第三章71 【10月31日/初等部4年生活動中】6/ムーン・クレイドルの逆存(ぎゃくそん)と魔神
【内田 愛幸】は、【月の揺りかご/ムーン・クレイドル】と言う場所に【神魔】と成り代わるための【戦力】を隠し持っている。
【内田 愛幸】とは元々、【神魔】となった元人間の【血と汗と涙】で出来た、【人間モドキ】である。
【人間】では無いが人間に近い存在でもある彼は、人になる事を望んでいる。
だが、現在の立場では、【神魔】の【傀儡子】/意のままに動く操り人形に過ぎない。
彼はそれが不満なのである。
彼は1人の人間として【神魔】からの解放を望んでいる。
だから、【神魔】にはばれない様に、自分だけの兵力を集めようとしている。
その危険思想が【神魔】にとって【神魔】の座を脅かす【4つ目】/【内田 愛幸】の危険思想として認識されていた。
今までの【内田 愛幸】は、【都立夢異世界部活学校】のライバルとも言える【何出妄屋】との取引を行っていた。
前にも説明したが、【夢異世界部活学校】は基本的に20年間の【部活動】を活動した事により、その功績を評価して、【句点で区切られるどんな願いも叶える事が出来る】と言う事になっている。
それに対して、【何出妄屋】は、【何出妄売店】と言う【支店】を訪れた【顧客】に対して、【人生】の【寿命】や【リスク】、【他の大切な物】、【人間関係】、など対価になる物事を【担保】にして、【願いを叶えるアイテム/【神力具】】と言う物を作って売る【商売人】達となる。
【願いを叶えるアイテム】を作り出すにはその【願い】に応じて、【担保】となる物の量や質もそれに応じて必要となり、【願い】を叶えるために手に入れるはずの物やすでに持って居る【他の物事】を捨てる覚悟のある【者】の望みが成就されるというシステムとなっている。
それを【夢異世界部活学校】と同時経営しようと企んでいるのが【内田 愛幸】だった。
【夢異世界部活学校】にあぶれた者が安易に【何出妄屋】の【アイテム/神力具】に手を出し破滅すると言う図式が成立しており、【神力具】は、その者の願いを叶えるために他の者を巻き込んで強制力を持って実行する。
それを作っている工場が、【月の揺りかご/ムーン・クレイドル】であり、夢破れた犠牲者達の無念の思いを糧に、【異形】がそこで育てられており、それを戦力として、【神魔】に勝負を挑もうと企てていた。
それは、決して、【神魔】には知られてはならない【内田 愛幸】の秘密である。
それを隠す様に、【内田 愛幸】は幼女好きの変人を装う。
本心を隠して。
では【ムーン・クレイドル】に居る【異形】とは何なのか?
それを、少し語ろう。
そこには、【赤子】が眠っている。
【クレイドル/揺りかご】とは【赤子】が眠るためのものである。
そして、その【赤子】は、老人の姿をしている。
【老人】から【初老】、【初老】から【成人】、【成人】から【少年】、【少年】から【幼児】、【幼児】から【赤子】と言う様に逆に成長する存在となる。
この【赤子】は、【逆存】と呼ばれる【反人間】である。
【反物質】と言う言葉をご存じだろうか?
それは、ある物質と比して質量とスピンが全く同じで、構成する素粒子の電荷などが全く逆の性質を持つ反粒子によって組成される物質であり、全ての物質を構成する粒子にその反粒子が存在し、それらが出会うと対消滅してしまうとされている。
それと同じ事が人間にも言えて、【反人間】と【人間】が出逢ってしまうと対消滅するとされている。
それを元に、【内田 愛幸】は、【神魔】の真逆の存在、【魔神】を作り出し、対消滅させようと計画しているのだった。
【神魔】が懸念している様に、【内田 愛幸】は危険思想を持っている。
人間の様に見えて彼は人間ではない。
人間の真似をしているだけの人間の紛い物である。
だから、こういう恐ろしい事を考えているのだった。
繰り返す。
彼は人間に見えても人間ではない。




