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お兄ちゃんは渡さないっ! 3

「ベル、私…解放する」


『ダ…ダメよっ、解放は反動が強すぎて、ハルカの身体では耐えられないっ』


 焦ったようなベルの叫びが、ハルカの頭の奥にキンと響いた。


「それは分かってる…だけどっっ」


『…リスクを背負わずに、勝てる相手ではないか』


「うん…」


 ベルとハルカは思い出す。


 ルーとの初戦は、ハルカの惨敗であった。


 追い詰められたハルカに更に追い討ちをかけるように、ミサがトラ系統の魔法生物を呼び出した。


 しかしそれが気に入らなかったのか、ルーはひとり退散してしまう。


 その後ハルカは、魔法生物を相手に何とか勝利を収めることが出来たのだ。


『…分かった、だけど使うのは()()までよ。それ以上は絶対ダメ!』


 以前は使おうと思っただけで、その反動の強さにハルカは耐えられなかった。言われなくても充分に分かってる。


「大丈夫、無茶はしないよ」


 ハルカは力強く頷いた。


 ~~~


「何かするつもりですね、いーですよ」


 ルーが余裕の笑みを見せる。


「ルリちゃん、これはお兄ちゃんを誘拐ゆーかいした罰だから、痛くて泣いても謝らないよっ!」


 ハルカは魔法杖を両手で中段に構えると、両足を開いて全身で踏ん張った。


「光玉解放っ!二葉っ!!」


 ハルカの声に呼応し、魔法杖の先端にある青水晶から光が溢れ、光り輝く2枚のクローバーの葉っぱが発現する。


「マ…マジカルハンマーーっ!!」


 ハルカは全身に駆け巡る激しい反動を気合いで堪えると、声を限りに叫んだ。


 その瞬間、二葉の上方に白銀に輝く巨大な金槌が創り出された。それからその側面に、金色に輝く文字で「100t」と刻まれていく。


「スゴい魔力ですね」


 ルーは驚いたように目を丸くした。


「ですが、私には届きません」


 そう言って「フッ」と微笑むと、左手を前に突き出した。すると2メートル以上はありそうな、大きな魔法陣が描き出される。


 ルーはそのまま右足を後ろに引くと、半身になって右正拳突きの構えをとった。


 ハルカは両手で構えた魔法杖を、まるで釣竿のように右肩越しに振りかぶる。同時にショートブーツの小さな白い翼が、勢いよくシュンと伸びた。


「やあぁぁあああーー!」


 それから気合いと共に駆け出した。まさに疾風と表現するに相応しい。


「いっっけーーぇ!!」


 ハルカは途中で跳ね上がると、ルーを目掛けてマジカルハンマーを振り下ろした。


「暴乱の大鷲っ!」


 ルーは鋭く呪文を唱えると、魔法陣越しに、ハルカを目掛けて正拳突きを繰り出した。


 その瞬間、旋風つむじかぜによって創り出された3メートルを超える大鷲が、両翼を一杯に広げて魔法陣から飛び出す。そしてそのまま、ハルカのマジカルハンマーと正面衝突した。


 必殺魔法同士の真っ向勝負である。


 しかし徐々に、ハルカのマジカルハンマーが押し戻され始めた。


「うう…うっ」


 ハルカは唇を噛みしめる。


「うわぁぁああーーっ、み…三ツ葉ぁー!!」


『ハルカっ!?』


 ベルの焦った声が響くが、ハルカの声に反応した青水晶が3枚目の光る葉っぱを開かせた。


 白銀の金槌の表示が「1000t」と、金色の文字で書き換えられていった。

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