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手紙から始まった交際・・・・だけど  作者: ロックハート
80/109

80 コンサート 1

 やはり、同級会で会ったときか


「近頃、コンサートとか 行ってる?」


と 聞いた。

 以前から、好みの歌手のコンサートに行っていることは聞かされていたため、いつか一緒に行ける機会がないか目論んでいた。


「来週、昔のフォークグループのコンサートがあるから行くよ」

「俺も行きたいなー」

「予約のチケットとか、取らないとだめなのかな」

「だいじょうぶ、必ず空きはあるから、その日に行っても」

「そう じゃ 当日にいく」


 当然、自分は一緒にコンサートに行く気満々。彼女は、本気にしたかどうか。しかし拒否されなかったことに安心した。


 コンサート当日、車を降りていざ会場へ向かうと、偶然前を歩く彼女が見えた。後ろ姿でも、決して見間違うことはない。

 携帯を取り出し、電話する。そのまま着信するまで後ろ姿を見ていると、着信音が聞こえたのだろう、彼女は、少し驚いた風に、バックから携帯を取り出し、いぶかしげに携帯を手にした。


「もしもし 俺」

「あ どうも」


少しそっけない、抑揚だった。


「すぐ後ろにいるけど、後ろ見ないで」

「やっぱり今の時間に会えたね」

「このまま、離れて会場へいくからホールで待ってて」


 ホールは、開場前の入場者で賑わっていたが、二人向い合って、立ち話で、チケットの購入を話し合う。

 お金を渡し、二人分の席を取ってもらうよう頼んだ。彼女がどんな席を取ってくるか心配だった。


・・・まさか別々の席か? 決して二人での指定席は望まないはずだが・・・


 できることなら、ステージから離れていても、近くの席になれる場所を選んで欲しいと願っていた。しかしステージ近くの席も空いているようで、一人できた場合は、彼女はそこを取っただろう。そして今日も、彼女はそこを、俺はずっと離れた席かもしれない。


 そんな心配をしている間、じきにチケットを買って渡されると、買ってきた席は自由席だった。俺は、ステージの近くより、彼女の近くの方が嬉しかったのは、当然のこと。そしてこれからのコンサートで、一緒の場所で、一緒の時間を共有してくれることを選んだ彼女の気持ちが嬉しかった。


 自分が先に歩き、少し離れて付いてきた彼女と共に二階席に。見回すと、二階席は予想した通り空いている。それでも、数人の客。その客との距離を取りつつ、中央側で、後ろに客がいない場所を選んで座った。

 通路から、三列ほど中に入る場所に座ると、彼女は、俺から席を一つ離して座る。賢明な選択と思った。まだ客席は明るい。俺も彼女も周りから見られることを嫌った。そして彼女がどこまで接近してくるか試した形になった。


 コンサートが始まって、客席が暗転する。数曲終わって、その間何か会話をしたか・・・


どちらからともなく


「いい曲だね」

「うん」


てな会話をしたか。席が離れているため、上半身をお互いに寄せあっての、会話だった。


 そして、自分は、彼女の側に、席を移して隣に座った。拒否はされなかったが、歓迎される姿勢も見えなかった。淡々とステージを見て曲を聞いていた。まあ 拒否されないことで、よしとせねば。


コンサート終了。

 会場から、大部分の客が引いたのを見計らってから、二人で席を立つ。


「先に行って」


と、ホールへ行くことを促した。そして数メートル離れて、後を追う。


 ホールに着くとまだ多数の客がいて、コンサートの余韻を楽しんでいる様子。

 彼女は置かれているソファーに座る。そのまますぐに別れる事は考えていなかったようだ。自分も少し離れて彼女のそばに立つ。距離は、会話はできるが、はたから見れば、たまたま会って会話しているように見える距離か、会話が途切れたら、他人にも見える。

それほど、未だホールは混んでいた。


 知り合いが居ない事を確認するため、周りを見回す。これが良いことだったか、悪しきことだったか。(自分は背が高い。平均より、頭ひとつ出る)知り合いと目があった。同じバンドのメンバーで、お互いに覚えているかは疑問であるが、彼女とは同じ中学で、年齢一個下。


 知り合いは、笑顔で自分に近づいてきた。自分は、笑顔だが、内心は、固まった。

 すぐさま、目線を彼女と合わせないようにして、知り合いと対峙する。少しだけ移動して、彼女を俺の背になるようにしたが、半身になるのがやっとだったかな。

 にこやかに、彼と挨拶しつつ、チラ見で彼女をみると、目線を遠くに移し、他人のふりをしてくれたのが助かる。

 二言、三言会話して、彼と分かれるが、彼が俺の他に、彼女が同じ学校の同窓生と気が付いたかどうか。彼とは、その後、何度も会うことがあるが、この時の話題を振られることはなかった。




彼は、気が付いていたのか、どうか?


4話 追記しました。

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