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18  作者: 杏子鮫
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知らない

Bちゃんに対しての私たちの行動は、いじめ以外の何者でも無かった。

私たちは学童保育に呼び出された。私たちはみんな学童保育に所属していたから。


夜の11時まで、Bちゃんのお母さんと私たちと私たちの親で話し合った。私たちはやったことを全て告白した。Bちゃんのお母さんは泣きながら、Bちゃんは今、私たちに萎縮して殻に閉じこもってしまった状態だと言った。一番彼女をいじめていたCちゃんのお母さんが、特に激しく泣いていた。


話し合いの終わりに、Cちゃんのお母さんがこれからどうしていくのか聞いた。

私たちは、話し合いの間ずっと泣いていたが、吹っ切れたような気持ちで、笑顔で、もうやらないしBちゃんと仲良くやっていきますと言った。

学童の先生がそうじゃないだろうと言って首を傾げていたが、私たちはそれ以外にどうするべきかわからなかった。



母は私に帰りの車で、お前は人をいじめたということを一生背負って生きていくことになるんだと言った。私はそこでやっと気づいたのだと思う。彼女が私たちをとても恐れていたことに。



中学生になって、もともと空気の読めない私は天然と呼ばれるようになった。


バレーボール部に入り、Dちゃんという勝気でオシャレな子と仲良くなった。彼女の話は楽しかったし、イケていたから、友達が多く男子とも仲が良かった。彼女は言いたいことをすぐ口に出した。影口を嫌って本人の目の前で悪口を言った。時にはヤンキーの彼氏と廊下で言い合いをしたりした。部活は本気でやるもんじゃない、という風潮が彼女によって生まれた。放課後は専ら、皆恋バナに花を咲かせていた。




私はまだ同じ夢を見続けていた。幼稚園の時にみたセピア色の老婆や、巨大なてんとう虫に心を奪われていた。物語を作らないのなら生きている意味がないと思っていた。


私も、Dちゃんと色々な話をした。好きな男子との妄想ケータイ小説西野カナ。見当が付かなかった。オシャレにも興味が無かった。

Dちゃんがヤンキーと付き合っている隣で、私はヤンキーを殴り飛ばす妄想をしていた。




私はDちゃんにとんでもなく憧れていた。好かれたかった。きっと周りの誰もがDちゃんに好かれたかったと思う。そしていつも部員8人で権力闘争が起こっていた。一番上はいつもDちゃん。Dちゃんと仲が良い子は権力者。Dちゃんが気に入らないと言った子は周りが影口を言う中で村八分にされ、ハブられた。


中学二年生、オシャレに興味がなかった私は、Dちゃんが教えてくれたLADYGAGAや奇抜な原宿の人々を好きになり、デザイナーの夢を見て、服のデザインを書いていた。恋バナも噂話も参加させて貰えなかった代わりに、ハブられたのは一回だけで済んだ。

お前の天然ウザい的なことだったと思う。天然と言われるのが嫌になった。


バレー部キャプテンのEちゃんと同じクラスになり、プロレススカートめくり下ネタ大会など下品な遊びに勤しんでいた。

恋に縁はなかったが、男子にいじられるのが楽しかった。わざとドジを踏むこともあったが、バレて指摘された時は、冷や汗をかいた。私は立派なお調子者になっていた。



中学三年生、部活引退時には、私とDちゃんとEちゃんの3人しか残らなかった。



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