第三章54 【10月30日/初等部4年生活動中】26/【知零去神座位(しられざるしんざい)】との邂逅1
いつもの様にバイトをして、午前中であがった【芳一】は、帰宅中意識が飛んでいた。
立ちくらみなどではない。
薬物もやっていない。
【主人格】から、最強の人格、【神謎】に強制チェンジしたのだ。
その証拠に【リアライズ・イマジナリー・フレンド】の【美和】も、【美螺】に代わっている。
【神謎/芳一】は、
『この前のとは別の【謎】ってやつだな?何もんだ?お前?いやお前等なのか?』
と言った。
すると、
『さすがだね。我々は個にして全、全にして個の存在。
よって我々に数という概念は当てはまらない。
それを見抜いているのはさすがだよ。
まさに最強の人格、ご登場ってやつだな。で、何だと思う?』
と言う声がした。
【神謎/芳一】は、
『神・・・いや、違うのか?』
と答えに悩んでいると、
『神であっているよ。ただし、正確には、【神の地位】に居る存在だけどね。
神と同格であっても神とは呼べない。
なぜならば、我々を知る人間は1人も居ないのだから。
神は人に崇められて初めて【神】となる。
知られていなければ【神】であって【神】では無いとも言えるけどね。
【神】とは基本、何らかを司り、人に恩恵を与える存在。
人に知られていないものを司る場合は人に認知はされない。
人は愚かだ。
自分達の知っている事しか信じられない。
だが、人間ごときが知っているのは全ての事柄のほんの僅かに過ぎない。
人間の知らない事の方が多いのさ。
よって、知らない事を司っている我々は君達は本来、認識出来ない。
存在を確認出来ないんだよ。
【神の謎】を力とする君以外にはね。
知っているかい?人に認知されている【神】の数よりも、我々、人に認知されていない神と同格の存在、【知零去神座位】の方が圧倒的に多いんだ。
どうやら、君は異世界から転生した人間の様だ。
だから、我々の事が少し知ることが出来る。
認知する事が出来る。
そんな訳で、ちょっと君に質問があってね。
あれは何か?と聞きたくてね。
我々より高度な【謎】は、今まで3つほど、存在していた。
だが、君達の知識を糧に4つ目が現れた。
しかも、我々よりも上の3つをも遙かに超える勢いが感じられる。
一体、何をしたんだ?
何が狙いだ?
あれは人の手に余るどころか人の手に絶対に触れてはならないものだと感じる。
それほどのものだ』
と言ってきた。
『さぁな。知らねぇよ。余だって戸惑ってるさ、あれ(曖昧な謎の事)はな。
余の力でも測りきれない何かになろうとしているってのは言われなくても感じてるさ。
だが、どっかのお節介(ミステリー・テラーの事)が、一応蓋をしてくれたんでな。
今は静観しているってとこだ』
『そうか。だが、覚悟はしていてもらおうか。
場合によっては我々も動くと言うことを。
君達俗世の事には基本的にノータッチで居るのが我々の真意だったが、あれが関わってくるのであれば、そうも行かない可能性がある。
あれはこの世界にあってはならぬもの。
それだけは努々忘れないでもらいたいものだな』
『帰るのか?あんたの名前だけでも名乗って行くつもりはないのか?』
『名前か・・・まぁ、便宜的なものだが一応、名乗っておこうか・・・
そうだな、【神座位】とでも名乗っておこうか?
もちろん、我々以外の【神座位】も居るから我々を指した言葉にはならない。
それで、我々を特定した事にはならない。
存在を特定されない事。
それが我々の存在意義だからな』
『ふぅ~ん。じゃあ【神座位さん】、今度は物騒な登場はやめてもらえるかな?
あわよくば余を消すつもりで来たろ、あんた?』
『そう、解るかい?我々は面倒事はごめんなんでね。
面倒な事が起きる前に君を消したら何とかなるかも知れないと思ってちょっと認識できない様に殺気を込めていたんだが、知られてたか。
それは失敬』
『心にもない言葉を・・・』
『まぁ、良いさ。君の国の言葉でもあるのだろう?
【出る杭は打たれる】ってね。
あんまり目立たない事だ。
我々は常につかず離れずで見ている・・・』
『あっそ、・・・ってか、もう居ないか。
おぉ怖い怖い・・・』
と言う事になっていた。




