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都立夢異世界部活学校(とりつゆめいせかいぶかつがっこう)/第3章  作者: 羽絶 与鎮果(うだち よしずか)
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第三章12 【10月29日/初等部4年生活動中】12/【6周目】の【選ばれし者】3

 意外かも知れないが、【芳一】はよく【入浴】する。

 一日最低、2回は風呂に入るのだ。

 それは、風呂に入る事で思考を一旦、リセットさせて、考えをまとめるためだ。

 風呂に入ると頭と身体を洗い、毎週水曜日は風呂を掃除する。

 それで浴槽に入り、お腹を右手で100回、左手で100回、両手で右側に100回、左側に100回、揉み込む。

 そして、指をぽきぽきならし、指を折りながら1000秒数える。

 そして、13秒かぞえ、96秒数え、

 100秒から0秒まで逆に数え、21秒から0秒まで逆に数え、17秒から0秒まで逆に数え、7秒から0秒まで逆に数え、4秒から0秒まで逆に数え、10秒から0秒まで逆に数え、

 41秒まで数えて上がるのだ。

 これは作品でよく使う数字を使う事による作品作りが上手く行くように願う意味も込めた彼のルーチンワークである。

 彼は、これを一日辺り、平日は、バイトから戻ってきた時と3時くらいの2回、休日は朝5時半くらいと午後2時くらいの2回はやっている。

 だが、今は、10月29日の水曜日。

 つまりは平日である。

 なので、朝、風呂に入る日ではない。

 だが、バスルームでなにやら物音がする。

 【芳果】や【芳寿】、【美和】や【フィナレエンデ】でも無い。

 彼女達が他の部屋に居るのを確認済みである。

 つまり、誰かが【不法侵入】していると言う事になる。

 【芳一】は、とりあえず、武器になりそうな大きな定規を持ってそろりそろりとバスルームに向かい、

「だ、誰だ?」

 と言った。

 が姿が見えない・・・と思ったのも一瞬、浴槽の中に潜っていた何かがざばぁ~っと音を立てて姿を現した。

 気配が無かったので【芳一】は、

「う、うわっ」

 とびっくりする。

 次の瞬間、その人物が女性であり、しかも裸になって居たことに驚き、

「は、裸?、ご、ごめんなさい、すみません、すみません」

 と反射的に謝った。

 その女性は、

「水遁の術、上手く行ったですか?初めまして、自分、【フィエーダ・シリラック】って言うッス。

 ニックネームは、【ズィー】なので、【ズィー・フィエーダ】です。

 自分、師匠の弟子になりに来たっす。

 日本では裸の付き合いというのがあると聞いたっす。

 自分、身体は女ですが、心は男っす。

 裸の付き合いをしましょう。ささっ、風呂場で服は無粋っす。

 脱いでくださいっす。一緒に風呂に入りましょう」

 と言った。

 【芳一】は、

「いやいやいや、ちょっと待ってって。待って待って待って。

 情報が多すぎてよくわからない。

 まず、服着て頂戴。服を着て」

 と言った。

 元々、ここは高級マンションのセキュリティーがしっかりとしている所ではないが、まさか侵入者が女性で、裸で風呂に入っていて、自分の弟子になりに来た、【トランスジェンダー】と言う展開に、【芳一】はついて行けなかった。

 後ろから見ていた、【芳果】は、

『良かったではないか。こやつは、お前の【2次眷属】になりたいんだそうだ。

 ムエタイでは無敵の強さを持っているそうだ。

 だが、将来の夢は日本で【アニソン歌手】とやらで色んな【アニメソング】を歌いたいのだそうだ。

 【日本】への憧れが強く、特別な【掛け軸】を24幅作ったそうだ。

 それで、【6周目】の【選ばれし者】になる権利を得たのだそうだが、それを放棄して昨日、【日本】にやってきたそうだ。

 その心意気、天晴れだと思って昨日の夜、入れてやったのを忘れておったわ。

 とりあえず、【神娘】の奴と一緒に住まわせる事にしたのじゃが、良いであろう?

 武闘派同士、気が合うと思うしな。

 とりあえず、こやつを【2次眷属】にせんといけないからな。

 昨夜はこっちに泊めたのじゃ』

 と言った。

 【芳一】は、

「そんな勝手に」

 と言ったが、

『仕方あるまい、お前は【部活中】だったのだから』

 と返された。

 そう言われてしまえば返す言葉が無かった。

 【芳一】は普通の人より早く就寝している。

 彼女はその後に来たのだろう。

 起きていた【芳果】達が対応したのだろう。

 【芳寿】は、

『ただ、その子、ちょっといやらしい感じだったから、昨夜は貴方と寝せたわよ。

 精神的に男なんだそうだから、男同士って事で。

 何か女好きみたいだから、貴方とも気が合うんじゃない?』

 と言った。

 【芳一】は、

「え?どういう事?」

 と言ったが、【芳一】がむっつりスケベなのは女性陣にはバレバレだった。

 そんな感じでまた、【2次眷属】が増えたのだった。

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