お日様が昇ったら
フォトエッセイを書き始めて、写真を整理したら出てきた一枚です。
冬の気配が近づいて、吹きすさぶ風が頬に触れるたびに涙がにじむ。
凪の海もさざ波を、そばだたせていた。
旅先で朝陽を撮ろうと準備していたとき、出会った二人組の女性。
よく、出逢った人達の写真を撮ってあげる代わりに、後ろ姿を撮らせてもらっていました。
当時していたブログに載せるためで、もちろん了承はいただいています。
朝から元気いっぱいの二人。
何枚かカメラで撮ったものを、後で送って差し上げたはずです……たしか。
やがて、その二人の取った行動に驚くことになります。
お日様が陽射しを運ぶと、彼女達は、こう言いました。
「お日様ってあったかいんやなぁ」
「感謝せなぁ」
と、
そのまま、お陽様に手を合わせたのです。
ハッとしました。
当たり前にある暖かさを、ちゃんと受け取って感謝すること。
あの朝、二人のまっすぐで、きれいな感性に、私も静かに頭を下げたのを思い出しました。
拙文、お読み下さりありがとうございます。
*写真は作者が撮影したものです。
*二人が手を合わせてる写真はもちろんあるのですが、顔出しになってしまうため、投稿しませんでした。