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けもまま  作者: 苺いちえ
のんびり異世界ライフ
7/22

ぱいぱいちゃん

 ぱいぱいちゃんがどうしても俺と過ごしたいと言うものだから、ぱいぱいちゃんの家に泊まることになった。

 街のはずれにある高そうなマンション。

 そこがぱいぱいちゃんのお家だ。


「ぱいぱいちゃんはお金持ちなんだね」


 1ヶ月くらい旅行をしていたし、けもままよりも豊かな暮らしをしていると思った。


「ここはおじさまが昔住んでいた家を再利用したものなんですよ〜〜わたくしはおじさまが大好きで、おじさまの残り香があるこのマンションに住むことにしたんですの〜〜」


 おっさんが住んでいた家なのか。そういえばおっさんがどこで暮らしているのかも謎だ。けもままたちよりもずっと良い暮らしをしているのかもしれない。

 立派な外見とは裏腹に、中は廃墟のようだった。

 ところどころコンクリートにヒビが入っている。


「ここがわたくしの家ですわ〜〜」


 パイパイちゃんの部屋の周りは綺麗に掃除されていた。ぱいぱいちゃんが掃除したのだろう。

 扉を開けると畳の敷かれた和室が広がっていた。

 この世界では靴というものがない。けもままたちは基本的裸足で歩いているのだ。だから、和室はとても珍しい。俺は靴を脱いで部屋に上がった。

 俺が畳の上に座るとぱいぱいちゃんがくんくんと鼻を近づけて匂いを嗅いでいる。地球ではおっさんの臭いはくさいとかキモいと言われていたので心配だ。モンスター退治で汗もかいていたし。


「生き返りますわ〜〜おじさまの匂いは最高ですの〜〜」


 ぱいぱいちゃんは俺のTシャツを顔にくっつけてうっとりとしている。女の子は好きな異性の匂いも好きみたいな知識が地球の漫画であったけれど、そういうやつなのかもしれない。


「ジャムでベトベトだよ」


 俺がそう答えると、ぱいぱいちゃんは俺の服を脱がせた。


「洗濯しませんとね〜〜家事は得意なので任せてください〜〜おじさまたちの洋服を洗濯するお仕事もしていたのですわ〜〜」


 俺の服を水の入ったタライの中に入れると石鹸で手洗いし始めた。


「わ、悪いよっ!」


 とても家庭的な女の子、それがぱいぱいちゃんなのかもしれない。


「悪く無いですよ〜そうです〜〜体の汚れも落とさないといけませんわね〜〜」


 俺はぱいぱいちゃんに無理やり全裸にさせられた。ものすごく力が強いので抵抗できないのだ。まさしく赤ちゃんとお母さんみたいな力関係。抵抗も虚しく、下半身を手で隠すのが精一杯だった。

 そういえば、けもままやぱいぱいちゃんはどうやってお風呂にはいっているのだろう。服を脱いだところをたったの一度もみたことがなかった。

 やばい、変な想像をしてしまう。


「さぁ〜ママとお風呂にはいりまちょうね〜〜」


 ぱいぱいちゃんはおっさんを子守する時みたいに俺をお風呂の中に入れた。

 どういう仕組みなのかわからないがほどよく温かくて清潔な水のお風呂がすでに準備されている。

 けもままの家もそうだ。電気、ガス、水道無料。

 お風呂は自動で程よい温度。


 ぱいぱいちゃんは黄色いワンピースを脱いだ。ぱいぱいちゃんの裸を見ないように目を閉じる。

 股間の上へとまたがるようにぱいぱいちゃんがお風呂の中へと入ってくるのが暗闇でもわかった。直ぐ前に柔らかなおっぱいの感触と、突起の硬さが伝わってくる。

 いかんて、これはっ!!


「も、もういいよっ! 俺は出るから!」

 目を閉じていたので浴槽を掴むつもりがぱいぱいちゃんのおっぱいを鷲掴みにしていた。


「ひゃんっ〜〜激しいですわ〜〜〜っっ!!!!」


 何か生暖かいものが、どぴゅっと俺の顔にかかった。ほんのりと甘くてミルクみたいな味がする。

 目を閉じているために真っ暗なのでなんなのかはわからないが。慌てて浴槽のお湯で顔を洗うと、そのままお風呂から出てしまった。


 これ以上はいけない雰囲気になってしまう。バスタオルで体を拭いてから、自分が裸であることに改めて気がついた。代わりの洋服もない。

 仕方がないので、タオルで腰を巻いて下半身を隠すことにした。

 しばらくすると何事もなかったかのようにぱいぱいちゃんが出て来て、新しい黄色いワンピースを着ていた。


「おじさまって大胆ですわね〜〜あんなことをされたのは生まれて初めてですわ〜〜〜なんだか不思議な気分です〜〜」


「ぱいぱいちゃん、この世界には若い男の子とかいないの?」


「若い男の子? それは一体なんですの?」


「うーん、俺と違って、こう、小さくてかわいいおじさん?」


「小さいおじさまも可愛くて好きですわ〜〜」


 うーん、やっぱりこの世界には男の子はいないみたいだった。なんだか話が食い違っている気がする。


「ぱいぱいちゃんは好きな人とかいないの?」


「好きな人は〜けもままちゃんとおじさまです〜〜」


 この世界はそういうものなのか。


「子どもっていうかさ、新しい獣人はどうやって増えてるの? その、夫婦とかになるんじゃないの?」


「子どもも夫婦もよくわかりませんわ〜〜スズキさんはいろんなことを知っていますのね〜」


 なんにも分からずじまいか。


「夫婦っていうのは、ずっと一緒に暮らすパートナーのことかな。子どもは一緒に暮らしていたらできるかもしれないもののこと」


「なるほど〜〜わたくしはけもままさんやおじさまと夫婦になりたいですわ〜〜〜」


 そうなのか。なら、いっそのこといつかそうなるのもいいのかもしれない。何年かして、それでもぱいぱいちゃんの気持ちが変わらなければ。

 

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