って、前進を続けた。


 文哉は――さらに攻撃を続ける。だが――限界があった。


(ポルターガイストの力は――そこまで強くない……)

(せいぜい――時間稼ぎにしかならない……)


 だが――それでいい。エリスが逃げる時間を稼げれば。


 ◆


 エリスは――森の奥深くを走り続けていた。


 息が切れそうになりながらも――足を止めなかった。


(フミヤ……大丈夫かな……)


 心配だったが――今は、文哉の言葉を信じて、逃げるしかない。


 その時――前方に、小川が現れた。


(川……!)


 エリスは――オーク村で学んだことを思い出した。


 水の中を歩けば――足跡が消える。追跡が難しくなる。


 エリスは――川の中に入った。冷たい水が、足を包む。


 だが――構わず、川の中を進んだ。


 ◆


 文哉は――兵士たちを引きつけ続けていた。


 だが――ガードナーが、鋭い指示を出した。


「三班に分かれろ! 一班は、この攻撃に対応! 二班と三班は――先に進め!」


 文哉は――焦った。


(まずい……分散された……!)


 文哉は――全員を足止めすることはできない。


 数人の兵士が――文哉の攻撃をすり抜けて、前進していく。


(エリス……!)


 文哉は――急いで、エリスを追った。


 ◆


 エリスは――川から上がって、再び森の中を走っていた。


 だが――背後から、兵士たちの声が聞こえてきた。


「前方に――少女の姿を確認!」


「追え!」


 エリスの心臓が――激しく高鳴った。


(まだ……追いつかれてない……!)


 エリスは――オーク村で学んだ護身術を思い出した。


 相手の攻撃を受け流す技術――それを、今こそ使う時だ。


 兵士の一人が――エリスに追いついた。


「待て!」


 兵士が――エリスの腕を掴もうとする。


 だが――エリスは、素早く身をかわした。


 そして――兵士の手を払い、走り続けた。


「くっ……素早い……!」


 エリスは――自分でも驚いた。


(体が……動く……!)


 オーク村での訓練が――今、役に立っている。


 ◆


 文哉が――エリスに追いついた。


「エリス!」


「フミヤ!」


 二人は――再び、一緒になった。


「このままじゃ――キリがない」

 文哉が、考えた。


「どこか――隠れられる場所を探そう」


 文哉は――『鑑定』で周囲を探った。


 そして――ある場所を見つけた。


【洞窟:入口狭小 / 奥行き約30メートル / 隠れ場所として最適】


「エリス――あそこだ!」


 文哉が、洞窟の方向を指差した。


 二人は――洞窟へ向かって走った。


 ◆


 洞窟の入口は――木々に隠れていて、見つけにくい場所だった。


 エリスは――素早く、洞窟の中に入った。


 文哉も――一緒に入る。


 洞窟の中は――暗く、ひんやりとしていた。


 二人は――奥の方へ進んで、身を隠した。


 しばらくして――兵士たちの足音が、近づいてきた。


「どこへ行った……!?」


「この辺りのはずだが……」


 兵士たちが――洞窟の入口の近くを通り過ぎていく。


 エリスは――息を殺して、じっとしていた。


 文哉も――動かずに、兵士たちの様子を探っていた。


 ◆


 兵士たちは――洞窟に気づかず、通り過ぎていった。


「見失ったか……」


「この先を探せ」


 足音が――遠ざかっていく。


 エリスは――ようやく、息をついた。


「ふぅ……」


「まだ――油断はできない」

 文哉が、警戒を続けた。


「しばらく――ここにいよう」


 二人は――洞窟の奥で、休息を取った。


 ◆


 エリスは――疲れ果てて、地面に座り込んだ。


「もう……人族の土地には、戻れないんだね……」

 エリスの声が――悲しそうだった。


 文哉は――エリスの隣に座った。


「ごめん……僕のせいで……」


「違うよ」

 エリスが、首を振った。


「私の一族が――背負ってきた運命なんだ」


 エリスは――空を見上げた。


「でも……私には、フミヤがいる」


 エリスが、微笑んだ。


「だから――怖くない」


 文哉は――エリスの強さに、感動した。


(エリス……)


 二人は――しばらく、洞窟の中で過ごした。


 外では――兵士たちが、捜索を続けている。だが――洞窟には、気づかなかった。


 ◆


 夜になった。


 兵士たちは――捜索を一時中断した。


「暗くなった……今日は、ここまでだ」

 ガードナーが、命令を出した。


「夜明けと共に――再び捜索を開始する」


 兵士たちは――野営の準備を始めた。


 文哉は――その様子を、確認していた。


「エリス――兵士たちが、野営してる」


「今のうちに――逃げよう」


 エリスは――頷いた。


 二人は――静かに、洞窟から出た。


 ◆


 暗い森の中を――二人は、慎重に進んだ。


 兵士たちの野営地を――大きく迂回する。


 文哉の『鑑定』が――道を照らしていた。


「この先を進めば――魔族領の境界に近づく」


 エリスは――不安と期待が入り混じった表情だった。


「魔族領……」


「大丈夫」

 文哉が、励ました。


「シルフィアがいる。彼女なら――助けてくれるはずだ」


 エリスは――オーク村での髪留めに触れた。


 魔族からもらった、この髪留め――それが、自分を守ってくれる。


「うん……きっと、大丈夫」


 二人は――魔族領へと、歩き続けた。


 ◆


 数時間後――二人は、ある場所に辿り着いた。


 そこは――人族の領域と、魔族領の境界線だった。


 目の前には――深い谷があり、向こう側が魔族の土地だ。


「ここを越えれば――魔族領……」

 エリスが、呟いた。


 文哉は――エリスを見つめた。


「エリス――本当に、いいのか?」


「うん」

 エリスが、決意を込めて頷いた。


「もう――戻る場所はないから」


「それに――魔王城に行かないと、フミヤのことも分からない」


 エリスが、前を向いた。


「私は――フミヤと一緒に、前に進みたい」


 文哉は――エリスの決意を受け止めた。


「分かった――行こう」


 二人は――谷を越えて、魔族領へと足を踏み入れた。


 それは――人生の大きな転機だった。


 だが――二人には、迷いはなかった。


 共に歩む道――それが、二人にとっての正解だった。



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【名前:中田文哉 / 種族:ゴースト / 年齢:28歳(死亡)】

【スキル:鑑定 / ポルターガイスト(中) / レベル:2】

【ステータス:HP??? / 攻撃力??? / 防御力???】

【特性:物理無効 / 視認不可 / 壁抜け / 浮遊】


【名前:エリス・ラ・ヴァランティエール / 種族:人族 / 年齢:16歳】

【特殊能力:魂の視認 / 霊体との意思疎通 / 霊体使役(小)/ レベル:5】

【ステータス:HP115 / 攻撃力+6 / 魔力??? / 精神力:大】

【装備:短剣(攻撃力+2)/ オークの村からの贈り物(お花模様の髪留め)】

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