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_カタマリ_  作者: もも肉
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欲望が多いほど人間らしい

人間は誰しもが「欲」を持って生きている。

それは、人によって大きいもの小さいものと様々であるが人間が生きていくために必要なものだと私は考えている。


 ここで、ある少女の話をしよう。

少女は、いたって普通でどこにでもいそうな高校生だった。だからこそ巻き込まれてしまった。だけどある意味彼女にとっては必然だったのかもしれない。だって彼女は持っていたから。

人間として生きる「生」に対する意欲を____。 




第一話「生まれ変わり」


 私は、たくさんの人に愛されたい。大勢の人に愛されたいんだ。だから愛されたいの!そうよ。だから私は愛されたい。

 でも、私には、みんなから愛されるようなものがない。だから望んでる。



「 目は大きくて、鼻は高く小さい。肌はきれいで、にきびやしわなんて、まっぴらごめん。誰もが憧れる理想の顔。あと私の好みで童顔がいいな!

あと、髪はストレートではねることなんて知らないサラサラヘアー。

身長は150センチで少し小柄で、でも胸は大きく男子の眼を引く。

足は細くて長く全体的にバランスのいいスタイル。どんだけ食べても太らない!

あとは、声も可愛く、歌もうまい。絵もかけてほしいな!あとは、視力がよくて運動神経抜群で、見たものはすぐに覚えてしまう天才脳。

手先も器用でなんでもすぐにこなしちゃう完璧な女の子!家も豪華でお手伝いさんがいて、毎日おいしいお料理が食べられる。

あとはオーラも大事よ!人の目を奪うその存在感!老若男女愛される女の子。そんな子になりたーーーい」



と、まあ。こんな感じですわ。


結局みんな顔よ顔。顔が可愛ければなんでも許されちゃう。

みんなから愛される。

うらやましいったらありゃしないわ。

私の自慢の明るい性格でもただのブスだったら意味がないの。

その性格もブスだブス言われ続けたらそんなものなくなっていく。ブスがなぜ根暗が多いかわかる?それはあなたたちがブスだとブスを否定続けたから。

まあ。でもそうよ。

ブスなんてもう、生まれた時から人生の負け組なんだから。


だから私は今ここに立っている。

ブスに生まれてきたから欲望がありすぎてそれをどう足掻いても叶えられない。幸せになることができないのだったらもう生きている意味などない。


__だから死のうと思う_。



そんな簡単に死ねるのかよ。

ええ。死ねるわ。だって私「生」に対する意欲がないんだもの。


生きていることの喜びを知らないから死に対する恐怖がないのかしらね。



・・・ああ。神様。

どうか、生まれ変わったら私の欲望のままに生まれ変われますように。


 


 風が私の汚い姿をあざ笑うかのように、大きく音を立てながら私は飛び降りた。

結局ためらうこともなく飛び降り私は死んだ。

明日になったらより汚くなった私を誰かが見つけ追放するんだろう。


ああ。さらばよ。世界。不公平な世界。負け組の私は退出することにするよ。


「それでは、皆さんさようなら。」

【そしておはようございます!朝ですよ。ちゅんちゅんー】

「・・は?」


【もうなにやってるんですか。いい加減起きてくださいよ。佐藤もかさん?】



刹那。

一瞬のうちに目は覚めた。同時にあたりを見まわしてみる。


きれいに片づけられたとても大きな部屋。

目の前にはベット。足を動かし首と目を動かす。

机に本棚。かわいい人形や、パソコンや、化粧台。大きな鏡。とても広い部屋。

シンプルだが色や人形を見るからに女の子の部屋。というのがなんだかわかってくる。


部屋が広いから家具もなんだか高価なものが使われているようなそんな感じがする。まるでお嬢様のお部屋みたいだ。



あたりを見回すため一歩一歩と足を運んでいく。鏡が私の姿を映す。

ああ。見るに堪えない。この部屋にいていいような外見とは程遠い醜い私を鏡は映す・・。



・・はずだった。



フリフリのドレスに。長いストレートな髪。

目は大きく鼻も高い。小柄でありながら胸は大きく膨れ上がって、どこからどうみてもそこには可愛すぎる女の子が鏡には映っていた。



・・だ、だれだこれ!?

か、可愛い。なにこの姿馬鹿みたいに可愛すぎるんだけど。

「かわいい・・」


!?

なんだ今の声!めっちゃかわいい声。誰がしゃべったの。え。私?いやいや私そんな可愛い声じゃないし、もっと野太い声してるし。そう例えるならアイドルのライブで汗水たらしながら叫んでる男の声みたいな声だから!うん。いや・・でも・・。



「これ、私・・なの?」

【そうだ。その姿は正真正銘君の体だ。佐藤もか】

「え。だ、誰」

【こっちこっち。とりあえず君のポケットにあるスマホをみてくださいよ】

「す、スマホ・・?」



【やあ。はじめまして。僕は管理人の、えーと、管理人さんでいいや。とりあえずようこそ。掃除屋へ】

ポケットからだした花柄のケースに入ったスマホは画面上に移る男の姿に合わせて音声を出していた。

 

黒髪で猫のような目をしており、黒パーカーに黒ズボン。

全身真っ黒な男がそこに映っている。

全体的に見ればかっこいい部類には入るのだろう。


【混乱してるみたいですね。まあ無理もないですよー。死んだと思って目が覚めたら、自分の欲望と同じ人物が自分になってるんだもん。興奮を通り越して恐怖でも感じているのですか?佐藤もかさん】

「・・あなたは誰?なぜ私の名前を知ってるの。それに自分の欲望の姿って・・。」

【おやおや?意外と冷静なのですね。それでは説明しますね。それが僕の役目仕事ですから。】

 

男がそう言った後画面は変わり、ある動画へと変わっていった。それはついさっき私が自殺に使ったアパートの屋上。


そしてそこには私も映り込んでおり、私が飛び降りて地面に叩き潰されより醜くなった私が映り込んでいた。


「な、にこれ。なんでこんなもの一体だれが」

【そう。君は一度は死にました。しかし生まれ変わったのです。あなたの望む最高な人間へと。あなたはこれからその姿があなた自身になる。ずっとあこがれていた愛される人間へ生まれ変わったのです!】




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