96 嫉妬の後
後日談
年末、再就職が決まる。新年から出社。
求職中には、自ら
「就職が決まったら、お祝いしてくれる?」
と、淳子に聞くと、
「うん いいよ」
と応えてくれた事を、思い出して、就職後聞いてみる。
「就職決まったよ。お祝いしてくれないかなー」
「うん いいけど、寿美ちゃんと一緒にね」
という返事。寿美ちゃんとは、山岳会の女子メンバーで同級生。
やはり二人きりでは、会ってもらえないことは予想出来たが、現実になると結局就職祝いは実現せず。
ここでも、生来の不精が災いし結局会える機会を逃したのか? 三人でと言いながら、結局二人になってしまうシチュエーションでも良かったじゃないか。
貴方が結婚直後に一緒に山へ行った時のように。結局二人でも会ってくれるような気がするね。
この時期
時節柄、いろいろな新年会に参加すると、
近所の知り合いから、
「去年山に行ったそうだね。俺の同級生も行ってて、見たって教えられたから」
ということを告げられた。
なんとなく、意味深な表情が気になる。
近所の知り合いは、淳子を知っているはず。ヒョとしたらその同級生は、俺を知っていたなら、淳子のことも知っていたかも。ならば二人がそれとなく仲良くしている場面も見られていたということか。まあ一方的に俺が近づこうとしていた場面が多いのだが、それにしても同行者からは目立ったのだろうか。
しかし、その後の話題は続かなかった。自分からもあえて話題は広げなかったし、知り合いも追求してこなかったが・・・
俺は、
・・・ああ 目立って淳子と親しくできなかったことが幸いしたかな。俺を知っているなら、淳子のことも知っていたかもしれない。・・・
淳子も、その同級生とやらを知っていて、あえて俺と親しくしなかったということだったのか?
俺は、背が高い。よく人に覚えられやすかったが、反対に俺は、人の顔と名前がよく覚えられなかった。どこかしら、知らないうちに俺の知り合いはいるらしい。




