表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
6/11

お兄ちゃんは渡さないっ! 4

「スゴいっ、スゴいです、ニージマハルカっ!これなら私の生命に届くかもしれませんっ!」


 ルーが歓喜の声で叫んだ。


 ハルカのマジカルハンマーは、まるで推進剤を噴出するかのように、魔力の粒子を勢いよく後方に噴き出している。


 それに伴い、ルーの風の大鷲がじりじりと押し戻され始めた。


「だけど、まだ足りません。もっと、もっと()()()くださいっ!」


 ルーは狂乱したかのように笑うと、突き出した右拳を捻じるようにひねり込んだ。


 その途端、風の大鷲が翼をたたみドリルのように回転し始める。その凄まじい回転力に、2本の白い螺旋の軌跡が大鷲の後方に伸びていった。


「く…うっ…」


 再びマジカルハンマーが押し戻され始め、ハルカは絶望と苦痛に顔を歪めた。


「どーしました?まさかコレが全力なんですか?」


 ルーが挑発とも取れる顔で笑う。


「でしたらサッサと勝負をつけて、ケータさんには私の()()()()()になってもらいましょう」


「な……な…」


 ハルカは目を見開いて口をパクパクさせた。


「さしずめ『ケータお兄ちゃん』…ですね」


「ダ……ダメぇぇえええーー!」


 ハルカは吠えた。気迫が肉体の限界を凌駕する。


「お兄ちゃんは…渡さないっっ!」


『ハルカっ、これ以上はっ!?』


 一瞬で全てを悟ったベルの声が、ハルカに向けて制止をかけた。


「よ…四ツ葉ぁああーー!!」


 しかし、そんなベルの声すらかき消すように、ハルカの口から覚悟の声が発せられた。


 魔法杖の先端にある青水晶が閃光を発すると、とうとう4枚目の輝く葉っぱがパッと開く。


 同時にマジカルハンマーが、まるでビッグバンのように白銀に光り輝き、金色の光が「1000t」から「メガトン級」へと文字を上書きしていった。


 ハルカの全身が「ドクン」と脈打つ。


 次の瞬間、身体を引き裂くような衝撃が、ハルカの全身を駆け巡った。


「お兄ちゃんを助けるんだあぁぁあああっっ!!」


 ハルカはもはや、ケータへの気持ちだけでマジカルハンマーを握っていた。


 魔力粒子の噴出は、まるでロケットエンジンであるかのように爆発的に噴射する。


 驚異的な推進力を得たマジカルハンマーは、風の大鷲を一瞬でかき消した。


 その瞬間を見届けたルーは、それを受け入れたかのようにゆっくりと目を閉じる。


 その直後、マジカルハンマーは大地を粉砕し、ルーを巻き込み大爆発を起こした。


 ~~~


「はあ、はあ、はあ」


 もうもうと舞い上がる爆煙の前で、ハルカは大きく肩で息をしながら何とか立っていた。


 しかし次の瞬間、ビクンと身体が痙攣すると全身に激痛が駆け巡った。


「あ…あぁぁああーーーっ!!」


 ハルカの絶叫が、辺り一面に響き渡る。


 通常状態に戻った魔法杖を杖代わりに身体を支えるが、結局堪えきれずに両膝をつき、そのままペタンとへたり込んだ。


『ハルカっ、大丈夫っ?意識はあるっ!?』


「ハハ、何とか…生きてる」


 ベルの心配する声に、ハルカはへたり込んだまま顔を上げて微笑んだ。


 しかしその直後、ハルカの真下から竜巻の塔が天に伸び上がった。


「え、うわっ!?…アダっ」


 竜巻の威力でハルカの身体が舞い上がり、背中から地面に打ち付けられる。


 爆煙が晴れたその場所に、ルーが満身創痍で立っていた。


「どー…して最後、手を緩めた…の、ですか?」


 ハルカは何とか上半身を起こすと、フラつき今にも倒れそうなルーに悲しい表情を見せた。


「やっぱり私、ルリちゃんとは…戦いたくない」


「甘い…コトを」


 ルーは呆れたような声で、哀しそうに笑う。


「これから、ケータさんの…心臓に仕掛けた、遠隔魔法を発動…させます。敵に情けを…かけた事を、後悔しながら…生きてください」


「え!?」


 ルーのその言葉に、ハルカは顔面蒼白になった。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ