第三章13 【10月29日/初等部4年生活動中】13/【7周目】の【選ばれし者】1
【6周目】の【選ばれし者】は14名、ほぼ確定となっている。
では、【7周目】はどうなのだろうか?
【7周目】も全員確定では無いが、一部は決まっている。
その内の1人が、【日本人?】である【河池 祈清】と言う17歳の少女である。
彼女は訳ありまくりの女性であり、またしても【芳一】と関係があるのである。
と言っても直接にではない。
間接的に関わりがあり、一方的に彼女が【芳一】の事を知っているのである。
では、どういった関係があるのか?
それを少し解説しよう。
【芳一】と関係あるのは、彼女では無く、彼女の【母親】がである。
彼女の【母親】の名前は、【河池 妃鞘】享年21歳であり、彼女が物心つく前に故人となっている。
【父親】の名前は非公開。
彼女は【父親】を知らないのだった。
そして、【彼女】は、【デザイナー・ベビー】として生を受けている。
唯一の肉親だった【母】が亡くなった事により彼女はとある研究所にモルモットの様な扱いを受ける実験体として連れて行かれている。
【デザイナー・ベビー】とは、受精卵に遺伝子操作を行うことで病気への耐性や、親が望む外見・体力・知力などを付与した子供の総称で親が子供の特徴をまるでデザインする事からこの名前がついている。
彼女もまた、【ワンエイス】であり、【デザイナー・ベビー】である事から虐待に近い、実験体の様な人生が待っていた。
研究所の研究者達から、【キメラ】と呼ばれて蔑まれていたのも記憶に新しかった。
そのため、彼女もまた、【解離性同一性障害/多重人格障害】となり、同じ悩みを持っていた【金髪の少女】や【銀髪の少女】のために、【人格を移せるアンドロイド】を作って提供したり、【人造人間】や【超造人間】の開発のサポートをしたりしている。
彼女は、IQ240超の超天才であり、自らの【6重人格】を実験体として他の【器】に移す技術を発明している。
【祈清】は、【金髪の少女】と【銀髪の少女】に協力している内に、【母の故郷】である、【日本】に【母】の【初恋】の相手だった【唯野 芳一】が居ることを知る。
誰も助けてくれなかった【日本】に対して大して興味は無かったが、【母】が思い出として【日記】に記していた【芳一】の事だけは気になっていた。
【母】が結婚したいと思っていた淡い思い出の相手、【芳一】と逢いたいと言う気持ちが強くなり、彼女は、【7周目】の【選ばれし者】としてエントリーしたのだった。
ちなみに、【芳一】は付き合う事は無かったが、【芳一】の初恋の相手は、【河池 妃鞘】である。
つまり、両思いだったと言う事になるが、当時、小学1年生だったため、恋愛観が未熟であり、付き合うと言う事は無かったが、昔はよく、双子の兄、【徳太】は行かずに、【芳一】だけで、【妃鞘】の家に、【アニメ】を見に言っていたと言う思い出がある。
【妃鞘】の【日記】には、【芳一】との思い出がびっしりと書かれていて、それを【母の大切な思い出】として、【河池 祈清】は、心の支えとしていた。
だから、【芳一】にだけは逢いたかったし、【金髪の少女】や【銀髪の少女】も意識していると言うのを知っていた。
なので余計逢いたい気持ちが強まっていたのだった。
彼女の【主人格】は喜怒哀楽の表現が乏しいが、それでも、彼女なりにわくわくしていたのだった。
ちなみに彼女は、【7周目】の【1体目の御神体】と【1体目の怨魔体】の契約者となる。