プロローグ
私たちの関係を説明するのはとても難しい。
共通点はある。ひとつは女同士だという事。
ふたつめは、同じ男を好きだったこと、そして今はどうでもいいということ。
そして、お互いを好きだという事。
ハナが家に来た時、私はハナの存在を持て余していた。
嫌いではない。嫌いではないからこそ追い出せなかった。
でも好きというわけではない。だからここにいればいいと言えなかった。
ハナに対して得体が知れないという気持ちもあった。
私たちは違いすぎたのだ。
違いすぎたからこそ、今は一緒にいる。
こうして、寄り添って寝ているだけで幸せを感じるくらいだ。
自分が好きな人が自分を好き。
その事実は私を満たす。
寝ていると思っていたハナが小さく笑った。
起きてるの? と小声で訊くと、起きてるよ、と小声で帰ってくる。
見られているのは分かったから、何かしてくるのかなと思って。
何かって?
キスとか。
キスされたいの?
してくれる?
そんな会話の後にハナからキスされる。軽く唇を合わせるだけの優しいキス。
何か考え事?
息がかかる距離でハナが囁く。
私たちが出会った頃を思い出してた。
そう言うとハナは笑顔で私に抱き着いてきた。
リョーちゃんに会えて、私は幸せです。ありがとう。
私はハナを抱き返して、こちらこそ、と囁く。
私たちの関係を言い表すのはとても難しい。
友達というほどの距離はない。
恋人というには、近すぎる。
こんなにも相手を愛している状態を、恋人というのだろうか。
私たちの関係を言い表すのは、とても難しい。