第三章19 【10月29日/初等部4年生活動中】19/【男臭(だんしゅう)】と【女香(にょか)】のルールと珍客
【芳一】は、【桔梗】と【瑠璃】の待ち合わせ時間の前に、【能活】のブースで、【格闘ゲーム】をやる事にした。
お薦めは、【男臭】か【女香】らしいが、さてどっちにするかだ。
とりあえず、【プレイ時間】は5時間ある訳だし、大体、2時間半ずつプレイするかと言う事にした。
まずは、【男臭】だ。
これは【男臭い】と言う事を【テーマ】にした【格闘ゲーム】で主要8キャラ以外は、ゴリゴリの筋肉隆々のキャラクター達で占められている。
【主要8キャラクター】は、
(1)【かずき】/忍者の末裔
(2)【ゆうき】/古武術の拳法家
(3)【まこと】/ストリートギャング
(4)【りょう】/柔術家の道場破り
(5)【ゆづる】/カンフーの達人
(6)【みのり】/居合い術の師範
(7)【るか】/運の良い虐められっ子
(8)【みちる】/魅惑の奇術師
と言う男性名とも女性名ともとれる【キャラクター】で、全員【男装】した【女性キャラクター】となっている。
これらを駆使して、【最強】を名乗る【ライバルキャラクター】52キャラと戦うと言う【ゲーム】になっている。
通常の【格闘ゲーム】なら、隠れキャラとかボスキャラは、通常では使用できないと言う演出もあるのだが、ほとんどの【キャラクター】は、使用できるのが普通だが、この【男臭】では、【主要キャラ8キャラ】以外は【プレイヤーキャラ】として使えない事になっている。
そう言う意味では通常の【格闘ゲーム】より劣ると言っても良い点だが、同時に通常の【格闘ゲーム】には無い、【敵キャラ】が【自分のプレイヤーキャラクター】が使えない【能力】を使ってくると言う【特徴】を持たせる事が出来る。
そう言う意味では、珍しい視点を提供していると言っても良いだろう。
同じ様に、【女香】も男女が入れ替わるだけで同じ様な【設定】となっている。
【主要8キャラクター】は、
(1)【みずき】/人気ナンバー1のメイド?
(2)【たくみ】/コンカフェのプリンセス?
(3)【れん】/チャイナ服の美女?
(4)【なお】/セーラー服の美少女?
(5)【ゆうり】/ブレザーの美少女?
(6)【りおん】/麗しの巫女?
(7)【りずむ】/期待のフィギュアスケーター
(8)【しょう】/ロックバンドの女性ボーカル?
と言う男性名とも女性名ともとれる【キャラクター】で、全員【女装】した【男性キャラクター】となっている。
これらを駆使して、【絶世の美女】を名乗る【ライバルキャラクター】52キャラと戦うと言う【ゲーム】になっている。
この【女香】でも、【主要キャラ8キャラ】以外は【プレイヤーキャラ】として使えない事になっている。
要は、【男性キャラクター】を使って【女性キャラクター】と戦うか?(女香)
【女性キャラクター】を使って【男性キャラクター】と戦うか?(男臭)
の違いである。
どちらも【男性キャラクター】VS【女性キャラクター】と言う図式を強化していると言っても良いだろう。
どちらも、対【CP戦】がマストとなっていて、【プレイヤー】同士の戦いは出来なくなっている。
それを不服としている客が、何やらわめいていた。
【芳一】が、【ゲーム制作部】の【部員】として、
「あの、どうかしましたか?」
と尋ねてみるとその【客】は、
「どうしたもこうしたもないぞ、これっ
俺は、【女の子】同士のキャットファイトを期待したんだ。
なのに、出来ないじゃねぇか、これっ」
と理不尽な文句を言っていた。
【悪質クレーマー】か?と思っていたら、その【客】は、
「あんた、ひょっとしてクソガキ、いや、【唯野 芳一】か?」
と言って来た。
【仮装】しているのにいきなり本名を言われたので、【芳一】はドキッとなる。
【客】も当然、仮装しているので、誰だか解らない。
その【客】は、
「俺だよ俺っ。
【宮塚 龍馬】だ。
お前が【ゲーム制作部初等部4年】に居るって聞いて、あの時のリベンジをしに来たぜ。
あの時はよくも俺のレディー達の前で恥をかかせてくれたな。
今度は俺がお前に恥をかかせてやるよ」
と言った。
どうやら、【オペラ座の怪人】の【ファントム】を思わせる様な容貌なので解らなかったが【13作の夢想するための架空の伝説の図鑑/画集】を2人で作っていた事から、【武器】を化身として顕現させる【3体目の怨魔体】に【恋人同士】として契約している【5周目】の【選ばれし者】で男性の方の【宮塚 龍馬】の様だ。
彼は確か日本に来たばかりで、【マシンカップ・メカリンピック部中等部2年生】の【部長】として、【創部活動】に忙しいはずで、【ハロウィン文化祭】に来ている余裕はないはずなのだが。
【芳一】は、
「何しに来たんですか?確か忙しいはずでしょ?」
と言った。
ちなみに、こういう話し方をしているが【芳一】の方が10歳近く年上である。
【龍馬】は、
「何、聞いてたんだ。あんたにリベンジしに来たって言ったろ?
【部】はちょっと抜けてきた」
と答えた。
【芳一】は、
「抜けてきたって・・・」
と絶句した。
【龍馬】は、
「丁度良い。ここで合ったが100年目って奴だ。
俺と勝負しろっ。買ったら、お前の元にいるレディー達と引き合わせろ」
と言った。
相変わらず、自分勝手に話を進める男である。
同じマンションに住んでいるのだから、そっちで来れば良いのにと思うのだった。
こうして、【芳一】は、【悪質クレーマー】改め、【龍馬】と【ゲーム勝負】をする事になったのだった。