85 閑話休題 4
俺だって嫌いな女はいる
新システム導入の説明会で、東京本社へ出張。
説明会は、順調に終了し、帰郷のため東京駅に到着。最終便か、その一便前か
そろそろ、電車がホームに入る頃を見計らって乗車口に移動すると携帯がなる。
なぜ、平日の午後に携帯が鳴る? 会社の就業時間は、過ぎているが、なにか問題発生?
と 思いつつ電話にでると。
「もしもし、 私」
「あ どうも」
携帯に電話を掛けてきた女は、同じ趣味のついでで入っている団体のメンバーである。
その女が 入団してきた時に、ちょっと親しげに声を、数回掛けていると、好意があるとでも受け取られたのだろう。基本女性に声をかけるのは礼儀と思っているのだが・・・
聞かれて自宅や、携帯番号を教えてしまった結果だが、頻繁に電話をかけてくるようになった。平日の団欒中だったり、閉口したのは、家族と一緒にいる確率が高い、休日の夕食時間だったり。
練習に来ないの? とかもろもろの話題で、自分としてはどうでもいい内容だったりした。
察するに、自宅電話からの電話だったので、家族が居ない時を狙って電話を掛けて来たのだろうが、こちらの都合は全く無視のようだった。
さすがに配慮のない、少しは遠慮のある会話ができない女は好きではない。
普通は、今 電話してだいじょうぶ? とかあってもいいはずだが、いきなり
「私のこと好き?」
「・・・・」言葉を濁す。
内心は
・・・おい 普通ならまだ会社にいても不思議ではない時間帯か、家でくつろいでいる時間だぞ。・・・
・・・ちょっと声を掛けているのは社交辞令なんだけど 本気にするか?・・・
「ねえ 私と付き合わない?」
電話の言葉は、聞こえていたが、
内心は、・・・急に何言ってるのこの女は・・・ だった・
この時、ちょうど他の路線の発車のベルと、電車の発車音が鳴る。
「あ ちょっと聞こえない。いま東京駅のホームで忙しいから、また後で電話してくれない」
返事を聞く間もなく、電話を切った。
その後も、数回の電話があったが、当たり障りのない返事を返し、団体の練習にいくと、親しげな表情で、声をかけてくるのも、少々うざったくなりつつあり、あからさまに邪険な態度をすると、電話はなくなった。
また、時間が経過して、静かな時間を甘受し始めると、
女に邪険な態度も、自分の信念に反することで、少々態度を再びやわらげると、また電話が繰り返されるはめになった。
この女は、付かず離れずではないが、少々距離を置く程度がいいのか?
嫌いな女でも、電話はくる




