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手紙から始まった交際・・・・だけど  作者: ロックハート
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83 太ももとウェディングドレス?

 同級会で 温泉ホテルへ

 宴会も終わり、幹事の部屋で二次会。

 富美子が、ゲームや余興を企画してくれた。

 景品は、仕事でもらう試供品などを準備したと話す。

 ゲームの一つで、男女ペアになり、片方をおんぶして新聞紙の上に立ち、おんぶされた方がジャンケンで勝ち残るたびに、新聞紙の面積を減らしていき、はみ出たりせず、最後までおんぶができていたペアが勝ちというもの。ゲームの名前はしらない。


 よく知られていると思うゲームだったが、ゲームをするのは初めてだった。

富美子が仕切ってペアを決める。

 俺は、淳子とペアになることを心で望んでいたが、富美子は俺と淳子でペアを組むよう指示してきた。まさかとは思っていたが、顔にでも出ていたか、富美子に感謝。


 願ったりかなったりでいざゲーム。淳子をおんぶする。浴衣の上から、足をかかえ新聞紙からはみ出ないように、そして、おんぶが下がってくると、勢いをつけて上に持ち上げること数回。


 その間何回か、彼女はジャンケンで勝ち残り、最後は新聞紙が足の面積以下になり、律儀にも俺はかかとをあげて新聞紙の上に残ろうとする。

 結果は複数のペアが最後に一斉に崩れてゲーム終了。思い返せば、淳子の体に触れたのはこれが最初で最後だったか? 


《後で写っている写真を見ると、貴女は、満面の笑みで、俺にしっかり抱きついてくれてたよね。もっと早くこんなことがあればよかったのに。 でも ゲームが終わってから 貴女がいった一言。


「健太郎君って、最後の頃には足がプルプルふるえてるんだもの」 


と笑ったのは、俺のことを見くびりすぎ》


《たぶん 疲れて足が震えていた のつもりで言ったんだろうと思うけど、それは違うよ


 なるべく長く貴女をおんぶしていたくて、小さくなった新聞から足がはみ出ないように、かかとを上げてたからだよ。それでも俺にとっては至福の時間だったよ まあ 酔ってたから出来たことだろうけど》


 それから又後のクラス会旅行で、富美子からミニアルバムに入れられたた写真を見せられた。なんとウエディングドレスを着てポーズを取っている複数の写真だった。写真は、富美子と、淳子と、俺にとっては、その他の女子メンバー。若いころ出来なかった?ドレスを着ての記念撮影らしかった。


「健太郎君 ほら見せてあげる」


「女子会仲間で撮った写真だよ みんなで遊びで撮った写真ね。他にもいろんなドレスに着替えて撮ったのもあるけど」

 

 俺は、ふーん 面白いねとか言いつつ、写った写真を満遍なく見つつ、凝視するのは淳子の写真。


見終わって、アルバムを返す時、冗談風に


「この写真ちょうだい」


「だめ」


で 富美子との会話は終了で、当然 うん とは言わないだろうと思っていて、写真の件は終了した。


 それからまた数年後か、一年後か・・・


 写真の件はすっかり忘れて、同級会の三次会で、富美子が俺を会場の隅に呼ぶ。


「健太郎君 ちょっと来て」

「何」


と 呼ばれて会場の隅へ行く。

 富美子がバッグから取り出したのは、ミニアルバムで、


「この写真のどれが欲しい?」


と 数枚の写真を見せてくれた。それは数年前に見せてくれた、淳子のウェディングドレス姿の写真だった。それも淳子の写真のみを抜き出した数枚。

 最初に見せてくれたのは、数年前である。なぜ今になって???


俺は照れ隠しもあって、


「うわーすげー 全部欲しい」


少し おどけた表情と声を出すが、富美子は


「ちょっと! 静かに 内緒なんだから」

「そうか わかった」


「んじゃ これかな」


で 淳子のウェディングドレス姿の写真をゲット。本番の結婚もこんなふうな写真だったのだろうか?


・・・大分 年は食っているけど 俺にとっては、なんでもいい 彼女の写真であれば・・・


 全くの他人から見れば異常な、行動なのだろうか? ストーカー的でもあるだろう。


 しかし、直接的には、関係のない富美子は、未だに淳子に思いを寄せている俺を哀れとでも見てくれたのだろうか。写真を持って来てくれたのであれば、以前から準備していたのだろう。そして、この会場でも、俺は、男と女に分かれてしまったテーブルで、積極的に淳子のテーブルにいき酌をしていた。でも淳子とは直接話しをしないままに。

 こんな俺を見て、淳子と話をしたいのに、他人の眼があるから遠慮しているのだろう・・・哀れな・・・ とでも思い、写真を譲ってくれる決心をしてくれたのだろうか。


 勿論写真は、年齢に比例した表情である。記念写真的な撮影だから、化粧は濃い目。しかし俺は、付き合っていたころの表情は思い浮かべることは簡単なこと。そして永遠に変わらない、過去の表情を得ることが出来た。少しだけの至福である。


《富美子は、貴女には内緒だったのかな。でもこの会場で譲ってくれるって、いたずら心でもあったのだろうか。貴女と付き合っていたころの一つ一つの笑顔や怒った顔、悲しそうだった表情は忘れないよ》


 こんなんで至福なのか健太郎

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