表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【 悲報 】異世界転生して即死した俺、種族ゴーストで再転生!? ~唯一、俺を認識する少女と始まる異世界逆転生活~  作者: おでこ
第3章:「故郷到着!? エリスの秘密と血族の真実」

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

28/34

第28話「ゴースト俺、エリスの故郷に到着する」


 オーク村を出てから――数日が経っていた。


 文哉とエリスは、シルフィアと別れた後――ひたすら、セレスティア村を目指して歩き続けていた。


 エリスの髪には、オーク村でもらった花模様の髪留めが――二つ結びの両側で、可愛らしく揺れている。


「もうすぐ……かな」

 エリスが、少し緊張した様子で呟いた。


「ああ……あの丘を越えたら、村が見えるはずだ」


 文哉が、地図を見ながら答えた。


 エリスは――故郷に戻ることに、複雑な感情を抱いていた。


(どんな村だったか……もう、ほとんど覚えてない)

(でも……私の力のことが、分かるかもしれない)


 期待と不安が――エリスの胸の中で、せめぎ合っていた。


 ◆


 丘を越えると――そこに、セレスティア村が広がっていた。


 小さな村だった。

 木造の家々が、点々と並んでいる。


 畑があり、井戸があり――のどかな風景。


 エリスは――その景色を、ぼんやりと見つめた。


「ここが……私の故郷……」


 エリスが、小さく呟いた。


 文哉は――エリスの横顔を、静かに見守っていた。


(エリス……緊張してるな)


 ◆


 村の入口に――二人は立った。

 すると――畑仕事をしていた村人が、こちらに気づいた。


「おや……?」


 村人が、不思議そうにこちらを見る。


 そして――他の村人にも、声をかけた。


「誰か来たぞ!」


 数人の村人が、集まってきた。


 皆――エリスと文哉(文哉は見えていないが)を、珍しそうに見つめている。


「久しぶりじゃのう……旅人が来るなんて」


 年配の村人が、笑顔で言った。


「どこから来たんじゃ?」


 エリスが――少し緊張しながら、答えた。


「遠くから……来ました」


「そうか、そうか……」


 村人たちは――戸惑いながらも、歓迎の態度を見せてくれた。


「まあ、せっかく来たんじゃ……ゆっくりしていくといい」


「水でも飲むかい?」


 村人たちの優しさに――エリスは、少しほっとした。


(よかった……悪い人たちじゃ、なさそう……)


 文哉も――村人たちの様子を、『鑑定』で確認していた。


【村人A:レベル3 / 性格:温厚 / 警戒度:低】

【村人B:レベル5 / 性格:好奇心旺盛 / 警戒度:低】


(今のところ――敵意はなさそうだな)


 ◆


 エリスは――意を決して、尋ねた。

「あの……この村のこと、少し教えていただけますか?」


「ほう、何が知りたいんじゃ?」


 村人が、優しく尋ねた。


 エリスが――ゆっくりと、口を開いた。


「ヴァランティエール家について――教えてください」


 その瞬間――

 村人たちの表情が、凍りついた。


 さっきまでの笑顔が――一瞬で、消えた。


「……ヴァランティエール……?」


 村人たちが、小さく呟いた。


 そして――

 冷たい視線が、エリスに向けられた。


「……なぜ、その名を知っている」


 村人の声が――低く、警戒に満ちていた。


 エリスは――その変化に、戸惑った。


「えっと……その……」


「お前――あの一族と、どういう関係だ?」


 村人が、一歩前に出た。


 他の村人たちも――明らかに、警戒している。


 エリスは――慌てて、誤魔化した。


「あ、いえ……ただ、その……昔、この村にそういう家があったと聞いて……」


「……そうか」


 村人は――まだ疑わしそうな目で、エリスを見つめている。


「あの一族のことは――知らん方がいい」


 村人が、冷たく言い放った。


「もう、この村にはいない。それだけだ」


 そう言って――村人たちは、背を向けて去っていった。


 残されたのは――冷たい沈黙だけ。


 エリスは――その場に、呆然と立ち尽くしていた。


(何……? どうして……?)


 さっきまでの優しさは――どこへ行ってしまったのか。


 ヴァランティエール家の名前を出した途端――まるで、悪魔でも見るような目で見られた。


 エリスの胸に――鋭い痛みが走った。


(本当に……悪魔として、扱われていたんだ……)


 文哉は――その光景を見て、胸が締め付けられた。


(エリス……)


 エリスの肩が――小刻みに震えている。


 涙を、必死にこらえているのが分かった。


 だが――幽霊の自分には、何もできない。

 ただ――エリスの隣にいることしか、できなかった。


「フミヤ……」


 エリスが、小さく呟いた。


「大丈夫だよ、エリス」


 文哉が、優しく答えた。


「僕が、そばにいるから」


 エリスは――文哉の声を聞いて、少しだけ――心が落ち着いた。


(フミヤが……いてくれる)


 ◆


 その時――


「待ちなさい」


 背後から、声がした。


 エリスが振り向くと――そこには、杖をついた老人が立っていた。


 白い髭を蓄えた――村の長老のような人物。


 文哉が、『鑑定』を使った。


【村の長老:レベル8 / 年齢:82歳 / 性格:慎重だが公正 / 感情:複雑】


(長老……か)


「あなたは……?」


 エリスが、尋ねた。


「わしは――この村の長老じゃ」


 長老が、ゆっくりと近づいてくる。


 そして――エリスの顔を、じっと見つめた。


「……やはり」


 長老が、小さく呟いた。


「その髪の色……その顔立ち……」


 長老の目が――何かを思い出すように、細められた。


「お前――もしや……」


 エリスは――長老の視線に、少し怯えた。

 だが――長老の目には、敵意はなかった。

 あるのは――複雑な、何とも言えない感情。


「ヴァランティエール家について――知りたいのか?」


 長老が、静かに尋ねた。


 エリスは――迷った末に、頷いた。


「はい……」


 長老は――深く、息を吐いた。


「……ついて来なさい」


 ◆


 長老に案内されて――エリスは、村の外れにある小さな家に入った。


 文哉も、壁をすり抜けて――中に入る。


 質素な部屋だった。


 長老が――椅子に座るよう促す。


 エリスが、緊張しながら座った。


「ヴァランティエール家――」


 長老が、ゆっくりと語り始めた。


「この村では……良い存在ではない」


 エリスの胸が、ぎゅっと締め付けられた。


「昔――この村で、恐ろしいことが起きた」


 長老の目が――遠くを見つめている。


「多くの命が、失われた」

「村人たちは――今でも、あの日の恐怖を忘れていない」


 長老が、エリスを見つめた。


「だから――ヴァランティエール家の名を聞けば、皆――怯える」


 エリスは――ただ、黙って聞いていた。


 涙が――ぽろぽろと、こぼれ落ちた。


(やっぱり……私の家族は……)


 長老は――エリスの涙を見て、表情を和らげた。


「じゃが――」


 長老が、続けた。


「お前の目を見れば――分かる」

「お前は――何かを、知りたがっている」


 エリスが――顔を上げた。


「……はい」


 エリスが、涙を拭いながら答えた。


「私は――自分の力のことを、知りたいんです」

「ヴァランティエール家に――何があったのか」

「どうして――こんな力を持っているのか」


 エリスの目には――強い意志が宿っていた。


 長老は――その目を見て、何かを決意したようだった。


「……分かった」


 長老が、立ち上がった。


「お前に――教えよう」


 長老が、窓の外を指差した。


「あの森の奥――廃墟になった家がある」

「それが――ヴァランティエール家の、生家じゃ」


 エリスの目が――見開かれた。


「生家……!」


「そこに行けば――お前の知りたいことが、分かるかもしれん」


 長老が、エリスを見つめた。


「じゃが――」


 長老の表情が、厳しくなった。


「村人たちには――気をつけるのじゃ」


「お前が、ヴァランティエール家の者だと知られれば――」


 長老は、それ以上言わなかった。


 だが――その意味は、十分に伝わった。


「……ありがとうございます」


 エリスが、深く頭を下げた。


 長老は――静かに、頷いた。


「気をつけて――行くのじゃ」


 ◆


 長老の家を出ると――エリスは、森の方を見つめた。


「フミヤ……生家があるって……」


 エリスの声が――少し震えていた。


「ああ……行こう」


 文哉が、優しく答えた。


「きっと――そこに、答えがある」


 エリスは――決意を固めて、歩き始めた。


 文哉も――エリスに寄り添うように、一緒に歩く。


 村人たちの冷たい視線が――背中に突き刺さる。


 だが――エリスは、もう振り返らなかった。


(私は――真実を知りたい)

(この力が、何なのか)

(どうして、フミヤだけが見えるのか)


 エリスの心には――強い決意が宿っていた。


 二人は――森へと、足を踏み入れた。


 木々が生い茂る、薄暗い道。


 だが――その先に、答えがある。


 エリスは――そう信じて、歩き続けた。


 文哉も――エリスを守るように、そばを離れなかった。


(エリスを――絶対に、守る)


 文哉の決意も――より強くなっていた。


 森の奥――


 そこに、ヴァランティエール家の生家が――静かに佇んでいた。



------------------------------------------------------------


【名前:中田文哉 / 種族:ゴースト / 年齢:28歳(死亡)】

【スキル:鑑定 / ポルターガイスト(中) / レベル:2】

【ステータス:HP??? / 攻撃力??? / 防御力???】

【特性:物理無効 / 視認不可 / 壁抜け / 浮遊】


【名前:エリス・ラ・ヴァランティエール / 種族:人族 / 年齢:16歳】

【特殊能力:生者と死者の境界視認 / 霊体との意思疎通 / 霊体使役(小)/ レベル:5】

【ステータス:HP115 / 攻撃力+6 / 魔力??? / 精神力:大】

【装備:短剣(攻撃力+2)/ オークの村からの贈り物(お花模様の髪留め)】

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ