↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界でハーレム作るつもりだったのにゴーレム作ることになった  作者: maru
第2章 ハーレム?

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
32/159

31.ペトルス・リプシウスの消失?

 いよいよ、第2章「ハーレム?」編、スタート!


 カナ(奥菜香南絵)が転移した異世界での出会い。ペト様(ペトルス・リプシウス)、ミチャ(マセトヴォネヤスクウェゴラミチャ)との風変りな共同生活にようやくなじんできた矢先、ペト様は突然姿を消す。


 途方に暮れるカナに、親友ナギ(大河内凪)から予期せぬ通話が届き、事態はますますややこしい方向に…!?


 カクヨム様、ノベルアップ+様、ノベリズム様、エブリスタ様でも公開中です。

「カナ〜!!」


 ベッドで寝ている私を、ミチャが起こしにきた。いつもどおり、元気いっぱいだ。


「オナタ、スイテニョ〜」


 メロディなら瞬時に耳コピしちゃうのに、言葉はビックリするくらい間違って覚えるよね。それも愛嬌? まあ、お腹をすかせてることは、そぶりでわかるからいいんだけど。


「おはよう、ミチャ!」

「オッハヨー!」


 朝ご飯、なに作ろう? 家庭菜園に果物を追加しておいたから、フルーツを添えてヨーグルト食べたいな。


 2人でキッチンのある1階に降りていく。めずらしく窓の外は小降りの雨だ。傘をさして、ミチャと一緒にイチゴとブルーベリーを採りにいく。


 ちょっと肌寒い庭を歩きながら、頭のなかで、昨晩のことを思い返した。


 ペト様、浴衣のこと、いっぱいほめてくれたな。がんばった甲斐があったかも。


 ――ではあるが。


 別れ際、ペト様は、優しくハグしてくれた。


「じゃあ、おやすみなさい、カナ」


 そして、そのまま、寝室に入っていった――。


 それのどこに問題があるのかというと...。いや、どこも。


 夜だし。「おやすみなさい」、フツウっしょ。寝るんだし。寝室に入ってくの、当たり前っしょ。だいたい、別々の寝室にしたの、私なんだから...。


「はあ...」


 私は、しずくで濡れたイチゴを採りながら、ため息をついていた。


 つまり、あれな。ペト様、私なんかじゃ、ガキすぎるのな。そういうことなんだろう、結局...。


 浴衣をほめてくれたのは、初めて見るものというめずらしさもあったし、なんというか、社交辞令的なもの? 私に「女として興味ない」と思わせないための、ペト様なりの優しさ?


「カナ~?」


 いかん、いかん。すっかり手が止まっていた。ミチャが、心配そうに私を見上げている。


 昨晩、心のどこかで期待してた展開をふと思い出して、その都合のいい想像に、われながら嫌気がさした。


 ペト様は、私の初恋にして、最愛の人だ。もちろん、最初から、私の一方通行の想い。でも、それで困ることはなかった。気持ちが報われる可能性なんて、これっぽっちもなかったから。


 そう、この世界に来るまでは...。


 同じ世界で呼吸(いき)をして、毎日一つの空間を分けあって、ずっと一緒の時間を過ごしてたら――今まで期待しなくて済んでたことまで、期待しちゃう。


「はあ...」


 昨晩、いい雰囲気だったのは思い違いじゃない。だから、今度こそ、なにか(・・・)あるかな、と思ったのに...。

 

     ◇


 朝食の準備ができた。


 それにしても、ペト様が起きてこない。いつもは早起きで、私が目覚めてくるころには、道具の修理とか、周辺の偵察とか、なにかしらひと仕事終えて、爽やかに「おはようございます」って言いながら現れるのに。


 昨日は、長時間の遠出もしたし、疲れてたのかな。もうちょっと寝かせておいてあげたほうがいいのかも。


 そうこうするうちに、5分たった。うーん、コーヒー冷めちゃうな。でも、もう3分だけ待とうか――。


「オナタ、スイテニョ〜」


 ミチャが、泣きそうな顔で文句を言う。でも、ペト様が起きるまでは、と我慢しているみたい。やっぱり、起こしにいかなきゃ。


 2階の寝室をノックしてみた。


「ペーター、起きてる?」


 返事はない。もう一度だけノックしてみるが、物音ひとつしないので、すこし心配になる。どうしたのかな...?


「ごめんなさい、開けるね」


 ペト様は、頭まで掛けぶとんにくるまって寝てるみたいだ。まあ、そんな日もあるよね。疲れてベッドから起きあがれないペト様を想像したら、ふと優しく起こしてあげたくなった。目覚めて、私が添い寝してたら、ビックリするよね。でも、たまには、そんなのも悪くないかも...。


 私は、ちょっとした悪戯(いたずら)のノリで、そおっと添い寝してみた。ペト様、まだ起きない。抱きついちゃおうっかな...。


「カナ?」


 予想外の方向から声がして、飛び起きる。ドアの手前に、不思議そうな目で私を見つめるミチャが立っていた。


「あ、あのね! これは、ちがうの! なんでもないの! ちょっと、その、サプライズ? 的な...」


 なにをミチャ相手に動揺してるんだ、私。


 ていうか、あれ? なんか変。


 ふとんをめくってみると、そこにペト様はいなかった。


「ミチャ。今日ってペーターのこと、見た?」


 どこまで言葉を理解してるかわからないけど、ミチャは「わからない」という感じで首を振った。私も、先に起きてたミチャも、今朝はまだペト様を見ていない。とすると、もうずいぶん前に起きていたことになる。


 なんだか、イヤな胸騒ぎがした。


「ペーター、どこにいるの?」

「ペーター、ノコモイルジョー」


 ミチャと2人でペト様を探す。バスやトイレやバルコニーを含め、家のなかのどこを探しても、ペト様はいなかった。昨日の晩、バーベキューと花火をした庭や河原にも姿はない。


「ペーター、お願い、出てきて!」


 なにも言わずに出ていくなんて、今までなかったのに。なにがあった?


「ペーター!」


 心配そうな顔をしたミチャは、とうとう浮遊して、空からの捜索まで始めた。


 空から...。そうだ! まだ1ヶ所、見てない場所がある。私は、地下に続く階段をかけ降りた。


 不安な気持ちをおさえながら、半地下にあるガレージの入口を開く。すると、そこにあるはずの「空飛ぶ船」は、姿を消していた。

すぐ下の ☆☆☆☆☆ で評価していただけると、うれしいです!

( ☆☆☆☆☆ を ★★★★★ に!)


ページトップまたは右下の「ブックマークに追加」もお願いします!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。