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手紙から始まった交際・・・・だけど  作者: ロックハート
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97 知りたくもない事を知ってしまった と また 本当のことがわからなくなった。

 何度目かの同級会。


 これまで、数度しか参加しない奴が、珍しく参加してきた。

 俺にとっては、全く性格が合わない、行動様式も全く違う、話題も全く違い、第一に話す言葉や、まして相手によって変えるべきである丁寧語や、謙譲、尊敬、敬語など全く区別のできない、俺にとっては相容れることができないほど嫌いなやつだった。そしてこの同級会でさらにそれが倍にも三倍にも増幅することになった。


 二次会の席。俺、淳子、そしてそいつ。席はお互いに、意識したか、自然か、近くならないように席に着く。俺はもし席が近くになりそうだったら、どうにかして席を変えただろう。


 二次会も、一次会から既に酒が入っているため、賑やかだが少々全員疲れ気味で、喧騒のなかでも一瞬の静寂が入る。というか、7、8人の二次会だから賑やかさもそれなり。


 たまたまか、いつものことか淳子の話になる。あからさまではないが、自然に彼女が普通よりは資産が多いことの話題と、それを同級生女子が羨む?いや褒めそやす方向へ。


 すると そいつは、すかさず  淳子は俺が旦那に紹介したんだぜ と言い放った。

 表情、話すイントネーションが、だから今の生活があるんだ という表現の、おそらく次に口を開けばついて出る言葉だったはずだ。


 突然の話題を切り出した本人は、少しの話題作りのつもりだったのかもしれない、いや少しは自慢もあったのだろう。


だが 周りはそうは理解しなかった。そして同時に、その無神経さが俺の癇に障る。


 皆、その場で一瞬に凍りつくというか、明らかにしらけた場面になった。


 淳子と、特に仲良く付き会っている女子も、このことを知っていたか、知らなかったかは定かではないが、今まで絶対に話題にならなかったことだった。

 他の女なら  どんなきっかけで付き合い初めた? とか 自ら あるいは今の家庭の愚痴から始まり、関連した質問をされてから 話し始める事は少なからずあったが、淳子のことだけは、少なくとも俺の近くで話題になることは、絶対になかった。 そして淳子自らも話題にする事なかった。

知っていたとしても、俺だけが知らないで、既に周知の事実で、俺に聞かせることは、暗黙の了解でタブーだったのだろうか?  しかし周りの雰囲気から、周知では無かったのだろう。



 それをそいつは、いとも簡単に皆の前で話したのだった。


 皆 頷くまではいかないが “そうだったのか”という表情は、見て伺える。そしてその無粋な一言に、次の話題はだれも言葉を発しない。

 淳子は、明らかに不愉快な表情で、下を向き決して周りさえ見ようとしない。俺も、俺が振られた理由を知りたいと思うことはあったが、こんなやつから、こんな顛末で、俺が振られたきっかけを知らされたことで、心が煮えくり返る思いだった。このことだけを知っただけで、いつ、どんな訳で、状況は とか 聞く勇気も度胸も俺は持ち合わせていなかった。




《俺って、ほんとは、昔のことをいつまでも気になる性格なんだよ。なんで俺が振られたのか、相手をどんなきっかけで見つけ、結婚まで辿り着いたのか。そしてもっと前の、手紙を盛んに交わしていた時の 貴女から貰った手紙に書いてあった「本当のことを教えて下さい」のことが、今になっても、何を聞きたかったのか、何のことを書いたのかがわからないと ずっと気になっているんだ。 今聞いても答えてはくれないだろうけど》



《それとね》


《知ってるかな こんなこと。 俺のことを、ラブレターを貰っていたとか、バス停でからかったり、貴女との 中学最後の校内デートを覗いていたやつが亡くなったよ》 


《ずっと疑問だった事を聞き出すことができなくなったと思うと残念。まあ 生きていたとしても再会することもなかっただろうけど、もしかしたらと思ってね》


《貴方には、言ってなかったけど、中学一年のとき、マリエから手紙を貰った時にね。 すぐ読まないで捨ててと言われて、ちぎってゴミ箱に捨てた所を見られていたらしくて、ラブレーター渡していたっけ と ゴミ箱に投げていたっけ と囃されたやつなんだけど》 6話


 このことは、一切誰にも話してなくて、マリエも忘れているだろう。


《ほら 中学三年の卒業間近のとき、教室で二人で話し込んでいた時だよ。教室の壁の節穴から覗いていたやつね》 17話


《あとね 同級会のとき、したたか酒を飲んでトイレで寝てしまい、おいてけぼりされたときね。それから数日後、俺が寮に帰ると電話をしたら、自転車でバス停まで会いに来てくれたよね。

実は、貴女が来るちょっと前に、そいつと会ってしまい、どうやって帰ったのか、とからかわれたんだ。これも 愉快ではないことだったから、貴方には話してないんだ》 29話


《たまたま見た新聞で見つけてしまって、俺が知っている範囲だと、パチンコと競馬が好きで、たまに行く俺が、よく見かけたから、あいつはよく行ってたんだろう。

 その後、家族も仕事も捨てて突然行方不明になってから、大分時間が経って、今度は、車上荒らしで新聞に載ってたのをまた見つけてね。 風の便りでは、就職したと聞いてたけど、交通事故でまた新聞に載ってたんだ》


《それで、今度は死亡欄に載ってたんだよ。 どっちかと言うと好きではないタイプだったけど、波瀾万丈と表現していいのか、同級生としては早過ぎるよね》


 ご冥福を祈ります。合掌


久しぶりのあっぷです・

話の辻褄が合うかどうか

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