第三章18 【10月29日/初等部4年生活動中】18/ハロウィン文化祭に忍び寄る影
【ゲーム制作部】の【ハロウィン文化祭】が始まった時、1人の男が行動を開始した。
【イリーガル・イグジスト/存在する非合法】となる【無冠の才覚者】の1人、12の【特別な絡繰り時計/永遠時計】を作る【絡繰り時計職人】で【コードネーム】/【マエストロ(大巨匠)】と呼ばれた紳士である。
【古希の男性】である彼は、自分は老い先短いと思っていて、死にたくないと言う思いからある噂を信じている。
【ヴィンテージ・ボディー】の実用化についてだ。
【ヴィンテージ・ボディー】とは何か?
それを説明する前に、よく、【永遠の17歳】と言う言葉を聞いた事はないだろうか?
それは、いつまでも若く【17歳】の身体で居たいと言う人の気持ちから主張している言葉であり、著名人が何名か言っている言葉だと思う。
それは、いつまでも若く居たいと言う希望から出た言葉だと思うが、実際に、日単位で、生まれてから【何年何ヶ月何日目の肉体】を持てたとしたらどうなるか?
いつまでも若い肉体で居たい。
何年何ヶ月何日目の若い肉体を持っている女性を抱きたい。
いつまでも若い愛玩奴隷を持ちたい。
そう言う歪んだ発想から生まれたのが【ヴィンテージ・ボディー】と呼ばれる仮想技術であり、それを元にして生まれた技術が、同名の【ヴィンテージ・ボディー】である。
【ヴィンテージ】の元ネタはいつぶどうが収穫されたかが明確になっているワインのことを指す【ヴィンテージ・ワイン】から来ている。
そして、答えを先に言えば、それは、【実現化】されている。
それは、実用化不可能である技術だと長年思われてきていた。
だが、【新しい身体】と取り替える事により、いつでも好きな年齢の肉体になる事が出来ると言う魔術と科学を融合させた全く新らしい技術が作り出された。
それを考え出したのが、【7周目】の【選ばれし者】/【6体目の御神体】と【6体目の怨魔体】の契約者1名、【河池 祈清】である。
彼女がその超特殊技術で、3つの特殊な【存在】を作り出している。
【3つ】であり、【3人】でも【3名】でも無い。
【3つ】である。
それは、名前が変わると姿が変わる存在として生み出されたため、【人】とか【名】の数え方だとそれを上手く表現出来ないからである。
そして、それが【7周目】の【5体目の御神体】と【5体目の怨魔体】の契約者1名、【河池 祈清】の6重人格の内、【2つの人格】を移植した【何者】か?/日本人?【ロスト・ゴースト/失われた亡霊】/【虚幻の遊夢】などのキーワードがある何か。
同じく【7周目】の【6体目の御神体】と【6体目の怨魔体】の契約者1名、【河池 祈清】の6重人格の内、【2つの人格】を移植した【何者】か?/日本人?【奇想天外】では無く、【別の理で存在する何か?】【稀創天概】/【不可思議例嬢】(令嬢では無く、例嬢)【オンリー・コレクター唯一の収集家】などのキーワードがある何か。
同じく【7周目】の【7体目の御神体】と【7体目の怨魔体】の契約者1名、【5周目】の【銀髪の少女】の作り出した【超造人間】
の3つである。
この3つはいずれも、【名前】を変える事で、それに合わせて、いつでも【若い肉体】と【本体】を取り替える事が出来る【力】がある。
【祈清】がその様に作ったのだ。
数多くの失敗の中で偶然生み出された極めて奇跡的な成功例であり、彼女自身もこれ以上の成功例は作れない【ブラックボックス】の塊の様な技術である。
だが、これらの【成功例】は一般的には広まっていない。
あくまでもあり得ない【架空の技術】として伝わっている。
【マエストロ】はその【架空の技術】の【実在化】を野望として持っていた。
そのためには、まずは、【禁断体】と正式契約する。
そのためには、手段は選ばないと考えていた。
若さと若い肉体に取り憑かれた暴走老人が【ゲーム制作部】に忍び寄ろうとしていたのだった。