表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/2

はじめまして、世界

 真っ暗な場所。空間は四方八方にどこまでも広がっている。目を覚ました瞬間、自分が何者なのか、どんなことをしたらいいのか、一瞬で理解した。


 『ユラン様、プレイヤー番号AT57U6zht68様から召喚司令が来ています。直ぐに向かってください。』


 僕はシステムの指示通り、プレイヤーのもとへと向かった。何もない空間のはずなのに、そこだけ切り取ったかのように扉のようなものが現れ、開く。


 ここはVRゲーム『テイラーズオンライン』。このゲームに出てくるキャラクターは、町や村の人から召喚されるカードキャラクターまでにもAIが搭載されている。


 自由に行動できるだけでなく、自由に自然な会話が楽しめるのが売り。


 僕もそのAIの一人だ。



 桜吹雪とともに明るい青空の下に召喚される。目を開けると目の前に目を輝かせた青年がこちらを見ているのがわかる。初期装備の、薄い茶色の防具服を身に纏った、高身長の男性だ。


 「初めまして。ユランです。この世界の知識ならお任せ下さい。」


 僕は設定通りに自己紹介をする。

 僕の強みは知識。メガネをクイッと上に上げた。


 「わ、しゃべった。」


 彼は僕をまじまじと見つめる。


 「そ、そんなに見られると照れますね。」

 「あ、ああ。悪い。俺はレイだ。」

 「レイ様、これからよろしくお願いいたします。」


 そう言うとレイはニカッと笑った。


 (良かった…いい人そう。)


 彼は僕のステータスをウインドウで確認する。ステータスを誰かに見られるというのは何だか照れくさい。


 「ユランは剣士なのか。」

 「はい。」

 「俺はバーサーカーだ。まあ、近接攻撃同士頑張ろうぜ。」


 「はい、よろしくお願いいたします!」


 僕は嬉しくなって声が弾んでいるのが自分でもよく分かった。これからきっと楽しい冒険が始まるのだろう。清々しい旅立ちの日に僕は心を踊らせていた。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ