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【 悲報 】異世界転生して即死した俺、種族ゴーストで再転生!? ~唯一、俺を認識する少女と始まる異世界逆転生活~  作者: おでこ
第2章:安住の地は魔族領!? ゴーストの新生活

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第26話「ゴースト俺、村との別れ」


「明日こそ――出発しよう」


 エリスが、そう言ったのは――オーク村に来てから、三週間が経った頃だった。


「……うん、そうだね」


 文哉は、そう答えた。


 だが――

 翌日になっても、二人は村を出ることはなかった。


 ◆


 出発しようとした二人を――若いオークが呼び止めた。


「ブモモ……ブモ……ブモモモ……」


 若いオークが、真剣な表情で何かを訴えている。


 エリスが、光を通じて聞き取る。


「えっと……森は危険だから、せめて護身術を教えたいって」


 エリスが、文哉の方を見る。


「どうする……?」


「……せっかくだから、教えてもらおう」


 文哉が、優しく答えた。


 こうして――出発は、また延期された。


 ◆


 若いオークは――エリスに、護身術を教え始めた。


「ブモ――ブモモ!」


 若いオークが、攻撃を受け流す動作を実演してみせる。


 エリスが――真剣な表情で、その動きを見つめている。


「こう……かな?」


 エリスが、見よう見まねで動いてみる。


「ブモ! ブモモ!」


 若いオークが、嬉しそうに頷いた。


「上手くできてるって」

 エリスが、文哉に伝えた。


 文哉は――その光景を、静かに見守っていた。


(エリスが――少しでも、自分の身を守れるようになれば……)


 それは、文哉にとって――何よりも大切なことだった。


 ◆


 次の日――

 母親オークが、エリスに話しかけてきた。


「ブモモ……ブモ……ブモモ」


 エリスが、光を通じて聞き取る。


「森での食べ物の見分け方を教えてくれるって」


 母親オークが、エリスを森へと連れて行く。


「ブモモ……」


 母親オークが、ある木の実を指差した。


「これは――食べられる木の実だって」


 エリスが、メモを取る。


「ブモ……ブモモ……」

 母親オークが、別の木の実を指差して――首を横に振った。


「でも、これは毒があるから――絶対に食べちゃダメって」


 エリスが、真剣に頷いた。


「ブモモ……」

 母親オークが、ある葉っぱを摘んで――エリスに見せた。


「この葉っぱは――傷に効くんだって」


「ブモ……ブモモモ……」


「この草は――お腹が痛い時に、煎じて飲むといいって」


 森での生活に必要な知識を――母親オークは、惜しみなく教えてくれた。

 文哉も――一緒について行って、その知識を記憶していた。


(これは……本当に、役に立つ)


 ◆


 年老いたオークは――焚き火のつけ方を教えてくれた。


「ブモ……ブモモ……」


 年老いたオークが、ゆっくりと――石と石を擦り合わせる動作を見せる。

 火花が散って――枯れ草に、火が点いた。


「すごい……!」

 エリスが、感動した様子で見つめる。


「ブモモ……ブモ……」


 年老いたオークが、特別な樹皮を取り出した。


「雨の日は――この樹皮を使うんだって」


 エリスが――一つ一つ、丁寧に学んでいく。


 ◆


 子どものオークたちは――エリスと、毎日のように遊んだ。


「ブモ! ブモ!」

 子どもたちが、エリスの周りを――嬉しそうに走り回っている。


 エリスが――優しく、子どもたちの頭を撫でる。


「ブモモ……」

 小さなオークが、エリスに抱きついた。


 光を通じて――子どもの気持ちが、エリスに伝わる。


「ありがとう……私も、みんな大好きだよ」


 エリスが、嬉しそうに子どもを抱きしめた。


 ◆


 気づけば一ヶ月が経っていた。


 文哉とエリスは――すっかり、村の一員として過ごしていた。


 朝、オークたちと一緒に――村の仕事を手伝う。

 昼、若いオークたちと――森で食料を探す。

 夜、浴場でゆっくりと――一日の疲れを癒す。


 そんな日々が――当たり前になっていた。


 文哉は――この村での生活を、心地よく感じていた。


(ああ……このまま、ずっとここにいてもいいかもしれない)


 そんな風に――思うこともあった。

 だが――


 ◆


「フミヤ……」


 ある夜――エリスが、文哉に話しかけた。


「どうした?」


「私たち――もう、本当に出発しないと……」


 エリスが、少し寂しそうに言った。


「このままじゃ――ずっと、ここにいちゃいそうで……」


 文哉は――静かに、頷いた。


「……そうだね」


「セレスティア村――私の故郷に、行かないと」


 エリスが、真剣な表情で言った。


「私の力のこと――もっと知りたいから」


 文哉は――エリスの決意を、感じ取った。


「分かった――明日、出発しよう」


 ◆


 翌朝――

 村中のオークたちが――文哉とエリスを見送るために、集まっていた。


 村長オークが――大きな荷物を、エリスに手渡した。


「ブモモ……ブモ……」


 エリスが、光を通じて聞き取る。


「これは――保存食だって……」


 村長が、優しく頷いた。


「ブモ……ブモモモ……」


「私たちが教えた方法で、作ったって……」


 エリスが、荷物を受け取る。

 中には――たくさんの干し肉、干し野菜が詰まっていた。


「ありがとう……ございます……」


 エリスの目に――涙が浮かんでいた。


 母親オークが――エリスに、小さな袋を渡した。


「ブモモ……ブモ……」


「これは――薬草だって。怪我した時に使ってって……」

 若いオークが――エリスの肩に、手を置いた。


「ブモ……ブモモ……」


「教えた護身術――忘れないでって……」


 子どものオークたちが――エリスに抱きついてきた。


「ブモ……ブモモ……?」

「ブモモ……」


 エリスが、光を通じて――子どもたちの気持ちを感じ取る。


「行っちゃうの……? 寂しい……って」

 エリスが――子どもたちを、優しく抱きしめた。


「ありがとう……みんな……」


 エリスの涙が――ぽろぽろと、こぼれ落ちた。

 文哉も――この光景を見て、胸が熱くなった。


(ああ……この村の人たちは――本当に、優しい)


 村長オークが――エリスの隣、文哉がいるであろう場所を向いた。


 もちろん――村長には、文哉の姿は見えない。


「ブモモ……ブモ……」


 村長が、ゆっくりと頭を下げた。


 エリスが、光を通じて――村長の言葉を聞き取る。


「あなたたちのおかげで、この村は変わった……本当に、ありがとう……って」


 文哉は――その言葉に、深く感動した。


(こちらこそ……ありがとう)

 文哉が、心の中で――村長に語りかけた。


 村長がエリスに、オーク村の思い出の品として、

 オーク特製の"お花模様の髪留め"を差し出した。


「これを私に?」


「ブモ!」

 村長と村のオークたちが笑顔で頷く。


 エリスが――涙を拭いて、笑顔を作った。


「みんな――本当に、ありがとう」


「絶対、また戻ってくるから!」


「ブモ!」

「ブモモ!」


 オークたちが――嬉しそうに、声を上げた。


 ◆


 文哉とエリスは――村を後にした。

 振り返ると――オークたちが、手を振っていた。


「ブモモ――!」


 エリスが――何度も何度も、手を振り返した。


 文哉も――静かに、村を見つめていた。


(ありがとう……みんな)


 二人は――再び、旅を始めた。


 ◆


 翌日――

 オーク村に一人のハーピーが、降り立った。


 鮮やかなオレンジ色の髪を、高い位置でポニーテールに結んだ――若い女性。


 背中には――大きな翼が生えている。

 魔族軍第四軍団長――疾風の"シルフィア"だった。


「ふう……やっと着いた」


 シルフィアが、村を見渡す。


 だが――


「……あれ?」


 シルフィアは、目を疑った。

(おかしい……この村、すごく……発展してる?)


 シルフィアが知っている、オーク村の姿とは――まるで違っていた。


 きれいに整理された倉庫。

 村の中心に流れる、澄んだ水。

 立派な浴場。


 そして――オークたちの、明るい表情。


(何があったんだ……?)


 シルフィアは――村長オークの元へ、向かった。


「村長! 久しぶり!」


 シルフィアが、明るく声をかけた。


「ブモ……!」


 村長オークが、驚いた様子で――シルフィアを迎えた。


「よくぞ来てくださいました。シルフィア殿ブモ……」


「いやー、久しぶりに来てみたら――村、すっごく変わってるじゃん!」


 シルフィアが、目を輝かせて言った。


「何があったの? 教えてよ!」


 村長オークが――嬉しそうに、語り始めた。

「実は、少し前に――エリスという者が来たブモ……」


「エリス?」


「人族の少女ブモ……」


 その瞬間――

 シルフィアの表情が、変わった。


「人族!?」


 シルフィアの声が――怒りに染まった。

 翼が、ばっと広がる。


「人族が来たって――大丈夫だったの!? 襲われなかった!?」


 シルフィアが、村長の肩を掴んだ。


「落ち着くブモ、シルフィア殿……」


 村長が、慌てて手を振る。


「エリスは、いい人だったブモ……」


「いい人……? 人族が?」


 シルフィアが、疑わしそうに眉をひそめた。


「エリスは、この村を――暮らしやすいようにしてくれたブモ……」


 村長が、ゆっくりと説明し始めた。


「倉庫の整理、保存食の作り方、水路の修繕――全部、エリスが教えてくれたブモ」


「浴場も――エリスが作ってくれたブモ」


 シルフィアは――信じられない、という表情で村長を見つめた。


「本当に……人族が?」


「本当ブモ……」


 村長が、真剣な表情で頷いた。


 シルフィアは――少し、考え込んだ。


(人族が……魔族の村を、助けた……?)

(そんなこと……ありえるのか?)


「……その、エリスって子の特徴――教えてくれる?」


 シルフィアが、真剣な表情で尋ねた。


「髪の色は、桃色ブモ……」


 村長が、思い出しながら語る。


「肩くらいの長さで、少し癖毛で

 二つ結びをしているブモ……」


「小柄で、可愛らしい顔立ちブモ……」


 シルフィアが、頷きながら聞いている。


「能力は……どんな感じだった?」


「不思議な力を使っていたブモ……」


 村長が、続けた。


「光の力……その力で、私たちと会話ができたブモ」


「光の力……?」


「人族なのに、魔族とも会話ができる――不思議な子だったブモ」


 シルフィアの目が――少し、鋭くなった。


「他には?」


「物を浮かせる能力もあったブモ……」


 村長が、思い出しながら言った。


「ナイフを宙に浮かせて――肉を切ったりしていたブモ……」


(物を浮かせる……?)


 シルフィアは、さらに興味を持った。


「それから――」


 村長が、少し困ったような表情で続けた。


「これは、関係ないかもしれないブモが……」


「何?」


「エリスは、見えない誰かと――話しているような、変わった子だったブモ……」


 村長が、不思議そうに言った。


「誰もいない空間に向かって――ずっと、話しかけていたブモ……」


 その瞬間――


 シルフィアの目が――大きく見開かれた。


「……ほぉ」


 シルフィアの口元が――ゆっくりと、笑みの形になった。


(見えない誰かと、話している……)

(物を浮かせる能力……)

(光の力で、魔族と会話……)


 シルフィアは――村長を見つめた。


「その子――今、どこにいるの?」


「昨日、村を出て行ったブモ……」


 村長が、少し寂しそうに答えた。


「セレスティア村に向かうと言っていたブモ……」


「セレスティア村……」


 シルフィアの目が――好奇心に輝いた。


(これは――追いかける価値が、ありそうだ)


 シルフィアは――翼を広げた。


「村長――ありがとう。すっごく、参考になった」


「シルフィア殿、どこへ……?」


「ちょっと――気になることができたんだ」


 シルフィアが、にっこりと笑った。

「じゃあね――また来るよ!」


 そう言って――シルフィアは、空へと舞い上がった。


(名をエリスと呼ぶ――人族か)


 シルフィアは――セレスティア村の方角へ、飛び始めた。


 風を切って――シルフィアは、飛んでいく。


 オレンジ色の髪が――風になびいていた。



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【名前:中田文哉 / 種族:ゴースト / 年齢:28歳(死亡)】

【スキル:鑑定 / ポルターガイスト(中) / レベル:2】

【ステータス:HP??? / 攻撃力??? / 防御力???】

【特性:物理無効 / 視認不可 / 壁抜け / 浮遊】


【名前:エリス・ラ・ヴァランティエール / 種族:人族 / 年齢:16歳】

【特殊能力:生者と死者の境界視認 / 霊体との意思疎通 / 霊体使役(小)/ レベル:5】

【ステータス:HP115 / 攻撃力+6 / 魔力??? / 精神力:大】

【装備:短剣(攻撃力+2)/ オークの村からの贈り物(お守り)】


【名前:シルフィア / 種族:ハーピー / 年齢:不明】

【役職:魔族軍第四軍団長】

【特性:飛行能力 / 風魔法 / 物理戦闘特化】

新たな登場人物シルフィアが出てきました!

明日も更新予定です。

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