__カタマリ__
第二話「代償はきちんと払ってもらいます」
「ふむ・・。つまり、ある特定な人物達が自分の思うがままの姿に生まれ変わっていて、楽しい人生を過ごしていると・・。そしてその一人に私も選ばれてこれから私はこの姿で楽しい人生ライフを送れると・・」
【そうそう。よくわかってるじゃないですかー。君はこれから自分の望んだ姿で人生を送れる。素晴らしいね。実に興味深いよー】
__ありえない。
この男がいたことは全部あり得ないことだらけだ。
なぜ、死んだことにより生まれ変わり自分の望んだ姿が手に入る。
しかも、この男は「達」といった。ということは私以外にもこのような生まれ変わりが起きていると仮定する。それはいつから?何人ぐらいる?そして、なぜこんなことができる。この男は神様かなんかなのか。というか、まずここは私がいた世界と同じなのか?
【何か言いたそうだけど考えがまとまってない感じですね。でもその体は頭がいい。そう君は望んだことだから。でもまあ、はじめは何も考えずにその姿で楽しんで見るのはいかがですか?せっかく手に入ったあなたの「欲望の塊」なんですから。】
「欲望の塊・・。」
確かにそうだった。
この少女は私が望んで絶対にかなうことのない私の欲望の姿だ。
この姿なら、私の一番の欲望。「たくさんの人に愛されること」。
それが叶う。
体が震えてる。武者震いしているのか。笑ってしまう。こんな簡単に欲望が叶う。笑っちゃうよ。
こんなんだったらもっと早く死ねばよかったかな。なんて。
【あ、そうそう。言い忘れてたけど。ちゃんと代償は払ってもらいますからね】
「?代償って・・」
【・・ねえ君はさ誰かを死んでほしいって願ったことない?】
「・・」
【あるんじゃない?例えば自分をいじめてた奴ら全員死んでほしいって】
「・・やめて」
【あぁ。失礼。でもあるんだね。僕たちはね。その欲望を片付けるのが仕事なんだよ】
「え。それって・・」
【そう。つまり、これから君には「人を殺してもらう」人間の闇を片付けるんだ。僕たちは君に望むものを上げた。だからこそ君には僕たちの手伝いをしてもらうよ。人間はこの望みが多くてね。死んでほしい人が山ほどいるみたいだから手伝いがほしいんだよ。ということで、明日から楽しんでね。佐藤もかさん?】