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【 悲報 】異世界転生して即死した俺、種族ゴーストで再転生!? ~唯一、俺を認識する少女と始まる異世界逆転生活~  作者: おでこ
第2章:安住の地は魔族領!? ゴーストの新生活

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第19話「ゴースト俺、オークの村に潜入」


翌日。

二人は、再び旅を続けた。


 森の中を進むこと数時間――エリスの足取りが、徐々に重くなっていった。


「はあ……はあ……」

 エリスの息が、荒くなっている。


「エリス、大丈夫?」

 文哉が、心配そうに尋ねた。


「う、うん……大丈夫……」

 エリスが、強がるように言った。けれど――その顔色は、明らかに悪かった。


(慣れない森歩きで……疲労が溜まってるんだ)


 文哉は、エリスを休ませようと――適当な場所を探した。


 その時――前方の木々の隙間から、何かが見えた。


「あれは……村?」

 文哉が、目を凝らした。


 確かに――木造の建物が、いくつか見える。煙突からは、煙が上がっていた。


「村だ! エリス、村があるよ!」

「本当……?」

 エリスが、顔を上げた。


「ああ。あそこで休めるかもしれない」

 文哉が、嬉しそうに言った。


 エリスの表情が、パッと明るくなった。


「良かった……休める……」


 二人は、村へと向かった。けれど――近づくにつれて、文哉は違和感を覚えた。


(人の気配が……ない?)


 文哉が、『鑑定』で村を調べる。その瞬間――文哉の顔が、青ざめた。


【種族:オーク / レベル:10~12】

【数:約20体 / 村に定住】


「待って、エリス! あの村は――」

 文哉が、叫んだ。


 けれど、時既に遅し。

 村の入り口から――巨大な影が現れた。


 それは、オークだった。身長二メートルを超える、筋骨隆々とした魔物。

 豚のような顔に、鋭い牙を剥き出している。


「ブモォォォ!!」


 オークが、咆哮を上げた。

 その声に呼応して――次々と、他のオークたちが姿を現した。


「う、うそ……!」

 エリスが、恐怖で震えた。


(この村……魔物に占拠されてる……!)


 文哉の脳裏に、記憶が蘇った。

 確か――葛城たちが討伐に行って、失敗した村があったはずだ。※汚名返上で依頼させられた村


(まさか、ここが……!)


「エリス、逃げるよ!」

 文哉が、叫んだ。


 けれど――エリスは、動かなかった。オークたちを――じっと見つめている。


「エリス!? 何してるの! 早く逃げないと――」

「待って、フミヤ」

 エリスが、文哉を制した。


「この子たち……光の色が、違う」

「光の色?」

「うん。他の魔物たちとは、違う色をしてる」

 エリスが、真剣な表情で言った。


「穏やかな色……怒ってない。怖がってるだけ」

「怖がってる……?」


 文哉は、改めてオークたちを観察した。確かに――攻撃してこない。ただ、警戒するように――こちらを見ているだけだった。


「話し合えば……分かってくれる気がする」

 エリスが、小さく言った。


「待って、エリス! 危険だよ!」

 文哉が、慌てて止めようとした。


 けれど――エリスの瞳には、強い意志が宿っていた。


「大丈夫。私……信じてる」

「エリス……」

「お願い、フミヤ。信じて」


 文哉は――エリスの目を見て、観念した。


「……分かった。でも、何かあったらすぐに逃げるんだよ」

「うん」


 エリスが、ゆっくりとオークたちに近づいていった。


 ◆


 オークたちは、エリスを――警戒した目で見つめている。


「ブモ……?」


 一体のオークが、エリスに向かって唸り声を上げた。けれど――攻撃はしてこなかった。


 エリスが、深呼吸をして――目を閉じた。


「光さんたち……この子たちと、お話しさせて……」


 エリスが、小さく呟いた。その瞬間――エリスの周囲に、淡い光が浮かび上がった。


 光が――オークたちへと伸びていく。そして――オークたちの体を、包み込んだ。


「!?」


 その光は、文哉にも見えた。


(これは……新しい能力……!?)


 エリスが――光を通じて、オークたちと繋がっていく。やがて――エリスが、目を開けた。


「……聞こえる。この子たちの、声が……」

 エリスが、静かに言った。


「ブモ……ブモモ……」


 オークが、何かを語りかけている。エリスは、じっとその声を聞いていた。


 数分後――エリスが、文哉の方を振り返った。


「フミヤ……この子たち、話してくれた」

「何て……?」


「この村は……元々、この子たちの村だったんだって」

 エリスが、静かに語り始めた。


「魔王から遠征の命令が来て……この子たちは、村を離れたの」

「そして、戻ってきたら――人間に村を奪われてたって」


 文哉の胸に、衝撃が走った。


「人間に……奪われた?」

「うん。だから、追い返しただけなんだって」

「誰も……殺してないって、言ってる」


 エリスの声が、悲しげに揺れた。


「でも……勇者が襲ってきたんだって。何もしてないのに」

「この子たち……すごく怒ってる。悲しんでる」


 文哉は――言葉を失った。


(葛城たちは……一方的に、オークを悪者だと思い込んで……)

(何も知らずに、攻撃したのか……)


「あの勇者たちは……もう、追放されたよ」

 エリスが、オークたちに向かって言った。


「もう、襲ってくることはない。約束する」


 オークたちが――驚いたように、顔を見合わせた。


「ブモ……?」

「本当だよ。私の知り合いも……あの勇者たちに、ひどいことをされたから」

 エリスの声が、震えた。


「だから……分かるの。理不尽に傷つけられる気持ち」


 オークたちの目が――わずかに、和らいだ。


「ブモモ……」


「今日はもう日が暮れるから泊まっていけって……言ってくれてる」


 エリスが、微笑んだ。

「ありがとう……」


 オークたちが――ゆっくりと、道を開けた。村の中へ――招き入れるように。


 文哉は――その光景を見て、胸が熱くなった。


(魔物だって……心がある)

(話せば……分かり合える)


 エリスが、文哉を振り返った。


「行こう、フミヤ」

「……ああ」


 二人は――オークたちの村へと、足を踏み入れた。


 新しい出会いが――ここから、始まろうとしていた。



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【エリスの新能力】

光を通じた意思疎通:霊体だけでなく、生きている魔物とも対話が可能

※ただし、相手が心を開いている場合のみ有効


【オークの村の真実】

- 元々オークの村だった

- 魔王の遠征命令で村を離れた

- 戻ったら人間に占拠されていた

- 追い返しただけで、誰も殺していない

- 勇者に一方的に襲われたことに憤慨


【エリスの状態】

疲労:大(休息が必要)

精神状態:新しい能力に驚きつつも、前向き


心優しき魔物がいてびっくり!魔物とはさせるエリスにもびっくり!

本当に魔物の住む村に滞在して平気なのか?次回もお楽しみに!


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