表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
<連載版>悪役令嬢が睨んでくるので、理由を聞いてみた  作者: ちくわ食べます


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

8/12

8話 姉妹会議その2

「でもさ、その眼鏡って本当にセリスに似合ってるよ。トリスタン君がセリスをちゃ〜んと『見て』選んでくれた証拠だよ」

「そ、そんなこと! うっ…………そ、そう…………かな……」


 今のアイリスの顔は、トリスタンとの出会いを話した時と同じニヤニヤ顔をしている。

 

「そうに決まってるじゃん! 自信持ちなよ!」


 自信持てって言われても……。

 トリスタンとの関係は、あれから何も変わっていない。私はただのクラスメートであり、たまたま隣の席になっただけの人だ。

 

 こんな状態でどうやって自信を持てばいいのだろう。

 

 アイリスは彼が私を見てくれているというけれど、本当にそうなのか?

 

 私がトリスタンを見てきて感じたのはその逆で……トリスタンは誰にでも優しいだけなんじゃないかと思った。

 

 そう、彼は誰にでも優しいのだ。

 それが彼のいいところなのだが、私にだけ優しかったわけじゃないと思うと寂しくもある。

 

「で…………彼とはどうなの。その後、進展した?」

「…………ぜんぜんしてない」

「信じられない……本当に??」


 正直に話しているというのに、そんな疑うような目で見られると心外だ。

 

「この目を見て、私が嘘をついてるように見える?」

「うっ……見えない、ね。 ごめん……」

 

 私だって、もっとトリスタンと話がしたい。

 できないから苦しんでいるのだから……そこは察して欲しいところだ。

 

 トリスタンと話すきっかけがあれば……話しができるとは思うのだけど。

 

「ねえ、セリス。私はお姉ちゃんなんだから、もっと頼っていいんだよ。セリスより人生経験だってあるんだし、力になれると思うよ?」

「…………アイリス」


 アイリスの言葉でハッとした。

 そうか……気が付かなかっただけで、私にも味方がいたのだ。


「ほらほら、『お姉ちゃん、お願い~』って可愛く言ってごらんよ」


 どうやら私の勘違いだったみたいだ。


「じゃあ話は終わりってことで。さあ、出てってくれる?」

「じょ、冗談ですって! え、セリスちゃん? そんなにグイグイ引っ張らないで……痛いっ、痛いです! もう調子にのりませんから。お願いですから許して……」


 涙目で謝るアイリスに免じて今回は解放してあげることにしたが、ひとつだけ言っておく事がある。


「次やったら、本当に追い出すからね」

「はい、すみませんでした」


 アイリスの平謝りする姿がなんとも情けない。

 この人、王太子の婚約者なんだよね?

 

「じゃあ……ちょっと聞きたいんだけど」

「うわぁ~、セリスが私に質問なんて……。明日は雪が降るのかも。いや、嵐が起こる前触れ……? まさか王国の危機!?」

「そう。やっぱり出て行きたいんだね」

「ちょっと待って……ね? 軽いジョークですって。い、いやだなあ~セリスちゃんったら。おほほ」


 アイリスとこうやって話すのも久しぶりだから、彼女がお調子者だったことを忘れていた私にも問題があったのかもしれない。


 お調子者のアイリスはというと……胸を張って頼れる姉アピール(?)をしているが、逆に頼りない雰囲気を漂よわせている。


 ……なんて残念な姉なんだ。

 

 でも、この事情を知っているのはアイリスしかいない。

 諦めて話を続けることにした。

 

「じ……実はね…………」

「うんうん」


 いざ相談しようとすると恥ずかしい。

 顔が……熱い。

 

「ある男の人にお礼をしたいんだけど。ど……どうしたらいい?」


 アイリスは婚約者もいることだから、こういう相談はきっと得意だろう。

 

「それって、もしかしなくてもトリスタン君だよね?」

「っ…………そ、そうだけど。悪い?」

「ううん、悪くない! むしろ良い! そういうことなら、お姉ちゃん張り切って協力しちゃうよ」


 なぜかアイリスが私の手を強く握ってくる。

 そして……鼻息荒く興奮して迫ってくる。

 

「そんなに張り切らなくていい……けど」


 若干引き気味で答えたが、私の話なんて聞こえてないみたいで、アイリスは目をランランと輝かせている。

 

「あの、それでお礼は……どうしたらいいと思う?」

「思い切って家に招待してみるってのはどう? 盛大におもてなししてみようか?」

「家に……トリスタンを……?」

 

 なるほど、エリシュオン侯爵邸に彼を招いてのおもてなし。

 それならばお礼になるかもしれない。


 ん……待って。

 皆で食事なんかしたら、両親がトリスタンに色々質問するに違いない。

 

『娘のどこが気に入ったのかな?』

『それで籍をいれる予定はいつかしら?』


 ダメだ。

 とんでもない質問をする未来しか見えない。

 

 暴走する両親を止めるだけで疲れてしまうだろう。アイリスも両親に便乗しておかしなことを言いそうだ。

 

 そんな事になったら……食事どころじゃない。


 じゃあ、私の部屋でもてなすっていうのはどうだろう?


 

 トリスタンと2人で……私の部屋で……。


『セリスさん。本日はお招き頂き、ありがとう』

『いえ、ほんのお礼ですの……』

『セリスさん、あなたはとても美しい。僕の婚約者になってください』

『光栄です。とても、嬉しいですわ。トリスタン……』


 そしてそのまま2人は唇を重ねて…………ベッドにもつれ込んで……。

 

「っはぁ! 無理っ……ムリぃぃ!!」

「ど、どうしたの? 落ち着いて」

「私には、ちょっと刺激が強すぎるかも……まだ心の準備が……」

 

 家に招くとか言うから……とんでもない妄想をしてしまった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ