9 友人を通じて交際もうしこみ
返事をださなかったからか 友人を通じて告白
初めての手紙の後、手紙の返事を出さなかったからか、敬俊を通じて彼女から交際の申し込みがあった。
家庭科の実習室に呼び出され
「淳子さんが付き合ってほしいと言っている。返事は後でよいが考えて欲しい」
とのことであった。
《自分はワイシャツ姿のような、6月か、7月だったよね》
敬俊も優子と交際していたようであり優子も彼女も親しい友達であった。その時も私は、はっきりとした返事をせず、また正式な返事も一週間、二週間と延ばしていった。
内心は、自分が、青春恋愛小説の主人公の様な立場に立っていることと、常に気になっている同級生から告白されたことを、小躍りしたい気持ちであったが、どう返事をしてよいかわからない状態であった。
はっきりとは思い出せないが最初は照れもありやんわりと断ったと思う。・・・・もったいなくて、はっきりと断れなかったのだが、中学生における男女交際論的な話題を持ちだしたりした自分の言い訳を、聞いている敬俊は、断っているのか、了解しているのか、何を言っているのか分からなかったと思う。・・・・
それでも、一ヶ月程度後に、再度申し込み(返事の確認のためだったか)があり(最初の申し込みで、敬俊は私の気持ちを察してか、彼女には私が断ったとは言わなかったのかもしれない)
「この前も言ったけど、淳子さんが付き合いたいんだってよ。返事はどうなの?」
「ずいぶんしつこいね、わかったので、(何かあるときは)彼女の方から声をかけてくれるなら付き合ってもいいよ」
と答えて、やっと正式な交際が始まった。本心は、まだ自分から声を掛けて誘う勇気がなく、どのように声をかけたらいいかが考えられなかった。男としては情けないOKのしかただった。
以後彼女からのアプローチは積極的だった。
《手紙や告白を受けて正直うれしかったけど 手紙の返事を書くプレッシャーや、返事にどう応えるか、答えを遅らせていることも負い目になっていたんだよ。それがしつこいという 自分の気持ちと反対のことを言ってしまったんだよ ごめんね》
声を掛けてくれたらと返事をしたのが、どう伝わったか、確かに付き合うと返事はしたが、彼女からのアプローチは、暫くなかったような気がした。応えたからには、彼女から何かあるかな?と 少なからず期待はしていたがかえって、廊下でも見かけることが少なくなったような気がしていた。
《中学総体が秋ごろあったよね、テニスの試合で、貴女を見つめていたのは知っていたかい?》
全校応援のような形で、応援に行くのだが、彼女はソフトテニスに出場していた。敬子とペアで前衛。自分には、前衛のプレーが緩慢に見え、大声で応援したい衝動にかられた。
自分の応援が聞こえたらもっと活躍してくれるだろうかという気持ちと、気が散って戦意喪失するかもという想いもあり、声を掛けられなかった。しかし眼はつねに彼女を追っていた。
付き合うといっても 田舎で、中学生ではデートとか、限られます。




